Echo Show 5、来る

Echo Show 5が早速届きました。すぐにセッティングして、現在稼働中。

 

画面がついてるEchoなので、単体でセットアップが完了します。(アレクサ Appは不要)

 

 

下手に液晶置き時計を買うより、Echo Show 5を時計やカレンダー代わりにしたほうが安上がりでメンテも楽かも知れませんネ。

 

Echo‥‥ということで「音」のほうはどうかというと、これがまた、Echo Dotのショボかった低音のイメージを挽回しようと思ったのか、低音が出過ぎでオールマイティなバランスを欠いています。JBL Goのようにそつなく無難にまとまっておらず、低音を強調し過ぎて、置き場所を結構選びます。

 

例えば、カラーボックスのような背面が箱状に囲まれた場所に置くと、出過ぎた低音が共鳴して異様に低音がブーストされます。

 

Echo Show 5は、天井のないフラットな机の上にポンと置くと、低音の収まりが良くなるようです。

 

*なまじ低音を強調している設計なので、置き場所によってはとんでもなく低音が出過ぎます。

*開放的な場所に置くと低音が分散しますが、背面にボックス的な空間があると、ボックス内で音が回って、異様に低音が増強されます(ボックスの開いた側に音が抜けるのでデカくなるのかな?)。低音は無指向性とは言いますが、60〜300Hzの音はボックス内で反響しちゃうみたいですネ。

 

 

音を良くしたい人は、箱鳴りするような場所は避け、開放的な場所に置くか、外部スピーカーに繋ぎましょう。

 

音が拡散する場所におけば、「こんなに小さいのに、低音がよく出てるネ」と印象が良いこともありましょう。

 

Echo Show 5は、音を鳴らしながら、置き場所をあれこれ試すのが良いです。10〜20cmの上下左右前後の位置調整で音が大きく変わることもあります。(実際に試して実感しました)

 

私の場合、今回買ったEcho Show 5で音楽を鳴らさなくても、iPadやFireからJBLのFlipやGoを鳴らしたり、Echo DotをYAMAHAのスピーカーで鳴らしたり、そもそも無印Echoはそのままで音が良かったりするので、Echo Showでは音楽は再生せずにアレクサさんのボイスだけにしておきます。

 

ただ、アレクサさんの声も低音のドスの効いた声になるので、とりあえず今はJBL Go 2にBluetoothで繋いで音出ししています。

 

まあ、せっかくのEchoですから、単体で完結させて楽しみたいですネ。

 

肝心の各種機能は、すでにFireや旧Echoで実感しているので、特筆することはあまりないですが、やっぱり「自動で色々と表示が変わっていく」Showならではの機能は便利です。声をかければ、すぐに天気や時間やタイミヤーやスケジュールを表示しながら喋ってくれるのは、確実に便利です。カレンダーがgmailやApple IDで連携できるのは、今までの通りです。

 

 

 

もうセールは終わっちゃいましたが、こうしたデバイスが5980円で買える社会って、私が子供の頃に読んだ、元旦の小学生新聞の「未来社会」そのものじゃないスか。テレビ電話はアニメやマンガの世界だけでしたしネ。

 

ちなみに、日本の歌謡曲やポップスなどを再生すると、Showの画面に歌詞が順次表示されて(表示されない曲もありますが)、なんだかまるでカラオケボックス。

 

ただ、昔の曲の「ポケットにラッキーコイン」という歌詞がShowに表示されても、なぜポケットにコイン(10円か100円玉)を見つけたらラッキーなのかは、今の人は物理的に思い知れないですよネ。(=恋する人に公衆電話から電話をかけられるから‥‥という昔ならではの叙情ですネ)

 

今も昔も「頭の上はブルースカイ」なのに、地べたの社会は、昭和と令和ではこんなに様変わりしたんだよネ。

 


夢のシート確認

アニメ業界の制作現場は、言うなれば、デスクワークの修羅場なので、実写現場のような「ハイ!ここからここまで!」(=撮影地や撮影スタジオの時間制限でネ)というキッパリとした区切りが「見た目」上はあまりなく、ズルズル、ズルズル、ズルズルと24時間絶え間なく進行していきます。

 

もちろん、ケツ(考えてみれば、老若男女「ケツ」「ケツ」言う現場ですネ、アニメ業界は。)は決まっているので、キッパリと区切りはあるのですが、立ってしゃがんで走って登って‥‥という実写現場の「体を動かす系」ではないので、徐々に電流が大きくなっていく責め苦の電気イスのごとくです。

 

アニメの撮影(=要はコンポジットですが)を引き受けると、そりゃあもう、最後のあたりは大変です。「ケツのケツ」(プロダクションのケツ〜ポスプロ前)ですからね。仕上げさんも相当地獄だと察しますが、撮影はさらにその後なので、「間に合っていないことは絶対に許されない」というプレッシャーの中、不眠不休の作業を余儀なくされます。

 

私は数年前に短編の撮影監督を最後に、以後、撮影監督は引き受けていません。‥‥体力的に限界ス。

 

そんな、最後の撮影監督の時に、今だから笑って話せるようなことも体験しました。

 

 

 

まず、夢のシート確認。

 

シートを確認するのが、人生の夢だった‥‥という話ではございません。

 

パクズレのリテークで、再撮するカットのシートを進行さんから「修正箇所は赤で書き込んであります」と言われてカット袋を受け取りました。「どれどれ」とカット袋の中からシートを取り出して、2つ折りのシートを開いて確認するのですが、何だか文字がボヤけて読めません。

 

「?」‥‥と思いながら、何度も何度もシートを読もうとするのですが、緑色のシートの中身がボヤ〜っとして一向に読めないのです。

 

ふと、目が開いて、目が覚めました。

 

‥‥どうやらカット袋を抱いたままイスで寝落ちして、夢の中でシートを読もうとしていたようです。

 

進行さんから、「はい」とカット袋を受け取って、膝の上に乗せてボンヤリしているうちに、眠ったようです。‥‥他人事みたいな言い方ですが、そうみたいです。

 

「そりゃあ、夢の中じゃ、シートは確認できんわ。」

 

‥‥と思いました。

 

 

 

そして、滑らかブラー1時間。

 

アニメによくある超能力的な表現で、色んなAfter Effectsのエフェクトを組み合わせて処理するカットがありました。放射ブラーとか、セルをブラシっぽく見せる何段階かの滑らかブラーとか。

 

何重にも及ぶエフェクト効果で、手間も手数もたくさん、疲労もいっぱいで、意識が朦朧としながら、最後にたまりがちな大変なカット(原動仕的にも大変なカットは後ろに詰まる)を作業していました。

 

深夜に及ぶ作業を繰り返す中、夜の9時ごろに、エフェクトのブラーメニューから「滑らかブラー」を選択して、レイヤーに適用しました。

 

操作の通り、滑らかブラーの効果がレイヤーに追加されました。

 

ふとメニューバーの時計を見たら、夜の10時。

 

どうやら、滑らかブラーを選択して適用するのに、1時間かかったようです。

 

ふと、瞬きをした時に、寝落ちしたのでしょうネ。たぶん、おそらく。

 

猛烈に眠い時は、目を閉じたら最後だよネ。その姿勢のまま、10分は眠れる。なので、1時間もありえる。

 

 

 

この2件の珍事件(?)をもって、「私はもう、アニメの撮影監督は無理だ」と悟りました。

 

技術云々、表現云々ではなく、もう体力が、従来のアニメ現場向きではない‥‥と痛感したのです。撮影に限らず、作画においても、20代、30代の自分ではないことを痛感したのです。

 

技術の積み重ねも、経験の蓄積も、役に立ちません。従来のアニメ撮影の修羅場に必要なのは24時間戦える人間と人海戦術。ピークに合わせて人をたくさん雇って待機させる、コストのかかる構造をどう「やりくり」するかです。

 

今、20代の人は、自分が40〜50代になって、同じ仕事をしている自分を想像できますか?

 

作画も、撮影も、同じ作業ペースで50代もずっと生きていけると当人が思うのなら、アニメ業界には珍しい、恵まれた環境でしょうが、そういう現場はどれだけ存在するでしょうか。ぶっちゃけ、「このままの働きかたで50代まで続けたら、老後前に死ぬだろうな」と思う人は多いんじゃないでしょうか。

 

読むと100日寿命が縮むという恐怖新聞。最後にボロボロになって死んだ、主人公の鬼形礼。昔、子供の頃に読んだ漫画を思い出します。鬼形礼君が、腐っていく自分の体と、自分が生きるか死ぬかの中で、激しく葛藤するストーリーを今でも思い出します。

 

もし撮影セクションが作画と同じ完全な単価制度で、しかもその単価が安かったら、作画と同じ離職率になるかも知れませんネ。

 

 

 

従来のアニメ制作現場で考えれば、もはや品質や作品表現を考えるのはナンセンスなのかも知れません。内情を知っていれば、作画崩壊とか笑う気にはならないはず。

 

しかし、今のアニメ制作現場の作り方では、QCの厳しい未来の映像産業には到底対応できません。今までの作り方を続けるために、QCの緩いクライアント相手の仕事を探すようになっても不思議ではないです。

 

最後にドカドカッと「やっつける」方法では、品質が下がり、QCにもひっかかり、人の消耗も改善できませんよネ。当事者ならわかりますよネ。

 

 

 

なので、新しい技術による新しい道へと進んでいます。

 

正直、新しい道は困難の連続です。

 

一番厳しいのは、新技術を扱える人間が極めて少ないこと。

 

例えば、作画作業の70%を新技術で2人で引き受け、残りの30%は従来技術で10数人で作業する。‥‥いくら新技術の威力が絶大でも、この作業人員の不均衡は如何ともしがたいです。

 

その10数人のうち、数人で良いから、新技術のほうにも分けてくださいよ‥‥と言いたい気分です。

 

2020年代には、「時代の色々な波」におされて従来作画はものすごくお金がかかるようになるだろう‥‥というのが、偽らざる実感です。かと言って、アニメ業界は平成に留まって、2010年代に留まって、過去の技術と品質の中で生きていくわけにもいかないでしょう。

 

もし、新しい技術を扱える人間が増えれば、状況も大きく変わって、お金の面も飛躍的に改善できるのにな‥‥と思いますが、‥‥まあ、この辺りの話はまたいずれ‥‥。多方面に関与する話なので、風呂敷がでかいです。

 

困難はあれど、新技術の先に光が見えるのは良いです。

 

同じ険しい道でも、先が見えずに暗い道より、明るい光が見える道へと進みます。

 

 

 

夢でシートを確認する‥‥なんて、今でこそ、自分自身の笑い話ですけどネ。

 

生きているから、笑うこともできる‥‥というのはあります。

 

2020年代はまさに、アニメ業界の正念場なように思います。

 

生まれ変われる集団、生まれ変われない集団、それぞれの明暗が、嫌でも浮き彫りになる10年間でしょう。

 

 

 

 


プライムデー

今年もプライムデーがやってまいりました。

 

私は前々から狙いをつけていたEcho Show 5と老眼鏡(1.5)を買いました。

 

Echo Showは、4000円引きで半額に近いほどの値引きです。(プライム会員のみの割引です)

 

 

 

現在、作業場ではEchoがスケジュールなどを(聞けば)教えてくれたり、様々なアラームやタイマーになったりと、地味に活躍しているので、自分用のマネージャーとして画面付きのEchoを前々から買おうと思っていたのです。

 

今はとにかく忙しいので、スケジュールを聞けば教えてくれるだけでも、自分専用に導入する価値ありと考えていました。

 

「Siriじゃだめなの?」と言われそうですが、私は仕事柄iPadなどのiOS端末をいくつも使い分けているので、ぶっちゃけ、どの端末でSiriがアクティブになっているのか、わからなくなってるのです。整理すれば良いじゃん‥‥と思うのですが、iPhoneを肌身離さず持ち歩くタイプでもないですし、仕事場と自宅にそれぞれEchoがあれば事足りるので、音だけのEcho Dotから目でも確認できるShowへとリプレースするのです。

*昔のFire(といっても2017〜18年発売の)がアレクサに対応できないのはナゼなんでしょうネ。やや釈然としない感じ。

 

Googleのカレンダーと同期し、Apple Musicも加えて、あとは天気予報(結構便利なのです)と時計を表示して、夏から秋へのハードな業務を乗り切る所存です。

 

ちなみに、Fireもプライムデーならではの安さ。私は買いませんけど(もう十分あるので)、ビュワー代わりに買い足すのも良いですヨ。

 

 


実寸などいらない

びた1枚も紙が存在せず、プリントアウトもしない、完全ペーパーレスのアニメ作品には「実寸」はありません。

 

実寸を気にして、何でも実寸を当てはめようとする思考の人間は、ペーパーレスの映像制作には向いていません。脳の思考を刷新しましょう。

 

 

 

「この作品の解像度は何DPIですか」と聞かれることがあります。

 

紙が一枚もないペーパーレスの作品運用において、いわゆる「インチあたりのドット(ピクセル)数」という概念はもはや無いんですよ。

 

‥‥なので「ゼロ」と答えるか、「A4ならば400〜600dpiですかね。ただし、あくまで感覚的な目安です。」と答えています。(4Kドットバイドットなので仮定のDPI/PPIの数値もデカいです)

 

実寸を気にする人は、「何に対する実寸」かをまず考えましょう。

 

そもそも「実寸」とはどういう意味か。「実際に測定した寸法」だそうです。

 

ペーパーレスの制作運用で、実際に何を測定するんでしょうか。HDやUHDのサイズ〜1920pxや3840pxは、何か実在する物品を測定したのではなく、フォーマット策定時に規定したビットマップデータ上の寸法です。

 

ペーパーレスなので、紙の用紙は存在しません。

 

iPad Proの画面寸法? 13インチや16インチや24インチのCintiq? もしかしたら家庭の42インチや55インチのテレビ? スマホ? 劇場のスクリーン???

 

もし仮にA4用紙に描いたとしたら?‥‥という仮定がどうしても必要でしょうか。

 

一切、紙が存在しないのに、紙を仮定することの愚を、あえて犯しますか。

 

 

*こんなふうに、iPadに定規を当てて測る? ‥‥な、アホな。

 

 

 

台引き、BG引きのことを気にして、「コマ何ミリ」の指定を踏襲したくて、「実寸」思考を手放したく無い人もいるでしょう。

 

それがまずダメなのです。NGです。

 

ペーパーレスになったのなら、ミリとかセンチとかインチは、かえって混乱のもとです。紙の実寸でしか寸法のイメージができない人間は、ペーパーレスの制作現場には不要です。

 

「じゃあ、BG引きとか、どう指定するんだよ」

 

‥‥と思いますよネ。

 

でもね‥‥。ミリとかセンチとかの尺度がなくなっただけで、いきなりお手上げになってしまう思考が、そもそも大きなNGなのです。

 

いくらでも指定方法は思い浮かぶでしょう。「1秒あたりここからここまでで、尺いっぱい」とか。「1秒あたり1/4フレーム」とか。「カットいっぱい、A点からB点まで」とか。

 

フィルム時代の慣習を引きづり続けて、「0.5ミリ/k」とかシートに殴り書きするのは、もう通用せんのですヨ。

 

 

 

どうしても単位が必要なら、CSSのemとかremとかviewpointの発想で、ペーパーレス時代の単位を決めるのは有効だと思います。

 

ただし、絶対的な単位ではなく、相対的な単位が求められます。

 

未来はもはや2Kだけでなく4Kや8K、しかもZ軸無しのXYオンリーのベタ置きコンポジットではなく、Z軸も普通に使うコンポジットになりますから、px=ピクセルは使えません。

 

3840x2160のカメラフレームで、フォーカス面より奥(Z位置)へ3000px離れた位置にあるBGやBOOKを果たして何ピクセルでスライドすれば、自分の思い通りの速度感になるか‥‥なんて、レンズの画角も絡んで、もはや想像不可能なのです。

 

「見た目がどのように動くか」を指定する方法は、ミリでもセンチでもピクセルでもないんですヨ。

 

 

*さて。これをどのように、ミリやインチやピクセルで「スライド指示」「引き指示」をしましょうか?

 

*Z軸の配置を1000や2000pxで仮配置していますが、カメラを移動した時の視界の変化によって、奥行きのZ軸の値も大きく変更して調整しなければなりません。Z軸の奥行きを旧来の演出指示で指定できますか? まさか、また「TU, TB」を持ち出しますか?

 

*奥のボートは、例えば、何ピクセルと引き指示を書けば良いでしょうか。フォーカス面より離れた位置にあり、しかもカメラ自体がXYZの全ての軸線で動いていますから、4K(3840px)カメラフレームの収まりと、実際の引き幅のピクセル数は、相対的に考慮した上で指定する必要があります。「全素材ベタ置き」感覚では対応できません。

 

*フィルム時代、紙時代の経験値は、映像の「感覚的」なジャッジにのみ有効で、「数値的」なものは全く無力になります。新しい尺度の感覚で対応すべく、潔く覚悟しましょう。

 

*ミリやセンチなんて持ち出すのではなく、標準フレーム(カメラフレーム)を基準として分割した値を決めるなど新しい単位が必要ですが、軽はずみに定義できることではないのは、上図のZ軸の様子をみれば、お判りと思います。

*こういう解説図もちゃちゃっと描ける、コンセプト.appは楽し。

 

 

そうした新しい世界の新しい寸法感覚に馴染めないのなら、引退もやむなしでしょう。古い流儀は要りません。

 

実際、古い世界の流儀を何かと持ち出してくる人間は、新しい技術による現場においては、大混乱を引き起こし大迷惑になります。「モニタじゃわからん。プリントアウトすれば、そこに書き込んで指示する。」なんて御仁は、ペーパーレス時代には進まずに身を引いて去るべし。紙から離れられない人間が、せっかくのペーパーレス環境に、どんどん紙を氾濫させることになるのです。

 

ペーパーレスで4K8Kの世界に身を投じるのなら、今までの実寸感覚をキッパリ捨てるのが大前提です。大事に持ち続けても、災いのもとにしかなりません。

 

 

 

iPadで絵を描いている人同士がやり取りする時、例えば「キャラの位置を1センチずらして」なんて、言わないですもんネ。

 

もしセンチを使いたいなら、「仮のこのキャラクターが実在して、身長175cmだったら、その世界観の中で、1センチ分」というのなら、わからないでもないです。「用紙の中の1センチ」ではなくてネ。

 

紙の用紙のあれこれは、ペーパーレス時代においてはもう過去の記憶なのです。昔話として、アルバムにしまっておきましょう。

 

 

 

頭を切り替えましょう。ただそれだけで良いのです。

 

0.125ミリなんて忘れましょう。

 

フレームの収まりで尺度を考え、過去のフィルム撮影台の値は忘れましょう。

 

ベテランは、過去の数値にしがみついて離れないのではなく、豊富な映像制作経験からくる「映像の感覚」で勝負しましょう。

 

頭が固い=ベテラン‥‥なんてレッテルを貼られるのはイヤでしょう? ‥‥私はイヤですよ。

 

妙なプライド、過去の慣習で武装するのではなく、映像の経験と感覚で武装しましょう。

 

 

 

去る者は追わず。

 

しかし、まだ未来に生きようとするなら、一緒に未来の映像フォーマットを迎え撃って、世代を超えて未来を拓きましょう。

 

 


コンセプト:ベクターのドロー。

最近、新たに「コンセプト」というドローソフトをiPad Proで使い始めました。クリスタやHarmonyなどでベクター系のドローに慣れてきたこともあり、アニメだけでなく日頃の絵描き作業をベクターへと徐々に移行すべく、ラスターベースのProcreateに加えて、ベクターベースの「コンセプト」も標準ツールとして加えました。

 

https://concepts.app/ja/

 

コンセプトはまさに「コンセプト」を練るアイデアスケッチのために、様々な「直感的」なツールが用意されています。

 

例えば、カラーパレットは環状になっていて、指で回して色を探す操作自体が楽しいです。

 

 

 

試しに鉛筆っぽいタッチで描いてみましたが、全ての線はベクターになっているので、寄っても引いてもエッジが荒れることはなく(テクスチャは拡大されますけど)、後でグニグニとベクターの軌跡を変更することが可能です。

 

 

 

いかにもビットマップっぽい描線も、ベクターなので上図のように描いた後で変更が可能です。同じレイヤーに描かれていても、一本ずつ、線を取り出して変更できます。

 

淡彩風の淡い水彩のトーン、コンテパステルやインクのペン、寝かせて描いた鉛筆など、全てがベクターベースで管理され、全ての軌跡を個別に記録しているようです。

 

こうしたベクターベースの絵は、まずクリスタのベクターレイヤーで慣れ始めて、Harmonyのベクターブラシでさらに慣れ、今回のコンセプト.appでは、日頃のお絵描きにもベクターに馴染んできました。実際、ビットマップの時と、差はほとんど感じずに絵を描けます。

 

コンセプト.appで描いた描線は、Harmonyのテクスチャ付きベクターブラシで再現可能と思われますので、アニメーション化も視野に入れたスケッチも可能でしょう。日本のカットアウトの夜明けはまだ先でしょうが、コンセプト.appでどんどんアイデアを貯められますネ。

 

 

 

コンセプト.appは「ベクターなのをいいことに」、キャンバスのサイズ設定がありません。縦何ピクセル、横何ピクセルという、キャンバスの設定なしに描き始められます。

 

*ポースが思いつかなかったので、下半身は描いていません。すまんス。

 

 

筆記具は様々なプリセットが用意してあり、ペン先とテクスチャの画像を自分で用意して、フルカスタムすることも可能です。ペン先が筆跡ごとに入れ替わる「ペン先のアニメーション」的なこと(Harmonyにもあるヤツ)も可能です。

 

 

 

まだまだ自分にピッタリ合ったプリセットは作れていませんが、基本のプリセットでも使い勝手が良いので、色々と遊びながら描けますヨ。

 

ペン画風のペン、鉛筆画風のペン、ベタ塗りなど、色々と試しているうちに、ココロの謎を映す絵を描きました。この描線が全部ベクターだというのは、中々面白いですよネ。

 

 

 

他にも色々描いてみました。気軽に描けるので、どんどん描いてしまいます。

 

*スクリーントーン・網がけみたいなこともできますヨ。

*ベクターなので、回転や拡大縮小の修正をしても線のエッジがボケません。

 

*極細マーカーみたいな線も全部ベクター。

*ツールの占有率が低いのも、iOSのAppらしくて好印象です。クリスタはデスクトップ版との差を最小に抑えるため、どうしようもないのでしょうが、気軽に絵を描くなら、Procreateか、このコンセプト.appですネ。

*‥‥しかし、こういう「マズルが長め」のキャラは昔から苦手なんスよ。どうしても前方への突き出しが控えめになってしまいます。

 

 

実際のインクや鉛筆と同じく、ペンの寝かせや速度、筆圧の強弱は、モロに描線に反映されます。そこが何とも楽しくて、ついつい描き続けてしまいます。

 

もちろん、軌跡を綺麗にスタビライズする機能もあります。

 

ただ、キャンバスサイズを気にせず、あまりにも自由に描けるので、グリッドを表示させておかないと水平感覚が無くなります。‥‥この記事のサンプル絵も、つい、斜めに描いてしまいました。

 

描くときには、グリッドは表示させておいた方がよいですネ。ちなみに、水平にちゃんと戻したい時は、水平位置まで二本指ピンチ回転で戻すと、スナップして0度になります(Procreateと同じ)。

 

 

使う上で一番重要なこと‥‥ですが、ジェスチャーはProcreateと基本は同じで、

 

指先=消しゴムに割り当て可能

長押し=任意の機能に割り当て可能

ピンチインアウト&二本指ドラッグ=画面の拡大縮小・回転・移動

二本指タップ=UNDO(任意の機能に割り当て可能)

三本指タップ=REDO(任意の機能に割り当て可能)

四本指タップ=ご自由に。

 

‥‥のようなジェスチャー操作が可能です。

 

消しゴムをいちいち切り替えるのは面倒ですよネ。指先消しゴムはiPad必須の機能です。

 

また、消しゴムは画面の拡大縮小に関係なく一定サイズなので、大きく消したい時は画面を引いて、細かく消したい時は画面を拡大すれば、消しゴムのサイズを変更することなく、思いのままに修正できます。

 

 

 

コンセプト.app

 

UIの設計にかなり心血を注いで考え抜かれている様子が、使っていてヒシヒシと伝わってきます。

 

どうすれば、アイデアをストレスなく描きとめることができるのか、作り込まれたAppのように感じます。

 

買取もサブスクリプションも両方用意されているのも、現在のユーザのキモチを反映していて好印象です。

 

私はサブスクリプションにしました。こうした優れたAppは、どんどん開発を応援したいので。

 

 

 

その昔、ベクターの描線といえば、「無表情」「無機的」の代名詞みたいな印象がありました。

 

しかし今は、この通りです。生々しい鉛筆線みたいなものも描けます。淡彩の塗りすらも、何もかも全てベクターです。

 

 

 

今どきはもう、こういう線がベクターで、かつレイテンシーも気にならないほど、ペンの使い心地も良くて、自由に描ける時代なんスね。

 

いやはや。

 

iPad ProとApple Pencil。

 

Procreateとコンセプト.app。

 

どんどん可能性が広がりますネ。

 

今の時代に生きてて良かったと思います。正直なキモチで。

 


めばえ

自分は何が得意なんだろう。‥‥その「何とないけれど、とても重要な、命題」を自己認識するために、5〜25歳の20年が誰に対しても用意されているのだと思います。特に映像娯楽産業の類いは、学校の勉強では教えてくれないことばかりが必要になりますから、それこそ10歳前後で何らかの「兆候」が現れないと、5〜25歳までの期間を単に「行事を消化する」20年にしてしまいかねません。

 

特に5〜9歳あたりの「欲求の芽生え」は、実はものすごい重要度をもって、当人に運命的とも言える強い影響が生じる‥‥と、つくづく感じます。

 

勘違いしないでおきたいのは、既に5〜9歳の子供が、自分の未来を実感している‥‥というわけではなく、自分の未来を左右する「思考と行動の基本」が芽生えるということです。

 

今でも覚えていますが、私は小さい頃「肉屋さん」になりたいと絵に描いたことがありました。お肉が好きだったので‥‥。全然自分の未来を予測できていませんよネ。私に限らず、子供の頃に考える「実際の職業」なんて、誰しも、大きく的を外していることでしょう。

 

子供の頃に芽生えるのは、自分がどのように物事を考え、かつ、実際にどのように行動するか‥‥という「光や風や影」のような「手では掴めない」けれど実際に「大きな役割を担う何か」です。

 

成長する間に、色々な出来事と遭遇し、表面上の性格は大きく変動するかも知れません。しかし、当人の体験から得た知識や経験則よりももっと深いところにある「原理」は、5歳くらいからの10年未満で形成がほぼ完了してしまう気がします。

 

 

 

打算などかなぐり捨てたフィールド、計算や損得勘定では割り切れない、自分の「行動の不思議」、もっと遡れば、自分の「思考の不思議」が、幼い頃の自分に深くリンクしていると思うのです。自分ですら「ミッシング」した思っているリンクでも、実は見えないところで恐ろしく太く強い信号線で繋がっているのでしょう。

 

大人になってから、後付けで絵を好きになろうとしても、結構キツいと思うんですヨ。

 

自分の中の原理が「ソレじゃない」と自動判断するがゆえに、結果、1週間で1枚くらいしか絵を描かなくて、それでも「絵を描けるといいことがありそうだから」みたいなスケベ根性だけは大人になってしまった自分はもたげていて‥‥というのは、まあ、未来には繋がらないですよネ。

 

絵を描く、映像を作る、お話を作る‥‥というのは、やっぱり、自分で「作る」ことの喜びを、自覚なしでも「体や脳の奥で」知っているからです。

 

キャラクターを描く、キャラクターを動かす。キャラクターの人物像に迫る。情景を見る。色彩や陰影を感じる。水や炎の動く様や音を感じる。何かを綺麗だと思う。美しいと思う。

 

これは極端に言えば、自分の愛し方、そして、自分の愛され方に、深く繋がっていると思います。

 

愛する。愛される。生まれ出でた時から必要なプロセスが、どのように積み重なっていって、幼少の自分を形成したかは、考えてみれば重要極まりないことが解ります。

*「愛」とは世間的に複雑で微妙で曖昧な言葉ですが、実はそんなに難しく考えることもないシンプルな内容だと最近は判ってきました。そのことについてここでは風呂敷を広げませんけど。‥‥それに「愛の定義」を自分で見つけられない時点で、人から言葉だけ聞いても理解できないものでしょうしネ。

 

 

 

ただ、そうした自分の原理と向き合っているだけでは「お金は稼げない」ですから、その原理から湧き出るいくつもの潮流を「活用」して「仕事に変えていく」のは大人になった自分です。

 

逆に言えば、打算で色んなものを欲張っても、自分の原理とそぐわなければ、さらなる活用や応用、発展は難しいと思います。「これに噛んでおけばイイコトがありそうだ」なんて、いつかどこかで息切れします。

 

人付き合いは、仕事に合わせて変えられるでしょう。しかし、人の愛し方は、仕事のノウハウでどうこうできるものではないです。しかし、当人の「愛し方・愛され方」がビジネスの表面にも滲み出ることはあるでしょう。

 

それを考えれば、お役所手続きだけでは完結しない、人と人との繋がりで形成されるビジネスにおいては、当人の原理がプラスにもマイナスにも作用することは、理屈で考えて「当然」と言えます。

 

絵の面白いところは、たとえ人付きあいそのものが苦手でも、絵で自分を表現できるところ‥‥でしょうネ。絵を介して、他者と繋がる‥‥という「絵という言語」でコミュニケーションできるのが何とも面白いです。絵を介して、打ち解けていく‥‥ということもあるのです。

 

絵に限らず、人それぞれ、自分の原理に基づく言語を見出しているのでしょう。‥‥いや、見出していない人もいるのか。そもそも、自分の原理を見つめなくても生きていける人は、世の中には結構多いですもんね。

 

絵はそういった意味では、自分の原理から大きな影響を受けるものなので、絵を描いて生活していくというのは、「自分を追い詰めやすい」職業を選択した‥‥と言えるのかも知れませんネ。

 

深夜のアニメを見て軽い感想を述べる程度なら、アニメファンのままで良いです。しかし、アニメを職業にして、しかもクリエイティブに関与するのなら、自分の「芽生え」の部分に立ち戻って、「自分は何なのだろう」という様々な自己分析と自己批判が必要になるのでしょう。

 

 

 


捨て身ではなく、攻めで。

存在意義、存在理由の確認は、特に20代中頃の若い年頃には確かめたくてしょうがないものです。なぜかって、自分に自信を持ちきれていないわりに、周りからはそこそこ頼りにされているので、本当に自分に価値はあるのか、知りたいからです。

 

「俺はもう辞める!(=ここから出て行く)」

 

‥‥というのは、私も若い頃に何度も思ったものです。なにせ、アニメの作画の報酬は昔も今と変わらず安かったですもんネ。フリーランスの原画マンでしたから、アニメ会社からは何の保証もなく、尚更でした。

 

このセリフには裏があって、

 

「俺が辞めると困るでしょ」

 

‥‥というある種の「恫喝」が含まれています。周囲の「そんなこと言わないでよ。辞めないでよ。」という引き止めを見越しての発言‥‥というわけです。「そんなに思い詰めて‥‥」と周囲の罪悪感も引き出せるかも知れませんネ。

 

こうした「辞めてやる」戦法は、即効性は強いものの効果は一時的で少なく、さらには「いつか辞める人」というマイナスイメージを周囲に植え付ける結果ともなります。「辞めてやる」戦法は、身軽な20代までしか使えない、リスクの大きな「捨て身」戦法なのです。

 

 

 

ではどうすれば良いかというと、様々な価値で自分を武装するところから、20代の若気の至りからの脱出が始まります。

 

1個の武器では弱点や急所だらけなのを、徐々に増強していくのです。例えば、絵を描くにしても、アニメの線画ばかり10年描くのではなく、着彩したイラストやコミックなどにも挑戦すべきでしょう。風景画を描けるスキルも有効です。

 

しかし、20代の頃は「自分の武器の少なさ」を客観的に認識できませんし、特に20代前半には時間的制約(=自分の基礎を作ることに時間を要すため)から複数の武器を持てるほど経験を積み重ねられません。

 

ゆえに、徐々に、かつ、確実に、「自分を1つではなく、複数の価値で支える」取り組みを開始するのです。

 

 

 

原画マンは、作監、キャラデザと作画の「出世コース」が用意されてはいますが、誰もがその出世コースに乗れるわけではないですし、一生キャラデザインで食っていける人は極めて僅かでしょう。

 

アニメ撮影に至っては、撮影の次は、撮影監督で頭打ちです。

 

要は、1つの役職、1つの工程、1つのセクションで自分をカテゴライズすると、早々に「昇進の限界」が生ずるわけです。

 

例えば、10人の撮影スタッフが居て、その内8人が撮影監督‥‥とか、如何にもバランスが悪いですよネ。残りの2人は、まさか撮影監督に「空き」が出るまで、どんなにレベルアップしても撮影監督になれなかったりしてネ。

 

 

 

お盆休みの高速道路みたいに、同じ道に大量の自動車が殺到するから大渋滞が起こるんですよ。昇進コースに大量の人間が殺到すれば、状況は真っ赤っかです。

 

 

 

なので、様々な価値で自分を武装することが必要になります。複数の足場で、複数のアプローチで、立体的に状況を作ることで、満員御礼大渋滞の昇進コースで順番待ちをすることなく、違うコースで自分の人生を展開できます。

 

しかし、武器の1つ1つが実戦で使い物にならなければ、これまた逆効果です。「色んなものには手を出しているけど、どれも使えそうもない中途半端なヤツ」みたいに認識され、一向に仕事の幅など広げていけません。

 

色々なモノに手を出しただけでは、新しい武器になるどころか、何も獲得できずに人生を無駄に消費するだけです。一定以上を踏み込むからこそ、今までとは違う何かを掴めるのです。体験学習や体験コースで幅が広がるなら、そんな簡単なことはないわけで、「あいつは狂ったのか?」と思うくらいに夢中に熱心に踏み込んでこそ、掴んで自分の武器にできます。

 

なので、20〜30代の体力があるうちです。夢中に熱心に‥‥を支えるのは、体力そのものです。

 

 

 

「辞めてやる」戦法一本槍だった自分からいつしか変わって、新しい戦法〜立体的な戦術と戦略で自分の行動計画を立案できるようになるのは、複数の武器で武装する習慣が身につくから‥‥とも言えます。

 

 

 

色々な武器が身についたら、いよいよ「ひとりエアランドバトル」の開始です。自分一人でどんなに小規模でも、「陸海空」的要素を動員した戦術は、様々な場面で有利に展開できるでしょう。陸がピンチなら空から援護すれば良いのです。

 

もう「辞めてやる」「出て行く」と啖呵を切らずとも、自分の「存在意義」を自分自身で確信できる自分(「自分」が多いな)に変わっていることと思います。

 

自分に与えられた仕事だけでなく、自分から攻めにいく仕事の「ビジョン」も、常日頃からイメージできるようにもなります。

 

 

 

俺は今まで、1000カット、1万カットもやったんだ! なぜそれを評価してくれないんだ!

 

いえいえ、周囲はちゃんと1000カット、1万カットやったことを認識しています。

 

違う言い方をすれば、1000カット、1万カットやったこと「だけ」を認識しています。

 

他者の認識を変えていくには、あたりまえで当然のことですが、他者の認識が変わることを実行すれば良いのです。同じことを繰り返すから、周囲は同じ認識のままなのです。

 

新たな広がりを得るのは、新たなことをまず自分自身で開始することです。

 

自分の中の要素を、点から線へ、線から平面へ、平面から立体へ、そしてその立体に時間軸を追加して「4次元」的に組み立てていきましょう。

 

 

 

1点に集中して生きるのも人生です。‥‥であるならば、立方体を羨ましがってはいけません。1点でとどまってどう生きるかを考えるべきです。

 

私は1点集中では生きていけないようなので、立体を時間軸で動かして、生きていこうと思います。

 

 

 

今は、iMac 5Kがあり、iPadもあるからな。

 

この「時代的事実」はあまりにもデカいです。

 

 

 

iPadは立体的に活動するのに、とても使い勝手の良い、優れたツールです。アニメの線画だけに終始する道具ではないです。自分の「絵が描ける」という能力を、アイデアと工夫次第で、自分自身を横にも前にも上にも拡張できます。

 

令和は色々と大変そうな時代ですが、一方で、テクノロジーが味方になってくれるので、なんだか差し引きゼロで、あとは個人の推進力次第。

 

時代がマイナスに作用しないだけ有利!‥‥とも思う今日この頃です。

 

*一番安いiPadとApple Pencil、Procreateや「コンセプト」Appがあるだけで、自分の画力を元手に、色々な拡張ができます。自分の能力を「一点」に閉じ込めるのではなく、「マイ・ビッグバン」で爆発させましょう。

 

 


クリスタ色々

Clip Studio Paint EX(以後、クリスタ)は、たしかにまだ色々と改善の余地があるソフトウェアではありますが、それだけ伸びしろがあると思っています。

 

iOS版のクリスタは、ふと客観的に評価すると、随分とApple Pencilの追随が良く、iPad Pro 12.9インチの狭さはあるものの、原画は十分描けるレベルに達しているんだな‥‥と感じます。

 

「あれ? こんなにクリスタって、ペンの書き心地が良かったっけ?」と改めて最近気づきました。もしかしたら、レイテンシーが多少気になるAstroPad(iPadが液タブになる)をしばらく使っていたので、描いててダイレクト感のあるiOSのAppの印象が相対的に良く感じられたのかも知れません。

 

ジェスチャーだけではアニメーション機能は使いこなせませんが、Bluetoothキーボード(テンキー無しのJIS)を併用してショートカットをセッティングすれば、ごく普通に原画が描けるまで、最近慣れてきました。

 

アニメーションの場合、タイムラインを少しだけでも表示させておきたいので、どうしても画面が狭くなりますが、まだワークスペースの吟味は未着手なので、もうちょっと広くすることは可能だとは思っています。

 

やっぱり、毎日どれだけ使っているか‥‥が、慣れに直結しますネ。

 

使えば使うだけ、慣れてきます。「最初の壁」‥‥覚えることだらけの段階を抜ければ、ソフトやハードの素性が「初心者のバイアス」なしに受け取れるようになってきますネ。

 

老いも若きも、もしペーパーレスの流れ、4K&HDRの流れに乗ろうと思うのなら、12.9インチのiPad Proとクリスタなどの安価なAppで、まずはUHDサイズ(3840x2160)で絵を描くところからスタートするのが良いです。

 

もちろん、2Kで原画を描いても良いのですが、まだアニメ業界はペーパーレスとは程遠い現実があるので、イラストを自分の描きたいように描くところから着手して、アニメーターといえどアニメとは違う絵を描いてみるのも良いんじゃないかと思います。

 

 

 

でもまあ、要望はいっぱいあります。

 

クリスタは変形ツールが弱いので(10年くらい前のレベル止まり)、Procreateのようなペンで自由に変形できる変形ツールを実装してくれるのを期待しています。

 

iPadは‥‥‥、iPad Proの21インチとか出ればよいのにネ。‥‥無理か。

 

 

 

原画と動画の取り回しに関しては、スタイロスやペイントマンと互換性をもった色鉛筆のRGBの値とか、アニメーションフォルダ、単なるレイヤーフォルダの構成の「最低限のお約束」とか、整備すべき点はあるでしょうネ。

 

FF0000=RGBでの赤の純色, 00FF00=RGBでの緑の純色, 0000FF=RGBでの青の純色などの極端な色は、原画作業においては陰影を掴みにくいので、「原画の色鉛筆」と「動画の色鉛筆」は分ける必要があるでしょう。原画上がりの演出チェックの時に、影付けの印象を判断しやすくするために紙時代の色鉛筆に似せる必要性は自ずと生じてきます。

 

動画では、現段階ではペイントマンの動作を考慮に入れた色鉛筆の色選びが必要です。「アニメーション出力」でのセル素材出力を期待する結果にしたい場合、色鉛筆の各色の値を「8bit x 3=24bit」にて厳密に規定することが必須のようです。

 

RETAS Studioの終焉が見えてきたとはいえ、二値化の動仕はまだまだ現役でありメインストリームです。思わぬエラーを防ぐためには、クリスタを「従来アニメ用」に使いこなすメソッドを確立して共有するのが肝要と思います。

 

以下はクリスタのマニュアルにある「トレス線と塗り色」の値をHTMLの24ビットでそのまま反映させたものです。「0123456789ABCDEF」16進数(4bit)の6桁(24bit)での表記です。

 

●:FF0000

●:00FF00

●:0000FF

●:FF80FF

●:80FFC0

●:FFFF00

●:8080FF

●:FF8000

●:00C0FF

●:80FFFF

●:FF8080

 

 

16進数の値の入力は、カラーホイールなどのウィンドウにあるカラーチップをダブルクリックすると出現する「色の設定」ウィンドウでテキスト入力します。「HEX」欄に入力します。

 

*あ。ミスタイプしとる。「88FFFF」ではなく「80FFFF」の間違いです。

 

 

そうすると、クリスタ上の画面では見えていたヌキ指示やヌリの色鉛筆が、ペイントマン仕様の「不思議なTarga」=「隠し画像」?をもったTargaへと出力できます。

 

●クリスタでのヌリやヌキ指示

 

●ペイントマン向けのファイル画像。ヌリやヌキ指示を隠し持って(?)います。‥‥セルシス独自仕様のTargaなので、Photoshopのバッチを通すと隠し画像を喪失するらしいです。(色彩設計さんから聞きました)

 

 

 

こうしたことに限らず、毎日使って実際の作業にフィードバックして、経験蓄積のスパイラル〜OODAループを実践するかが、当人や制作集団のポテンシャルに直結するでしょう。

 

やっぱり、道具は使い込んでメソッドを探求してこそ‥‥ですネ。

 

 

 

iPadもクリスタも年齢制限などないですから、使いたい人は自由に使って、未来の可能性の幅を、未来を夢見る皆で一緒に広げていきましょうネ。

 

 


時代とともに、あるいは背を向け

VHS時代には16ミリフィルム、DVD時代にはSDのデジタル映像データ、BD時代には1.2〜1.5KアップコンのHDのデジタル映像データ‥‥と、アニメ業界は旧態依然としながらも、実は、時代に呼応する形でフォーマットを乗り換えながら歩んできました。

 

これはアニメ業界の多くのスタッフが無意識‥‥というか無関心かも知れませんが、時代に合わせて、納品物のフォーマットを変えてきたのです。

 

つまり、4Kテレビが普及し、テレビ放送や円盤商売だけでなく、ネットの映像娯楽産業も普及した未来においては、当然のことながら、アニメ業界で納品するフォーマットも「未来のソレ」になります。

 

フォーマットの進化がいきなり止まるわけ、ないじゃん。

 

いつもと同じように、アニメ業界も社会に合わせていくことになります。

 

もしアニメ業界が社会と離反するようなら、それはアニメ産業の終焉を意味します。博物館で陳列されるだけの「懐かしの産業」となるでしょう。

 

 

 

アニメはいつも、社会の技術変化に合わせて歩んでいます。

 

誰かが最初に道を切り開いて、その道に続く形で日和見層は追随します。

 

しかし、今度の新しい道〜転換期は、作画全般に及ぶので、切り開いた道に全員参加で追随できるかどうかは、ナゾです。

 

もしかしたら、アニメブーム時代(=人口的にも多い世代)のアニメーターの老化・体力の衰えとともに、一旦、制作者の層は激減するかも知れない‥‥と、ふと私は考えることがあります。

 

今までのようには、今度はいかないのではないか‥‥と。

 

アニメブーム時代のアニメーターの大半は紙とともに去るのではないか‥‥と。

 

 

 

10年後、アニメの産業は、果たしてどうなっているのか。

 

今は持ちこたえている会社も、10年後にどんなことになっているのか、まさに10年後の事実が証明するのでしょう。

 

 

 

 

 


ライセンス買取とバージョンアップの日々

クリスタのライセンスは、macOS/Windows版を2つ、iOSを1つ、計3つ、個人で所有・維持しています。macOS版は、最初に買ったクリスタの支払いがいつの間に終了し(月500円だもんね)、2つ目のライセンスを支払い中ですが、やがていつか満期(支払い終了)となるでしょう。iOS版は今月まで月額払い(980円)ですが、来月から年額払い(月あたり650円)をスタートします。個人使用目的なので、全部、自腹です。

 

クリスタは思い起こせば、今まで料金をともなうバージョンアップがありません。その昔「コミックスタジオ」を買ったことがありますが、クリップスタジオとして新しくなって以来、お金を購入時以外は払わずに、いつでも新バージョンを使える状況です。

 

もしかしたら、バージョン2になった時に、バージョンアップの料金が発生するかも知れませんが、2019年7月現在(バージョンは1.9)に至るまで、何ら追加のお金を必要としていません。いったい、クリスタが発売されてから、何年になるんだろうか。

 

このクリスタの状況。‥‥相当珍しいです。デスクトップOS(macOSやWindows)のソフトウェアとしては、異例です。

 

クリスタのこの状況が普通だと思ったら、他のソフトなど何でもお金がかかるように思えて、使えないでしょう。

 

 

 

いくつものソフトウェアを使っている場合、ランセンスの買取は、煉獄の始まり‥‥でした。

 

例えば、Adobeのマスターコレクション(PhotoshopやAfter EffectsやIllustratorなど主要ソフトがセットになった商品)を「清水の舞台から飛び降りる」勢いで購入したまでは良いものの、それから後が地獄です。いくつものソフトウェアをバージョンアップするのに、それぞれ2〜3万円のバージョンアップ料金(全部ではなくそれぞれ‥‥ですよ)で、それが2〜3年ごとに押し寄せてきます。

 

ある時期からAdobeは「毎年必ずバージョンアップ製品をリリースする。そして、3バージョン以上放置すると、バージョンアップ権を失う」という方針を打ち出しましたから、結局は必ず定期的にバージョンアップすることになりました。

 

加えて、OSがどんどん更新され、新しいファイルフォーマットやコーデックが出現した際に、以前のバージョンでは未対応で仕事に支障がでることもありました。

 

ちなみに私は、何かの付録でついていたPhotoshopのLEを、優待価格でPhotoshopフル版にグレードアップし、その後「Extended版とスタンダード版(‥‥PhotoshopはElementsやLEだけでなく、Extendedなどのグレードがいつからか導入されたのです。‥‥覚えてます?)」の分岐が発生した際は、お金が割けなくて「非Extended〜スタンダード版」で自宅(自腹)は凌いでいました。

 

自宅のPhotoshopがExtendedでないばかりに、色々なこと(プロ用途で必要になりがちな要素)で制限が発生して、なんだかミジメな気持ちになったのを思い出します。

 

Dreamweaverなどは失効ぎりぎりでバージョンアップに追われる始末。バージョンアップを諦めて失効したソフトもありました。After Effectsは私の本業のソフトでもあったので、何とか毎年バージョンアップに喰らいついていました。

 

なので、私は「買取が安い」だなんて、全く感じられないのです。クリスタは極めて稀なケースです。

 

場当たり的にお金が中途半端に消えていくのに、各ソフトウェアは決して最新版ではなく、虫食いバージョン状態だったのは、忸怩たる思い‥‥というよりは、個人レベルの限界を感じました。

 

 

 

現在、私はAdobe CCを1ライセンス、iOS版のクリスタを1ライセンス、絵描き関連のソフトウェアを自腹でサブスクリプションを支払っていますが、昔に比べて遥かに良好な作業環境を整備できています。

 

まずイニシャルコストが無いのが良いです。

 

PhotoshopもAfter Effectsも最初は10万円前後はしたはずです。After Effectsはその昔20万円前後だった記憶があります。

 

そうした初期導入の負担はサブスクリプションにはありません。

 

そして、バージョンアップ料金の消滅。

 

常にどのソフトも最新版で使えます。もしAfter Effects2019のように出来がイマイチな場合は、2018など安定したバージョンで故意に保留できます。

 

さらには、運用コストの見極めが容易です。バージョンアップ料金にハラハラドキドキしないで済みます。

 

結局なんだかんだと、ソフトやハードの更新にお金が必要ならば、イレギュラーで場当たり的な予算ではなく、Adobeは年間いくら、セルシスは年間いくら‥‥と事前に「必要経費」として1円の誤差もなく計画できていた方が、お金も明確に用意できます。

 

 

 

実際、アニメ業界がCS6で立ち止まっているのって、「金」ですよネ。

 

ハードの更新、ソフトの更新、さらにはインフラの更新まで含めて、沢山のお金が必要になることが明白なので、そもそも動画や仕上げの報酬を単価190〜300円くらいでしか設定できないアニメ業界としては、機材環境にお金を回すこと自体が難しいのでしょう。

 

サブスクリプションをマシン全台にインストールするなんて、まるで目処がたたないのかも知れません。

 

しかし、macOSだけでなく、Windowsも32bitをサポート終了する未来が近づいています。32bitソフトウェアを使い続けることは難しくなるでしょう。RETAS Studioも終了です。CS6は64bit対応との文書がありますが、サードパーティ製のプラグインが対応しているかまでは言及していませんし、他の部分で思わぬ非対応要素が発覚する恐れもあります。

 

もしかしたら、2030年になっても、アニメ業界はWindows10、macOS High Sierraを使い続けて、時代から取り残された孤島となっていることすら、笑い話ではなくリアルにあり得ます。今の感覚で例えれば、Windows XPやSnow Leopardを使っているようなものです。

 

 

 

新しい技術への転換は、新しい時代にアニメ制作現場が生き残る「必須項目」です。

 

アニメ業界だけ「平成のままで良いんだ!!」と叫んだところで、ソフトウェアやハードウェアやインフラの進化は、アニメ業界の都合に合わせてくれません。

 

時代の技術をたっぷりと活用して、未来社会で生き続けるためには、ソフトウェアの更新はどうしても必要です。

 

ライセンスの買取、そしてバージョンアップの料金に、公私ともに悩み苦しんだ私としては、「目先の買取料金」でコストを計算することは経験上できません。

 

2020年代、2030年代と続く「令和の道」を、どのように歩んでいくか。

 

20年近く前のフィルムが徐々に消えていった頃、技術を転換できずに現場を去った人、役職を変えた人は、決して少なくありませんでした。2020年代以降の令和の時代は、その転換がいよいよ作画にも及ぶ時代です。

 

気持ちだけではどうにもなりません。技術、そしてその技術を支える環境が伴わなければネ。

 

転換期にたとえレッドまみれになろうと、未来のビジョンを見失わず、ブルーの海を目指して、一緒に頑張りませんか。

 

 



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