BG透過光

HDRで使えなくなる演出&作画技法は色々ありますが、特に「BG透過光」はその筆頭です。

 

イメージ・心象としてのBG透過光は使い方次第でHDRでもイケると思いますが、「露出オーバーで白とびして透過光」というのはダメです。BG透過光がむやみに目に刺さるだけです。

 

そもそも「露出オーバー表現のBG透過光」は、暗部から明部に至るダイナミックレンジ=DRが狭いゆえに、暗い部分に露出を合わせたら、明るい部分が露出過多になってフレアを伴って白くとんじゃった‥‥という表現の簡略表現ですから、DRがHigh=HDRになった映像技術・フォーマットにおいては「意味不明」になりやすいのです。

 

HDRで眩しいから‥‥といって明るさを鈍く抑えたら、なぜ白くとばしているのかコンセプトが崩れますし、300〜1000nitsのレンジをもつHDRでレベルオーバー表現をしようものなら、視聴者の目を殺す気か‥‥ということになります。安易にBG透過光など使おうものなら、見てて眩しくて疲れます。

 

「露出オーバー表現のBG透過光」は、やがて「SDR時代の遺物」となりましょう。

 

例えば、心情のショック表現で赤色のBG透過光‥‥というのは、HDRでもありでしょうネ。アニメーションの画面設計は、グラフィックデザインとしての一面も担いますから、なんでもかんでも現実に縛られる必要もないので、「心象のデザイン」としてのBG透過光はHDR時代でもアリだと思います。透過光の色も、心象の表現ならば、必ずしも目に刺さる眩しい色にしなくても表現は成立しますしネ。

 

BG透過光に限らず、すぐ先の未来の高性能・高品質の映像フォーマットにおいては、今までのアニメ作画や演出の手練手管は、通用しなくなるものも結構増えると思います。

 

新しい表現技術は、旧時代の慣習を引き合いに出して「何がOK、何がNG」という比較によって獲得するのではなく、あくまでHDRや4K、そして60pの特性を鑑みた上で、新たに構築していくものです。「昔と比べることばかり」の思考では、新しい技術を積極的・効果的に作劇に取り入れることなど、ままならないですからネ。

 

新しい技術に「対応」しようとする人は、ぶっちゃけ、古いタイプの人です。「対応」という考えが根っこにある時点で、やがてフェードアウトしていく類いの人でしょう。必要な意識は、「対応」じゃなくて、「活用」ですからね。

 

BG透過光をHDRで見て、「ああ、この表現はもう使えないね。HDRならではの新しい表現を考えよう。」と即座に頭を切り替えられる人こそが、新しい技術で新しい時代を切り開ける人です。

 

そういった意味で、ここ5〜6年の期間は、そこら中に「未来への試金石」が転がっています。そのいくつもの試金石を前にして、先に進める人、立ち止まる人、去る人‥‥を分けていくでしょう。

 

 


CG319X

やっと発表されましたネ。CG319X。(つーか、型番は今日知ったんですけど)

 

 

 

「いつ出るか」とヤキモキしていましたが、職場のシステムの方から「今日発表」と知らせてもらって、胸を撫で下ろしています。今年の夏、秋‥‥とかだったらどうしようかと思ってましたが、6月には出回る感じですかね。

 

ぶっちゃけ、4KでHDRで作業用モニタ‥‥‥って、選択肢が極めて少ないのですヨ。4Kテレビはあくまで家庭用テレビで、作業用モニタにはなりませんし、24インチじゃ小さいし、PQやHLGに対応となると、かなり製品数が限られます。

 

まあ、アニメ会社の作業場は、ポスプロさんの「お洒落でラグジュアリー」な空間はのぞめないものの、部屋の照明に気を使って間接照明にしたり、「お部屋のマスモニ」をちゃんと置いたりと、当人たちの意識があればできるだけのことはできるはず‥‥です。

 

アニメーターは作画のプロではあるが、映像のプロではない

撮影スタッフはアニメ撮影のプロではあるが、映像のプロではない

 

‥‥とか、どれもイヤじゃないですか。アニメーターも撮影スタッフも、映像プロフェッショナルの集合の中に居るべきと思います。少なくとも2020年代の未来においては、です。

 

ちゃんとしたモニタで映像を見る習慣を「あたりまえ」にする環境は、これから先の未来は必須でしょう。テレビでラッシュチェックして喧々囂々なんて、(何度も書きますが)揺れる小舟の上で水平の基準を得ようとするがごとくです。

 

今のアニメの現場はRec.709やsRGBでまだ済んでいますが、未来はそうはいきません。アニメの全ての現場にBT.2100とかST 2084が必要とされるのはまだ先のことかも知れませんが、今度の「リプレース」の際はテレビで誤魔化すんじゃなくて、せめてカラーマネージメント系のモニタを購入すべきでしょうネ。

 

そして、制作環境をプロ基準たらしめるシステムスタッフも、アニメ制作には重要な存在となりましょう。

 

 


運動不足

耳にタコができるほど、私のような職業は「運動不足に気をつけろ」とは言われます。実際のところ、机に座れば座るほど、仕事が進む職業ですから、体を動かす運動とは真逆のオーダーに支配された生活です。

 

それに、「気をつける」と言っても、「気をつける」ことで解消される問題じゃないでしょ。運動不足は。

 

気をつけるレベルでどうこうなるものでもないです。

 

ガチで、どれだけ体を動かすか‥‥です。

 

 

‥‥‥と、言うのを、最近、実写の仕事で痛感しました。

 

実写はなんだかんだ言っても、体を動かしてばかりいます。もちろん、演者さんではなく、スタッフの役職でも‥‥です。朝から晩まで、休憩をこまめに挟んだとしても、機材をセットしたり変更したりバラしたり、構えて撮ってと、体を動かし続けるのですから、私のような作画机とOA机の周辺に生えたモヤシのような人間は、ヘバらないわけがないです。

 

しかも実写は、超・リアルタイム系の仕事です。「あとで」はなく、「今やる」ことばかりです。時間進行の多少の遅れはあっても、キッチリ、その日のうちに収束しなければなりません。

 

実写にリテークなし。

 

テイクはあるけど、リテイクはなし。

 

うまくいかなかったら、後日、Rで対応‥‥なんて、ありません。

 

アニメ現場になれちゃうと安易にリテークばかりに頼りますが、実写にその慣習や甘えは通用しません。その場その時のミスを放置すると、後日にとんでもない損害を作品制作に被らせてしまいます。

 

例えば、春に撮影した映像の内容に、数ヶ月後にリテークじゃないと直せない部分が発覚したところで、もう世の中の風景は夏。‥‥ゆえに、撮影当日に現場で確実に「ショット=撃ち取る」必要があり、アニメ現場とは全く異質の緊張感が現場を支配します。「今、この時じゃないと撮れない」というキワキワの緊張感がベースにあります。「うまくいかなかったね」じゃ済まされません。

 

実写現場の歴戦のスタッフの方々と違い、私は前述した通りの「もやし者」なので、そりゃあもう、ペースについていくだけでも汗だくです。スチルカメラでコンポジットに必要な役者さんや小道具を撮る役回りでしたが、「撃ち漏らし」がないようにあらゆる可能性を考えて撮影するので、体は動きっぱなしで、滝のように汗が出ました。

 

 

 

で、帰って泥のように眠って翌日。

 

筋肉痛‥‥とか思いきや、これがまた、すっきりと爽快。体が軽い。各所に溜まっていた老廃物が掻き出されたかのような、スッキリ感。

 

体をほとんど動かさず、毎日机にヘバりついて、ズモ〜ンドヨ〜ンと重く疲れて眠る‥‥なんていう繰り返しの日々では得られなかった、眠り明けの爽快感の「なんと新鮮な」ことよ。

 

「うわあ‥‥やばい。‥‥今まで、真逆の対応してたかも‥‥」

 

‥‥と背筋が寒くなりました。体力を温存する行為が、結局、体の疲労グセを助長していた‥‥のかと。

 

 

 

そうか。

 

体をとことん動かして、疲れて眠るようなことも、人間には必要なんだな。

 

‥‥と、「今、それ?」と言われるような認識をする私。

 

しかし‥‥今の私にとっては新鮮です。「体を運動でヘトヘトに疲れさせることが、実は強いリフレッシュ効果を生み出す」という実感。もしかしたら、オフロードバイクを乗り回していた昔には実感していたこと‥‥かも知れませんが、最近はもうメッキリ、バイクにも乗らず‥‥でしたからね‥‥。

 

 

 

でもさ‥‥、じゃあ、何の運動をする?

 

一眼レフカメラを持って、ハイキングかなあ‥‥。

 

歩くのは一番‥‥といいますしネ。

 

ただ、それで汗だくになれるか? 服を着ているのも鬱陶しくなるほど、ツユダクに汗をかけるか?

 

うーむ。。。

 

 

 

 


意気込みの盲点

自分たちが実現するんだ! 自分たちこそソレを可能にできるんだ! ‥‥という意気込みは、特に新しい何かを掴みかけている時には、作業時のテンションも上がり、現場のモチベーションも高くなります。

 

しかし、それが一方で「孤立主義」に傾倒するのなら、「調子にのるなよ」と自ら醒めて、自ら冷や水を浴びせる意識も必要です。

 

昔、ベータマックスがどんどんソニーの孤立主義に傾き、やがて消滅したのをリアルタイムで見ていたので、「技術の自信が孤立を生む」危うさの教訓として思い出すようにしています。

 

ベータに限らず、色々な技術の産物を見ていて、技術的な過信かは判りませんが孤立するメーカーのプロダクトが絵に描いたように終息に向かっていくのを見て、「普通、そうなるわな」と10〜20代の頃の私でも思ったものです。

 

でもまあ、勝者のVHSも今では社会から姿を決して久しいので、「長いものにまかれりゃ、安泰」というのも不正解なんですけどネ。ベータには勝ったVHSですが、時代には勝てず、今やVHSで録画しようなんていう人は相当珍しいくらい、社会から忘れ去られています。「D-VHS」なんてのもありましたが、もはや民生の意識はビデオ「テープ」から離れており、「デジタルデータ化」しようが消滅は必至だったと思います。

 

アニメの作り方で言えば、新技術を過信するのも危ういし、旧来技術に巻かれたままでも社会の流れから取り残されるし‥‥で、ええ感じの舵取りは必要になりましょう。

 

意気込みや自信、あるいは打算や習慣だけでは、未来は切り開けんです。

 

 

「でもさ。Appleの事例もあるじゃん」‥‥という人はおりましょう。

 

たしかにね‥‥、Appleはとても強いですよネ。今のところは。

 

しかし、その強さゆえに、崩れ始めると連鎖崩壊するような危うさを、私はずっと製品を使い続けながら感じています。伸び続ける成長なんてありえません。成長の行き詰まりや技術信仰の限界を、どこでどうシフトしていくのか、アウトサイダーの私としては、Appleの今後を見守るほかないですネ。‥‥まあ、今はうまくいってる気なのでよいですが、お手本にはならんですネ。

 

 

今年度は、私ら新技術を推進するグループにとって、大きな飛躍の年になりましょう。しかし、その飛躍の爽快感に我を忘れるようでは、行き先は危ういです。

 

艦載機は空母から発艦して攻撃目標を攻略するだけはダメです。ちゃんと、着艦の進入コースをしかるべきノットで進み、アレスティングフックがワイヤーを掴んで着艦するまでが、ミッションの全行程です。さらに言うならば、戦果の報告、そして艦載機部隊を積んだ空母が次の「戦地」へと進路を変えるところまでが、ミッションの全て‥‥とも言えましょう。

 

こんなではコマるわけです。

 

 

 

跳んだら、ちゃんと着地する。そして、その次も続けて跳ぶ。

 

ソニーやAppleなど、「いい意味でもわるい意味でも」お手本にすべき過去をもつ企業、そして歴史上の人物や国の興亡を、最良の教訓として活かしつつ、今年2018年、そして2019、2020年‥‥と粛々と進んでいくのが肝要。

 

と、日記には書いておこう。

 

 


思考の限界、変える限界

予定調和、今までの感じ、‥‥という誘惑は、特に仕事の本数が多くて心身ともに疲労している時に、悪魔のように耳元で囁いてきます。

 

しかし、予定調和路線、今までの感じで片付けちゃった先には、良いことだけでなく、悪いことも踏襲し続ける未来が待っています。

 

何かを変えるには、想像よりも遥かに大変な労力を必要とします。簡単には、物事は変わらないのです。ゆえに、当座の辛さにメゲることなく、大局を見極めて行動していくことが必要になりましょう‥‥と、自分を励ましておきます。

 

 

 

何かを大きく変えようと思うのなら、予測しきれない大変な労力を必要としましょう。土台から変えるには、土台の上にのっかってきた様々な古いものを全部どかして、さらに土台を掘り返して地ならしをする必要があるのですから、考えるだに大変です。だから、多くの人は、そんなことには着手しません。

 

ゆえに、マイナーチェンジに終始します。

 

でも、アニメの現場に必要なのは、根本的な問題解決と未来発展技術ですよネ。

 

使用するソフトウェアを変えようが、描いている絵柄が旧態依然とした内容ならば、未来の映像技術世界においては見劣りも甚だしいです。ソフトウェアで効率化を実践しても、その効率化が支えるアニメーション作品が古い感覚で制作されるならば、やがて時代の流れに遅れをとるでしょう。

 

 

 

やっぱり、物事を変える源は、人間の脳、思考そのものなんだよな。

 

だから、物事を変える「変え方」も「規模」も「内容」も、当人の脳内の思考に大きく依存するのです。コンピュータにインストールするソフトウェアを変えれば状況が変わる!‥‥と思う人間は、そうした脳・思考しか持ち合わせていない‥‥ということなのでしょう。

 

当人の思考の限界は、物事を変える限界と、強く深く結びついています。

 

 

 

思うに、物事の大変化って、小さなワンルーム規模で始まることが多いです。それは当人たちの思考が源になって、広がっていくからです。

 

フリーランスアニメーターの作画机エリアの一角、喫煙スペース、独立した特殊な部署、なんとなく浮いてしまったスタッフが身を寄せ合う狭い作業場。

 

‥‥そんな場所の、ちょっとした雑談から、新しい発想は生まれることが多いのです。

 

決して「大工場」の「大部屋」ではないです。

 

予定調和とは、逆に言えば、調和を乱さない従来規範の人間たちの思考の集合体であり、当然ながら「調和を乱す」言動や人間は、調和の中には存在できません。ゆえに、大工場の大部屋の予定調和の中から、「革新的な何か」なんて生まれ出るはずもないのです。

 

みんなで意見を出し合う大会議や、大きな組織単位で行動する規模で、物事を大きく変える新しい発想は生まれでないです。少なくとも、私が見てきた事例は、打算にまみれて鋭さも切れもない凡庸な結果となったものばかりです。皆がふところに「予定調和、今までの感じ」を忍ばせて参加するから、当然といえば当然です。

 

 

「予定調和、今までの感じ」などバッサリ切り捨て、新しい思考ができる人間など、大所帯では無理です。

 

なので、真に新しいことを始めるのなら、少人数が必定。

 

ゆえに、少人数それぞれにのしかかる「物事を変える労力」の負担は、かなり大きなものとなりますが、‥‥その負担は言わば、物事を変えることができる「プログラムコード」でもあるのです。

 

プログラムのコードがたとえ小規模でも完成しなければ、プログラムを実行することは‥‥ままならないですもんネ。

 

 


モニタ

4K環境に移行するとき、特にiMac Proのような機材だと、環境全体のモニタ構成には気を配る必要があります。

 

iMac Proのモニタは決してキャリブレーターもなければ、各色域(sRGBや709やDCI P3や2020/2100など)をプリセットで切り替える機能もなさそうなので、都合、4K HDRのプロ仕様(なんか曖昧な表現ですが)のモニタが必要になってきます。

 

ということは、5K&4K。結構、ビデオ性能をいっぱいに使います。2Kのモニタに換算すれば、モニタ8台分以上のビデオ出力です。

 

4Kや5Kのモニタは、外見は2〜2.5Kのモニタと変わらなくても、消費するビデオ性能は格段に大きいです。

 

ゆえに、いくらThinderboltコネクタに空きがあり、以前使っていた2〜2.5Kモニタがあっても、安易に繋ぐと各モニタへの出力が支障が出るケースもあります。実際、私らの使っているMac Pro 2013は、4096pxの4Kモニタを2台繋ぎ、さらに1440pxのプチモニタを繋いだら、全体のリフレッシュレートが30Hzに落ちてしまった‥‥なんてことがありました。ギリギリだったんですネ。

 

iMac Proは、

 

  • 4台の外部ディスプレイで3,840 x 2,160ピクセル解像度(4K UHD)、60Hz、十億色対応
  • 4台の外部ディスプレイで4,096 x 2,304ピクセル解像度(4K)、60Hz、数百万色以上対応

 

‥‥とのことなので、性能に余裕がありますが、私らが使いたい解像度は3840と4096の両方なので、何をきっかけに十億色が数百万色にダウンするのかは知っておきたいところです。

 

 

ちなみに、今でも8bit出力&入力の環境は主流で、sRGB&Rec.709を運用している分にはあまり問題にもなりませんでしたが、次世代の色域になると、8bitは過去の遺物となります。テレビの4K自体が、HDR10(10bit)、Dolby Vision(12bit)、HLG(10bit)と10bit以上の時代に移行する成り行きですから、現在の機材〜特にモニタとマシンはどんどん古くなっていきます。

 

お茶の間のテレビより、アニメ制作現場のモニタの色数が低くてどうする。‥‥という未来は、やがてやってくるでしょう。

 

ただ、ツールウィンドウをおいておくモニタに4K HDRなど必要ないですから、既存の2Kや2.5Kのモニタを廃棄する必要もないのです。

 

4Kモニタの性能の足をひっぱらないように、旧時代のモニタを接続・設置すれば、作業スペースを広々と使えるリッチな環境となりましょう。

 

 

 

移行期においては習慣では乗り切れないことも多く、新たに覚えるべき知識も増え、考え方を一新する必要性も生じますが、それはもう「世の常」ですので、さっくりと意識を移行するのが肝要でしょう。どうせ、世の中は変わるもんなんだし。

 

 

 


ねこ

仕事続きで疲れている時、ふとネットで猫の写真をみると、疲れを忘れて独り笑いすることが、私はけっこうしょっちゅうあります。

 

IPPONグランプリの「写真でボケて」シリーズのような、写真と文章の組み合わせは特に好きで、独りの仕事場で人知れず吹き出したりもします。

 

以下、Pinterestより。

 

 

 

 

「パトラッシュ、パトラッシュ」「犬が犬が」と、「まあ、犬が主人公の話だから」と流して見ているうちは良かったものの、あまりにも、犬犬犬犬、犬犬犬犬言っているのを見てるうちに、どんどん胸糞が悪くなって、最後の方では殺意すら芽生える‥‥みたいな「事前のストーリー」を写真と一文から想像するうちに笑いがこみ上げてきます。

 

「無事ハムスターが見つかったのに謝罪がない」‥‥というのも、それまでに起こった色々な出来事やセリフを想像すると笑いを誘います。ハムスターや家族は一切写真には無くて、猫の表情だけでストーリーを想像するのが楽しい。

 

 

こういう「全部言い切らない」で「想像する」のって好きなんですよネ。猫や写真ボケに限らず、アニメの見せ方でも。

 

例えば「風鈴が鳴っている」と文字で書かれていても、風鈴そのものを必ずしも描く必要はありません。

 

窓が開いている向こうに夏の青空が広がっていて(BGオンリー)、音だけで「チリン、チリリン...」と表現すれば、逆に、風鈴そのものを描写するよりも色々な情報を見る側に想像させることができます。

 

風鈴そのものを描いちゃったら、そこでイメージが決まり過ぎちゃって、見る側に想像する楽しみや余白を与えないことにもなりかねません。我々は映像を作っているのですから、絵と音と時間軸をうまく構成して駆使すれば良いのです。なんでもかんでもシナリオに書かれている事柄を直球で描いて表現するだけが能ではない‥‥のは、まさに映像表現の醍醐味ですよネ。

 

 

話を猫にもどして。

 

猫って、一緒に暮らしていたから判りますが、妙に人間臭いところがあって、独立独歩でマイペースのわりには、興味を示して参加してきたり、狼狽したり、取り繕ったり、愛情を試したりと、「揺れる感情」がたまらないイキモノです。

 

ゆえに、写真で思いもよらない表情や仕草が撮影できたりもするんですよネ。

 

またいつか、猫と暮らしたいとは思っています。ただ、猫の命を看取るところまで年数計算すると、そんなにのんびりと「いつか」なんて考えてはいられないようにも思います。

 

 

 

 


アレクサ、一般販売開始

アレクサ三姉妹の末っ子、Echo Dotが、いよいよ一般販売開始みたいです。

 

 

招待制‥‥みたいな、買えるんだか買えないんだかわからない煮え切らない販売形態から、注文すれば届く一般的な形態に移行した‥‥ということですネ。

 

今だと、1500円引きで4480円で買えるセールをやっています。

 

私は自宅の部屋でこのDotを使っていますが、ボディが小さいなりに音質はしっかりしていて、普通に聴けます。低音が少ないのは見た目の通りですが、蚊の鳴くような音でもないですから、聴き流して仕事に集中できます。

 

私にとってアレクサは既に生活に溶け込んで久しく、スケジュールや天気の確認は、アレクサに聞いて確認するのが基本で、MacやiPhoneはもっぱらスケジュールの書き込み用途です。

 

SiriよりもAlexaのほうが断然使用頻度は高いです。

 

まあ、アレクサはAmazon Musicのアンリミテッドとの組み合わせで威力が倍増するので、単体でどれだけ日頃使えるかは、他の人の使用例を知らないので、何とも。

 

スマートプラグなどを用いて、計画的に部屋の中を改造(?)していけば、なかなか快適な自宅や作業場にはなると思います。私は、作業場の間接照明をアレクサでON/OFFする計画を考えています。

 

作業場ではメインの照明はほとんど使わず、ポスプロのチェックルームのような明るさになるように、間接照明をいくつも後付けで設置しているんですが、後付けゆえにON/OFFスイッチが分散していましてネ。面倒なので、スイッチの集中化に加えて、アレクサで制御できるように妄想しているところです。

 


3Vボマー、A380

プラモは映像制作のアイデアの源。

 

‥‥と言うことで、また新たに3VボマーとA380を作ることと相成りました。

 

3Vボマーとは、イギリス空軍のVを頭文字にした爆撃機、三羽ガラス「ヴァリアント」「ヴィクター」「ヴァルカン」です。

 

本家イギリス・エアフィックス社から新金型のキットも発売され、最近下火となっている旧ジェット機の新製品に飢えていた私は、給油機バージョンも含めてキットを所有しております。

 

 

 

箱がでかい! 中身もでかい!

 

でも、B-36の1/72を所有しているので、「巨大」とは思いませんけどネ。とはいえ、実際に日本の家屋に置くと、それなりに存在感があります。

 

また、必要に応じて、1/144のA380も買い足しました。実際に使うかはわかりませんが、現代旅客機で4発のバージョンが欲しかったので、とりあえず作っておきます。B787-9のロングボディとどちらを選ぶかはテストしてみてですが、B787はスマート過ぎて小型機に見えやすいので(それが魅力でもありますが)、イメージにハマるかどうか。

 

 

A380は相当な巨人機で、その1/144ですから、まあ、そこそこの大きさはありますが、やはり1/72のB-52やB-36やベアよりは可愛い大きさですから、さくっと組んでしまいます。

 

いずれも、サーフェイサー仕上げなので、時間はかからず組み上がることでしょう。

 

 

 


技術の作り方

たまに聞く「アニメには30コマは定着しなかった」という論調ですが、残念ながら、アニメ作画が30pに延々と対応できていないだけで、今でも30p納品のアニメは特にゲーム用途などで存在します。24p納品もありますが、30p納品も依然として存在するのを、アニメ制作現場の人たちがあまり知らないだけです。

 

で、その30pへの対応は、かなりヤバいことになっていて、一番原始的な方法で納品しているのを今でも垣間見ます。

 

昔は3:2プルダウンが定番でした。WSSWWなどの方法で、おおまかに言いますと、2フレームを2.5フレーム=4フレームを5フレームに変換して24から30に変換していました。24コマから30コマに変換する際に、0.08秒につき0.5フレーム相当を合成して作り出すので、不自然さが目立たなかったのです。

*「WWWW」の4コマを、「WSSWW」の5コマに変換する「フィールド合成」方法は、人間の視覚と旧世代のテレビの特性を鑑みた、非常に優れた変換方法でしたネ。

*その昔、3:2プルダウンの画像合成をおこなうソフトを、REALbasicで、画像合成プログラムの習得がてら作ったことがあります。フィールド合成の内容はさほど難しくない画像合成でした。WSSWWなら「11,12,23,33,44」でフレームを偶数か奇数のフィールドで分割して合成するだけの話です。WWSSWの場合は「11,22,23,34,44」になるので、「3:2」ではなく「2:3」プルダウンと呼んだようがしっくりきますネ。

 

しかし、最近見かけるのは、12344方式です。つまり、0.17秒につき1フレームまるごと複製してフレームを増やすので、特にカメラワークに大きな影響がでます。例えば、12345678‥‥と滑らかだったPANが、1234456788とPANの動きにひっかかりができてシャクるわけです。「変だな?」と思ったらコマ送りして確認すれば、同じフレームの絵が5回に1回出現するのですぐにわかりますヨ。

 

なぜ、以前のプルダウンがNGなのかというと、単に上映する媒体の問題です。櫛状のSフレーム(セパレート=2枚の絵が櫛状に合成されている)がプログレッシブ再生のモニタだと目につくからです。WSSWWの「SS」の部分、1フレームを1.5フレームに伸ばしている部分が目についてしまうわけです。

 

とはいえ、12344の変換は、あまりにもむごい。

 

今まで何のために、苦労して作品制作してきたのか、12344の変換方式ではあまりにも報われません。一生懸命作った料理を、最後の最後で盛り付けに失敗して大量にこぼしちゃうがごとくです。

 

PANのカメラワークが映像にあらわれるたびに、カクンカクンカクンカクンとPANがしゃくるのは、ぶっちゃけ、見ていてかなり不快ですし、技術的にみっともないです。絵作りとか作風以前に、「映像障害」「事故」にみえるからです。

*とはいえ、クライアントからフィールド合成もフレーム合成もダメ!‥‥と言われてフレーム複製で対応する事例は多いようです。

 

スッキリ回避する方法はあるんですよ。ただ、現在の撮影工程は、あまりにも技術の固着化が進み過ぎてますし、カメラ撮影台の亡霊に取り憑かれたままのAfter Effectsプロジェクト構成だったりするので、「人災」的な原因で30pの「ちゃんとした出力」ができないのです。CS6は言うに及ばず、かなり昔のAfter Effectsでも問題なく出力できますから、バージョンの問題でもありません。

 

 

「12344問題」に見るのは、旧来アニメ現場の技術の発展性の乏しさです。土台が古いままに、どんどんトッピングだけを盛り続ける方法は、そろそろ限界に近づいていると感じます。

 

作画でどんなに回り込んだり、動画TUやTBをしようが、ハイテンション表現の予定調和から脱し得ません。撮影特効でどんなにディテールを飾り立てようと、目新しさはありません。

 

かえって、盛り立てれば立てるほど、土台の古さが目立ってしまうことすらあるでしょう。

 

一生懸命作画で動かして、一生懸命テクスチャを貼り込んでも、線がぶっとくて繊細さに欠け、発色が鈍く、お定まりのパラとフレア、場合によっては12344とカメラワークがしゃくってしまえば、目に映るのは「相変わらずのデジタルアニメ」です。

 

背脂系ラーメンに、他店よりも背脂をもっとコッテリと‥‥と盛っても、ウエ‥‥となるばかりですよネ。

 

 

既存の技術に盛り続ける発想法の限界です。

 

もうどんぶりは背脂とトッピングでいっぱいです。なのに、まだ、盛るつもり?

 

既存の技術に頼って、その技術に後付けでどんどん足していくんじゃなくてさ‥‥。

 

技術の作り方について、ゼロから考え直す時期‥‥だと思います。

 

アニメ制作現場は、とかくブラック、ブラックと、言われるし言うけれど、そのブラックを支えちゃってるのも、既存の技術なんですよネ。

 

 

私の方針はもうハッキリしていて、工程そのものの是非を問い、ワークフロー自体を技術レベルから作り直す‥‥という方針です。

 

そんなのできるんかいな?‥‥と言う人も大勢いらっしゃるでしょうけど、じゃあ、そういう人の現在のっかっているワークフローは誰が最初にゼロから作ったの?‥‥という話です。多くの人は、既存のシステムやワークフローをまるで地球の大地のように考え過ぎちゃってますよネ。システムやワークフローって、人が作ったものなのにネ。

 

そのような「既にありき」の思考に囚われているから、12344なんていうみっともない変換方法しか思い浮かばないのです。


24から30のフレームレート変換を、フィールド合成かフレーム合成かフレーム複製でしか対処できない時点で、思考の柔軟性は失われていると言っても、過言ではないでしょう。

 

達成目標をクリアに認識し、そこから逆算で色々と思考を巡らせれば、新たに技術を生み出して、目標を達成できます。‥‥少なくとも、12344問題に関しては、もう随分前〜10年以上前には技術解決できていましたヨ。30fps納品は絶えず存在し続けてますからネ。

 

 

もしかしたら、日本のアニメ制作現場の各所に今後明確に必要となるのは、「技術の作り方」という、ものすごく基本的な意識‥‥なのかもしれないですネ。

 



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