iOSとmacOS版

私はクリスタを、iOSとmacOSの両方で使っています。

 

なので、日々、操作の感触を実感していますが‥‥

 

iOS版のほうが、はるかに軽快で快適

 

‥‥です。

 

macOS版は、iMac Proで64GBのメモリを積んでいてもクリスタは遅く感じます。描画の速度(レイヤーのオンオフで絵が切り替わる速度など)が遅いです。

 

iOS版は、ごく普通に絵が描けます。macOS版は、クリスタの速度を思いやって手加減して描く感じです。

 

ペンタブを使わないマウスやショートカットでも描画が遅いので、macOS版クリスタの問題かと思います。After EffectsやPhotoshopの挙動に比べて、iOS版のクリスタとも比べて、どれに比べても描画が遅いです。表示の遅さに起因するのか、アニメーションの再生も遅く、1秒分を3秒くらいかけて再生するので、動きのイメージがつかみにくいです。(同じClipファイルをiPad Proに送ってiOS版クリスタで再生すると普通に見れます。)

*もちろん、「再生の設定」はレンダリングするように設定しており、macOSもiOSも同じ設定にしてあります

 

macOS版のクリスタのパフォーマンスが、バージョン2以降で改善される‥‥といいなあ。

 

 


撒く。転がす。否。

令和になって、まるで昭和平成と続く流れを変えるような出来事がいくつも続きますね。

 

芸人ファースト‥‥というのも、今一度、原点に立ち返ることを思い起こさせる言葉です。

 

アニメでいうならば、クリエイティブファースト。

 

アニメの制作会社は、昭和平成とアニメを作り続けたがゆえに、自分の会社がアニメを作って成立していることを忘れかけているようにも感じます。

 

作業は「撒く」ものでしょうかね?

 

作品は「転がす」ものでしょうかね?

 

私もついつい「撒き先」などと口走ってしまいますが、「発注先」や「依頼先」であって決して「バラ撒く」イメージのものではないはず‥‥だと言うのは、「いい歳して甘っちょろい事、言ってやがる。現実を直視しろ」と言われるのでしょうかね。でも、その現実を変えてこなかったからこそ、窮状の変わらぬ「過去から今」があるのではないですかね。

 

作品は「運用」する、つまり手で持って「運ぶ」のだと思っています。決して、「転がす」ものではないと思います。転がすんなら、蹴っても転りますよネ。

 

しかし、「運ぶ」のであれば、よほど悪いヤツでも無い限り、蹴ることはないでしょう。

 

いまどきの現場にはどこか、アニメ制作慣れし過ぎて、アニメを作っているのにアニメをクリエイトしていないような雰囲気を感じます。「クリエティブ不在」「クリエイティブスレーブ(Slave)」で、アニメ作りがMaster(主)でない状況。

 

バラ撒いて蹴って転がして作った作品に、人の心を動かすパッションは宿るのでしょうか。

 

 

 

「パッションとか、青くせえこと、言ってんじゃねえよ。商売なんだよ。」とか嘯く人もおりましょう。

 

たしかに、パッションを必要としなくても、段取り作業を組み合わせれば、アニメの商業映像コンテンツは完成するでしょう。

 

そもそも‥‥、ぶっちゃけ、アニメなんて見なくても生命維持活動には支障ないですし、楽しみが欲しければ他の娯楽に移行すれば良いだけです。消化試合で作った作品など金を貰っても見る気がしません。時間の無駄だから。

 

でも、その「なんて」を、本気になって一生懸命作るのが、アニメを生業として選択した人間です。

 

制作者たる我々は、未来もアニメを作りたいんでしょ? 多くの人にアニメを見てほしいんでしょ?

 

だったら、アニメを転がすんじゃなくて、作りましょうよ。商業として、作りましょうよ。

 

 

 

お笑い芸人さんと興行会社のやりとりを見ていると、何か、すごい既視感を感じます。

 

アニメ制作現場にも似たようなことが昔からあって、最近はそのクリエイティブとプロデュースの溝がどんどん深まっているようにも感じます。昭和、平成‥‥と「ツケがたまりきった」感じで。

 

 

 

私も長年の業界生活で、つい習慣で「撒く」とか言っちゃいます。「撒く」という言葉は現場では一般化し過ぎているので、何も、言葉尻を捕まえて排除し、「言葉狩り」をしようというのではありません。

 

ただ、4KHDRの新しい技術を扱ううちに、やっぱり人こそがクリエイティブの中心だと再認識しました。慣れや惰性では作れない新しい取り組みだからこそ、「人間という存在のリアル」を感じます。創作・制作における全ての物事は人が関与するがゆえに成立していることを、4KHDRは技術が新しく未知な部分が多いがゆえに、改めて心に刻み込みました。

 

いや、ホントに、令和は激動の時代かも知れません。

 

昭和で育って、平成で実がなって、令和で枯れ腐って落ちて、やがて新しい春が来て、地面から新芽が出る‥‥のかも知れませんネ。

 

 

 

 


魂を込める

おじいさん世代にありがちな認識として、木や紙や鉛筆を使うと「魂を込める」行為になって、合成樹脂やコンピュータやCGだと「魂が込もっていない」という論調があります。

 

おじいさん世代に限らず、そういう言い方をする人はそこそこいるようです。

 

あのさあ。

 

コンピュータを電源を切ると揮発する一時的なメモリ領域の中にだって、作り手の魂は宿りますよ。

 

 

 

手で描くことが魂を込めること‥‥というのも、非常に馬鹿げています。

 

昔ながらの紙と鉛筆こそに魂が宿る‥‥というの考え方も、極めて無知です。

 

 

 

紙と鉛筆を一切使わないペンタブ作画は魂が込められていない絵なんですかね?

 

After Effectsで微細なニュアンスを表現するために、手数を惜しまず、繊細なグラデーションや質感描写をする作業は、魂の無い作業なんですかね?

 

一方、ぶっ飛ばしで描き殴って、できるだけ楽に金稼できる、雑な紙の原画にも、無条件に魂が込められていることになるんでしょうかね?

 

 

 

魂を込める云々は、作り出す過程における当人のスタンスの性質です。

 

消化試合、やっつけ仕事、片手間。‥‥紙だってフィルムだってコンピュータだって画像データだって、魂の宿らない状況はいくらでもあります。

 

紙でもコンピュータでも、鉛筆画でもCGでも、関わった人々の熱量が高ければ、魂が宿ると私は考えます。

 

 

 

作り手の心情など大して考えたこともない人が、「魂を込めた」云々なんて軽はずみに言って欲しくないです。

 

魂を知らずして、なぜ、魂を語るのか。

 

「魂」という安易に単語を持ち出して、自分のセリフに酔いたいだけのように思います。

 

 

 

アニメの1カットは、作画=アニメーターだけでなく、演出も彩色も背景美術も特効も撮影もVFXも3DCGも編集などのポスプロも、そして制作進行も、全ての要素による「ルッサーの法則(注*」によって、その「魂のボルテージ」が決まります。

(注*各部品段階での信頼性の向上はシステム全体の信頼性の向上に寄与するということに着目した信頼性に関する法則〜Wikipedia

 

素晴らしく仕上がった映像を見て、「アニメーターの魂が」と言うのは、あまりにも無知。

 

全ての工程の人間が、魂を込めるからこそ、素晴らしい映像に仕上がることを認識しましょう。

 

私は1カットのプロダクションが始まる「レイアウトの作画」=アニメーターと、全ての素材を組み合わせて様々な効果を施して完成させる「撮影・ビジュアルエフェクト」=コンポジターの、プロダクション(プリプロの後、ポスプロの前)における「最初と最後」を担当してきたので、「生みの苦しみ」と「育ての苦しみ」の両方を日々実感しています。

 

例えば「水の表現」をアニメーターが描くとき、関与できるのは線画で表現できるマッスとフォルムの「輪郭」のみです。どのように色を彩って、どのようにコンポジットするかが、水の自然描写は極めて重要です。‥‥そんなことも知らずして、「アニメーターが、アニメーターが」とアニメーターのことばかり言及し、さらには「紙にこそ魂が」‥‥などと言うのは、厚顔無恥なのです。

 

制作進行さんが経験と機転を利かして動けば、クオリティは絶対に確実に良いものとなります。紙に鉛筆で一本も線を引かなくても、魂を込めることは可能なのです。

 

 

 

私は「魂」という言葉はあえて使おうとは思いませんが、「魂」をもし語るとすれば‥‥

 

魂は、どのセクションにも、どの道具にも、どの手段にも宿ります。

 

作り手の心情、情熱、何か作るために生きた証が、結果物にIncludeされるからこそ、その完成物を見た人間が「魂」を感じ取って圧倒されるのです。

 

 


CSP, TVP, TBH

Clip Studio Paint EX=CSP、TVPaint=TVP、Toon Boom Harmony=TBH‥‥と、商用アニメーション制作用の商用ソフトはおおまかに3つあるわけですが、それぞれ性能の特徴とおかれた状況が異なります。

 

この3つのどれを選ぶかは、単にアニメーター視点で「描きやすいから」という理由だけではジャッジするのは難しいです。アニメーターはシステムでものごとを考える習慣があまりない=カットをあげることに集中し、システム運用や開発の視点を必要とされてこなかったがゆえに、目先の使いやすさや利便性でソフトウェアを選びがちなのは、様々なツイートを見てても判ります。

 

未来のアニメーション制作運用の「ビジョン」、そして直近の作業をどんどんこなす「現実」を踏まえた、遠くと近くの両方の視点が必要だと、私は考えます。‥‥いや、考えてるだけではなくて、日々の取り組みと経験からひしひしと痛感します。

 

私は現在、CSPとTBHを主軸にすべく、取り組みを進めています。なぜ、その2つなのかは、明確なビジョンに基づく、具体的な理由があります。

 

理由は特に難しいことではなく、「戦略と戦術から鑑みる、適切な装備の配置」によるものです。要は、適材適所です。

 

 

 

まず、CSPですが、選択する理由は明らかです。導入時の極めて低い価格設定は誰もが認識していることでしょう。日本国内のユーザ数は、アニメーターだけでなく絵描き全般で考えれば、相当多いと思います。同僚が電車に乗っている際に、車内でネームをiPadで作業していた乗客もいたとか。

 

TVPも「送り描き」〜つまり今までのアニメの技術を踏襲するのに適したソフトウェアであるのに、なぜ私がTVPを選択していないのかは理由があります。

 

  • 導入価格の問題〜サブスクリプションなどの導入しやすい価格設定がない
  • サポートの問題〜バージョンアップが途絶えており、日本に拠点がない上に、日本専任の担当者が当座いなくなり(中国市場と掛け持ちと聞き及びます)‥‥云々

 

値段は当面の問題。しかし、私が一番恐れている要素は、国内にTVPaint開発販売会社の支社がなく、そこにきて日本担当の人もいなくなると聞き及び‥‥と、「将来の運用」の面です。

 

TVPaintって、日本国内に拠点をおけないくらいに、ユーザ数が少ないんでしょうかね‥‥? アニメ会社やフリーランスのアニメーターが使っているだけでは、到底ペイできないのかな。日本のTVPaintのユーザ層って、アニメ制作関連だけなのでしょうかね? ‥‥でも、バージョンアップが止まっていると聞き及ぶに、開発やサポートの鈍さは日本だけの問題ではなかろう‥‥。

 

私は当初、過去に身近に、Aura使いの人がいたので、後継のTVPaintにはプラスイメージをたくさんもっていたのですが、色々と調査するうちに「たしかにアニメ業界でTVPを使っている人々はそこそこいるけど、例えば16万円のライセンスを10個導入して、160万円分の投資は将来有効に作用するだろうか」と不安を感じ始めました。

 

また、これは「人との出会いの運命」だとは思いますが、TVPaintの動画作業依頼の前段階で、発注を打診した会社(の窓口)から4K機材の提供を要求されたり(2〜3カットの発注で4K機材までこちら側で調達して貸し出すなんて無理ですもん)、そもそもスケジュールの関係でお引き受けして頂けなかったり、TVPの日本の担当者が休暇でしばらく連絡が取れなかったり(代理が立っていない)と、色々なマイナス要素が重なったのも悲観的な観測に傾いた原因でした。

 

Auraの後継がTVPaintであることを考えると、ソフトウェア自体は優れていると思うのに、様々な要因がTVPを遠のけた‥‥と言えます。

 

一方、CSPに関しては、まず国内の開発会社(セルシス)であることはかなりのプラス要素で、価格設定も「学生の頃から使ってください」とばかりに「エデュケーション」まで視野に入れた金額です。iPad版も用意されており、サブスクリプションの金額も安価です。

 

そこにプラスして、「人との出会いの運命」もプラスとなりました。すでにCSPの運用を実践している会社さんに色々と話を伺うこともでき、clip形式によるシンプルなフローで引き受けて頂いた会社さんも数社ありました。

 

「人との出会いの運命」は、ぶっちゃけ、CSPにとって運が良かったとも言えるのですが、この運の良さは「たまたま」だけとは言い切れない側面を感じます。

 

また、CSPは発展途上とは言われますが、Auraの頃(前世紀!)から開発しているTVPと比べれば、スタイロスというよりはコミックスタジオから発展したCSPが随所で劣っているのは当然とも言えます。CSPは開発会社だけでなく、ユーザ側もどんどん要望して「育っていく」ソフト〜将来的な伸びしろを期待できるソフトです。

 

もし、TVPの現在の問題点の改善〜バージョンアップ=開発ペース、サブスクリプション=安価な導入の選択肢、日本支社=サポートの充実‥‥が実現されれば、当然のことながら、CSPから乗り換えるユーザも増えるとは思います。それが可能かは、まさにTVPaintの開発会社次第です。

 

 

 

TBHはどうでしょうか。

 

TBHはCSPに比べて猛烈にお金がかかりますよネ。TVPはプロ版16万円ですが、それよりももっと高いです。

 

Toon Boom Harmonyは、CSPやTVPと同列に語るソフトではありません。アニメーション制作ソフトウェアのハイエンドとして認識し、CSPやTVPでは不可能な領域をTBHで実現することに大きな意義があります。

 

ですから、CSP視点、TVP視点でTBHを捉えると、値段の高さだけが目につくでしょう。‥‥でもそれは、目の付けどころにそもそも錯誤があるのです。

 

トップガンで言うのなら、CSPやTVPがA-4スカイホークやF-5タイガーのアグレッサーだとしたら、TBHはF-14トムキャットです。つまり、TBHを操縦しきれないと、価格が極めて安価なCSPに「簡単にカモられる」わけです。

 

TBHは各種装備を縦横無尽に使いこなしてこそ、CSPやTVPの何倍もの能力を発揮し、さらにはCSPやTVPでは不可能な領域まで踏み込むことが可能になるでしょう。

 

 

 

私は、何か1つのソフトに絞るのではなく、制空戦闘機と戦闘爆撃機が1つの戦闘機集団を成すように、アニメ作画のソフトも用途に応じた運用が効率的だと考えます。

 

ゆえに、私が考えているのは、CSPとTBHの混成集団です。例えるなら、F-16CとF-15Eです。

 

 

*あくまで「たとえ」です。CSPとTBHの価格差ほど、F-16とF-15のユニットコストの差はないですヨ。

 

 

CSPとTBHの混成集団は、今まで何十年も解決できなかった「ギャラ〜作業報酬」の問題を解決する基盤ともなります。説明が長くなるのでここでの言及は避けますが、「なんでもかんでもゼロ戦の思想」から脱却することで、「作業に見合った装備と報酬」、そして総合的な収益の新しいモデルへと転換することが可能と考えます。

 

何か1つの個体が万能なんてあり得ないのです。ゼロ戦もF-14もF-15もF-16も、F-22やF-35ですらも、万能戦闘機ではありません。必ず、どこかに致命的な弱点を抱えます。

 

ソフトは何のための装備か。

 

自分らが勝ち取るべきフィールドとは結局何か。そのフィールドはどこにあるのか。

 

まず、自分たちが獲得したいフィールドを明快に定義し、そのフィールドを攻略する技術集団と装備を形成する。‥‥シンプルな思想ですよネ。

 

 

 

「使いやすい」だけでソフトウェアをジャッジするのはやめましょう。

 

現在の運用事情に加えて、将来の発展の伸びしろ、未来の制作現場のカタチを考えて、今、何を導入して未来の一歩となすか。

 

アニメーターだけでなく、クリエイティブ全体、プロデュース全体の視野で見据え、ロードマップを描いた上で1歩ずつ道を進むのが、プロのアニメ制作業の人々が成すべきこと‥‥と私は思います。

 

 


掛け値無し

最初から一攫千金を目論んで、アニメーターになる人なんているのかな。

 

小さい頃からアニメが好きだ。アニメが描きだす空想の世界、アニメの世界に近づきたい、同化したい。キャラが動くのを自分で描いてみたい。

 

アニメーターになりたいと思う心は、掛け値無しです。

 

 

 

前回書いた、「封筒に50円玉1枚」のプロ報酬だって、当時の私は嬉しかったのです。

 

だって、アニメを作り出す一員に初めてなれたのですから。

 

美談にするつもりは全くないですし、むしろその後の強い「くさび」となるような「50円」でしたが、偽らざる当時の気持ちは「嬉しい」という感情のほうが優っていました。

 

掛け値無しだったのです。

 

 

 

私が中高生の頃は「うる星やつら」が全盛で、私も「ラムちゃん」を描いてみたいと思ったものです。‥‥私が描かせてもらえたのは動画時代に描いた「温泉マーク」だけで、私が原画として仕事を受注できるようになる頃は、うる星やつらのブームは終わってしまい、今日の今日までラムちゃんは仕事では描いたことがないです。

 

*iPad Pro(とApple PencilとConcepts.app)でラムちゃんを描いたお。本当はもっと「当時っぽく」寄せて綺麗に描きたいですが、とりあえずマーカーっぽいペンにて。

*現在、ガチガチに硬派でリアル系の絵を描くベテランも、ラムちゃんを描いてみた昔は‥‥あるでしょ?

 

 

ラムちゃんはともかく。

 

アニメへの憧れから入った人間も、いつしか技量の向上とともに描く絵が変わってきます。

 

つまり、人は成長し、描く絵も変わってきます。

 

皆が憧れだけで仕事を続けるわけではなく、技術と経験の蓄積とともに描ける絵、描きたい絵が変わってきて、アニメの表現はどんどん広がっていきます。

 

生きていればこそ、自分も全体も、発展の可能性が生まれ、豊かになります。

 

 

 

商業作品のアニメーターは、掛け値を無くすと、どんな気持ちが残るのでしょうか。

 

僕の、俺の、私の、描いた絵が動くのを、見て!

 

お金が稼げなければ生きてはいきません。綺麗事では済まない現実があります。

 

でも、何もかも削ぎ落とせば、残るのは「自分の描いた絵が動くのを見て!」です。

 

 

 

夢もあり、希望もあり、ときには野心もありましょう。

 

しかし、ある日突然、命が途絶えてしまったとしたら。

 

未来への夢が、打ち切られてしまったのだとしたら。

 

 

 

もし、「残留思念」(幻魔大戦みたいだけど)が残るとすれば。

 

 

 

たとえ、その人間、その人々の存在は消えても、その人たちが作った作品は存在し続け、観続けられて、愛され続けるのなら。

 

描いた人間は嬉しく思うでしょう。

 

掛け値無しに。

 

 

 

 

 


スマートスムージング、雑感。

クリスタ1.9.1で実装された「スマートスムージング」の機能は、1.2Kを4Kにするのにも使えそうだけど、4Kを8Kにする際にも良さそうですネ。

 

4Kはあくまで進化の過程のフォーマットで、今後8Kへと映像進化のコマが進むことは、映像機器の博覧会に行けばすぐに判ります。気が早いかも知れませんが、頭の片隅で4Kの次はどうしたものか‥‥と考え始めており、4Kを現在の最大目標としてともかく、今のマシンの進化速度では8Kをドットバイドットで作るのは、正直厳しいと感じています。100万円のマシンでも8Kを容易く処理できるほど高性能じゃないので。

 

クリスタに限らず、スマートスムージングが他でも実装されるようになって、4Kから8Kのアップコンに使えそうなら、ひとまずは安心します。8Kは今は絶対にキビしいですもん。4Kを作っていてしみじみ実感します。

 

そうか。せっかくクリスタを使っているんだから、3840から7680pxにアップコンしてみて、具合を見ればよいですネ。ちょっと様子を見るくらいなら、8bitでもまあいいか。

 

クリスタって、16bitにはまだ対応してないよネ。なので、例え連番でも、映像をフィニッシュするには、まだ性能がイマイチ足りない側面は残っています。

 

 

 

スマートスムージング。

 

あくまでジャギったエッジをスムージングするので、そもそも繊細な線の描写は無理そうです。線を細くするのではなく、拡大のジャギを綺麗にする目的のようなので、拡大してボケた絵の印象を改善するのが役割と思います。

 

ただ、このスマートスムージングを「これ幸い」とばかりに用いて、1.2〜1.5Kの「まま」で作っていると、報酬も今までの「まま」‥‥というオチにはなりそうです。

 

制作現場がコレを悪用して、未来も2K未満で作ってスマートスムージングで良い‥‥なんて話になると、アニメ業界の2020年代の業務改革は元の木阿弥にもなりそう。‥‥1枚200〜300円の動画単価のまま、苦しい生活から抜け出せないアニメーターが2020年にも続出しそうではあります。

 

今まで通りが良い‥‥というのは、今まで通りに買い叩かれることに繋がりかねず、むしろ、改善を抑え込む理由にすらなり得る危険を孕んでいる‥‥ことをお忘れなきよう。

 

 

 

ちなみに、映像配信大手は、

 

「中間素材から4Kであること」

 

‥‥という条件を標準にしています。

 

この条件は一見「ゲゲ!」と思いますが、

 

絵を丁寧に作って、それに見合う高い報酬を受け取る

 

‥‥という、アニメーターをはじめとしたクリエイティブ部門のスタッフに対する、またとない大きな転機・改善の機運になると私は考えています。

 

でもまあ、それもこれも、制作集団の生きる道、未来の生まれ変わりに関することですから、それぞれが未来を見据えて道を選択していくしかないです。

 

自分たちの未来の運命は、まさに自分たちの現在の行動が握っています。

 

 

 

私は、初めてもらった動画の報酬が、封筒に50円玉1枚でした。高校在学中のことです。月末に研修料金で1枚だけ本番を作業したので。

 

思えば、それは良かったのです。

 

最初からそこそこの待遇、多少安くても給料で働いていたら、その「異常さ」に気付けなかったでしょうし。

 

今こうして、「自分の代で、この「悲劇を通り越した喜劇」を幕引きにする」と決心するに至ったのですから。

 

全くの笑い話ですよ。50円玉1枚の初めてのプロの仕事。泣きながら笑うわ。

 

 

 

私と同世代のみなさんはどうでしょう。

 

昭和平成の曖昧な調子のまま、引退まで逃げ切りを選択しますか。

 

それとも、後続の世代とともに、新生の道を選択しますか。‥‥私はこっちです。

 

2020年代。

 

それぞれの制作集団の中で、70〜80年代アニメブーム世代の人間の行動が問われていくでしょうネ。

 

 


1.9.2

もう出たか。アップデータ。

 

昨日の今日か、今日の今日か。

 

このリリースの速さを、「もう不具合かよ」と思うのは素人さん。

 

むしろ、この速度で不具合のアップデータをリリースできるのは、国内開発の良き特徴です。凄い速さで驚き。

 

ん兆円稼いでるとのアドビだって、こんなに迅速には出せまい。

 

*短い記事なので、間を埋めるべく、パンダを書きました。最近、パンダのシールを買って、パンダの柄を覚えたので、1分くらいで描けるようになって、ついつい嬉しくてな。

*描いたAppはクリスタではなくコンセプト.appです。クリスタで描けば良いんですが、たまたま。ピンクのペンもたまたま。

 

 


1.9.1

クリスタのバージョンアップ「1.9.1」がリリースされましたね。

 

アニメーション機能の方はあまり進展がないですが、タイムライン編集機能に「全体挿入・部分挿入」が追加されたのは便利になって良かったです。

 

ただやっぱり、タイムラインの編集機能はもっと充実してほしいです。様々な編集モードをカーソルの位置や選択状態、ショートカットキー(単独のAやTなど)で操作可能にしてもらえると、タイムラインの操作が迅速になります。

 

アニメーターも、トリム編集、ロール編集、リップル編集など、タイムラインを使う知識に徐々に馴染んでいく必要があります。

 

タイムシートしか覚えるつもりはない!‥‥という頑なな態度を変えていかんと。

 

タイムラインになれると、After EffectsやDaVinciを使うことになってもビビらずに済みますヨ。他のタイムライン系のソフトウェアを使うことになっても、「クリスタで慣れてるから、何だか解るぞ!」というのが楽しいし愉快だと思います。

 

 

 

ちなみに‥‥‥

 

クリスタって、タイムコード的な表示って出せます?

 

どんなに探しても見つからないんだよねぇ‥‥。

 

タイムラインのどこかをクリックすると表示されるのかな‥‥。今のところ、どうしても見つかりません。ヘルプでも検索できないですし。

 

タイムラインのタイムコードは重要ですよ。

 

だってさ。

 

時間軸

 

だもん。

 

333フレーム目は何秒何フレか、すぐにはパッと解らないじゃん。‥‥333コマという言い方ではさ。

 

アニメーターとて、映像制作専門職の一員を自認するのなら、0スタートのタイムコードには慣れておくべきです。

 

タイムコードなんて、「慣れ」ですから。

 

ものすごい特権階級的な知識でも何でもないです。覚えれば数日で馴染みます。もちろん、コマの感覚は捨てずにそのまま持ったままで。

 

 

 

アニメ村から旅立って、各地を旅して、色々な映像制作のお土産をもって、またアニメ村に戻りましょう。

 

そうすれば、アニメ村はもっと豊かになります。

 

2020年代のアニメ村の住人に必要なのは、アニメ村から外に出るためのちょっとした勇気‥‥ではないかと思える、2019年の夏。

 


iPad Proは清書に向かない??

‥‥というツイートを読みました。

 

なぜ?

 

できるでしょ。普通に。

 

なぜ、iPad Proで清書できないのかな?? 不思議だわ。

 

もしかしたら、10インチを使っているでしょうかね?

 

10インチの大きさでは仕事に支障が出るであろうことは、まず実物の大きさで判断はできますよネ。12.9インチが必須です。

 

 

 

私は、もう何年もiPad Pro 12.9インチをアニメの作画仕事に使っており、私の清書がそのまま映像になったカットが数え切れないほどあります。

*カットアウトは、版権イラストのように原画の線画をそのままペイントして(階調トレス+彩色)、それを動かすことも多いので、自分の描線がモロに画面に映し出されるのです。

 

「清書ができない」というのであれば、ただ単に清書の方法を知らないか、スキルが足りないだけだと思うんですよネ。道具の使いこなしのスキル。

 

 

 

TVPaintの話題もそうですが、TVPaintそれ自体に大きな問題があるわけではなく、16万円を捻出しないとプロ版が導入できない点、サブスクリプションが用意されていない点が、「実質、個人では無理でしょ?」というだけです。

 

会社に何でも用意してもらっている人は、その辺にあまりにも無頓着なように思います。

 

TVPaintに関して言えば、Auraの頃から知人がめっちゃ使いこなしているのを見ていますから、ポテンシャルが低いとは思っていません。むしろ、かなり優れたポテンシャルを有していると思います。私もMirage(TVPaintの前身)のライセンスを所有していますし。

*私は過去、TVpaintの性能に対して問題点を書いたことはありません。私がこのブログで書いているのは、TVPaintのプロ版は個人事業主であるフリーランスアニメーターが容易に導入できる金額ではないこと、そして日本の拠点(支社・代理店)の制限によるサポートの問題点です。性能に関しては、「どこそこが問題だ」とは一切書いていません。

 

 

 

ともあれ、風評被害は払拭していかんと。

 

 

 

iPad Proの問題点は12.9インチであることです。

 

ゆえに、デスクトップOSのように、ウィンドウをいっぱい並べたいソフトウェアをiOSで使うのは不利なのです。そこは風評でもなんでもなくて、事実です。

 

Wacomの16インチのCintiq(2Kのね)は安くて手を出しそうになるのですが、16インチだとツールウィンドウを並べた時に、結果12.9インチのiPad Proと大差ないので、21インチ以上は欲しくなります。なので、最近のCintiqは買わないまま、iPad Proでそれこそ数年前から通算でかなりの金額分の仕事はしていることになります。私の画業の稼ぎのほとんどはiPad Proベースです。

 

 

 

iPad Proでプロ作業に十分な清書はできます。

 

iPad Proをもっとマジメに使いこなしましょう。

 

落書き帳みたいに扱っていれば、そりゃあ、落書きしか描けないでしょう。思うに、PCと液タブとWindows版クリスタで描いた原画でも、落書きくらいラフな原画はいっぱい存在すると思いますよ。

 

 

 

少なくとも、私は「iPad Proで清書もプロの仕事もできる」ことを証明する生き証人みたいなものです。ずいぶんと、iPad Proでお金を稼ぎましたし、今後、4Kで私の描いた清書がモロに映像に表れる日も近いです。

 

でかい液タブは近いうちに欲しいです。Harmonyを使うには必須です。

 

だからと言って、iPad Proも十分活躍できます。ぶっちゃけ、iPad Proは絵描きにとって「金の生る木」です。

 

ツールを使いこなしましょう。絵でお金を稼ぐのですから、道具を使いこなしてこそのプロ。だと思います。

 

*アニメの作画作業において、紙を「最上位」の道具に据える人は、絵が成立する過程の一部にしか視点が向いていない人です。たしかに、紙のダイレクト感は無比で最強です。しかし、アニメ制作全体、ワークフロー全体の視野をもてば、ペンタブがどれほど有効な手段かを実感できると思います。


色彩のテスト

おそらく、アニメ制作現場の、美術、彩色、撮影の人は、得意だと思われるWebの色彩診断テスト。

 

私も色々やってみました。

 

まず、イエローの彩度、色相、明度を見分けるテストです。

 

 

8%って、人口の割合で言えば、そんなに希少ではないよネ‥‥。

 

次に、8つの色から見分けるテスト。これはそれなりに迷いました。多分、何問か間違ったはず。

 

 

ピンク色もありました。

 

 

 

結構、難しかったのは、グラデーションの流れを汲むテスト。

 

色相、彩度、明度の3つの要素の推移を読み取って、歯抜けを当てはめるテストです。

 

 

 

他愛のないゲームみたいな診断ですが、実際、イメージボードとかを描いたり、透過光のフレアとかをAfter Effectsでトーンカーブで作る際に、このあたりの知識が必要になります。

 

RGBを思い通りに扱うのは、言ってしまえば「ある程度は慣れ」なのですが、理屈を踏まえると慣れやすいです。

 

色相はRGB値の偏りの傾向です。Rの数値が大きく、他の数値が少なければ、赤っぽい色相になります。Rが220、Gが70、Bが40ですと、赤っぽいオレンジになります。

 

彩度はRGB値の落差の傾向です。Rが255でGBが0だと最強に彩度が強い赤になりますが、Rが150でGBが120だと、赤っぽいグレーになります。RGB全ての値が近似するとどんどんグレーに近くなってきます。一方、RGBそれぞれの値の落差が激しいと鮮やかになります。

 

明度はRGB値の平均的な大きさの傾向です。Rが255でGBが20だと明るく鮮やかな赤になりますが、Rが80でGBが0だと暗く濃い赤になります。RGB全てが200だと明るいグレー、RGB全てが70だと暗いグレーになります。

 

RGBがどのように色彩を形成しているかを知っていれば、こうしたWebの色彩診断テストは知識だけでもかなりクリアできると思います。

 

感覚だけでやっていると難しい‥‥とは思う一方で、生来の感でクリアしちゃう人もいるでしょうネ。アニメ制作現場には、案外「野生」で色を識別する人も多いですもんネ。

 

ちなみに、同じ黄色でも、赤が少し混ざると「ホンダのカーニバルイエロー」っぽくなり、緑が少し混ざると「スズキのサイエンスイエロー」っぽくなります。クルマやバイクの新車の色(経年変化で退色するので新車が基準)をRGBでイメージしてみるのも楽しいですヨ。

 

プラモデルのカラーを、RGBで再現するのも楽しいです。軍用色は、グレーとひとくちに言っても、様々なグレーが山ほどありますからネ。海のグレーやら、空のグレーやら。

 

現実世界の塗料の場合、RGBと違って、色を掛け合わせるとどんどん暗く濁ってくるので、頭の切り替えが必要ですが、これもやっぱり慣れですネ。私は絵具を使うときは、無意識にサッパリとRGBの習慣は忘れて、CMY的な脳に切り替わります。

 

絵具は、原料の特性や色ごとに「染めるチカラ」が違うので、RGBよりは遥かに混色の加減がデリケートです。塗り重ねの「隠蔽力」も違うので、一般論の他に、それこそ塗料のメーカーごとに特性を覚える必要があります。

 

塗り重ね時の「泣き」(下塗りの塗料が溶け出して混色する)まで考慮すると、コンピュータのRGBより格段にノウハウが必要なのが、現実世界の塗料です。

 

 

 



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