4K HDRの時代

新しいFire TV Stickは、4Kに対応したのが目立ちがちですが、実はDolby Visionにも対応しているのも、私としては大きな注目要素です。

 

 

 

Dolby Visionは、HDR10やHDR10+とは「格」が違います。まずなによりも12bitですし輝度の変換調整もフレーム単位ですし、映像制作者サイドの観点でいえば、付け足し機能強化のHDR10+よりも、素のスペックから強力なDolby Visionのほうに軍配を上げざる得ません。

 

ゆえに、Fire TVが新たにDolby Visionに対応したのは、制作者側としては嬉しい要素です。

 

もうさ。HDR10陣営も10はやめて、「HDR12」に規格バージョンアップすれば良いのにネ。やっぱり、1000nitsを常用するようになると、12bitでPQは必須だと実感します。妙にHDR10に粘ってこだわらずに、HDR10の上位互換として早々に12bit版のHDR12を出した方が良いと思うんですよネ。

 

映像制作者として、そして映像コンテンツに対価を毎月支払って視聴している人間としても、2K SDRからのアップコンの「偽4K」「偽HDR」との差が、ハッキリと判別できる映像配信形態が望ましいです。

 

でもまあ、廉価なFire TVもDolby Visionに対応したし、今後どんどん高画質映像配信の普及は浸透して(=買ったらデフォルト)いくのでしょう。まやかしではない、本当の4K、本当のHDRのアニメーションを、家庭の4K HDRテレビにマスターモニタさながらの画質で届けられる状態が揃ってきたのは、作っている人間たちとしては良い状況です。

 

 

 

4Kのアニメ。HDRのアニメ。

 

After Effectsにもトランスフォームプロパティのスケールのパーセント拡大だけでなく、アップスケールなどの「詳細感を保った拡大」フィルタがありますし、線のシャープさを保ったスケール拡大メソッドも色々とあるようです。‥‥が、それらでアニメの描線が繊細になるわけではないですし、元素材の絶対的な面積の小ささは絵の内容でバレてしまいます。「アップコン感」はぬぐえません。

 

正当に、映像表現と映像品質に価値・価格が付与されるため=例えばアップコンか否かを見抜くためにも、家庭レベルのインフラ向上と端末(=テレビやパソコンやタブレットやスマホ)の性能進化は欠かせません。

 

現在はまだ2KのHDテレビが主流でしょうが、今後、どんどんぶっ壊れますから(液晶テレビの寿命ってヤツです)、4K HDRテレビが今よりさらにお手頃価格になった頃に、新しいペンキで塗り替えられるかのように、ごく普通に無感動に当たり前に、4K HDRテレビは普及するでしょう。

 

スマホも2K解像度が当たり前となり、高密度で手のひら画面のHDがごく普通になると思われます。

 

‥‥もしかしたら、今の2K制作現場は、スマホ用途専用になっちゃって、「スマホで見てた時は綺麗だと思ったけど、大きなテレビだとキツいね」なんて一般層から言われる日も、あながち来ないとも言えません。

 

アニメ現場もやがて、4K HDRの波を前に、進退を決する日が来るでしょう。

 

 

 

一時期の「萌えキャラ燃え」の影響で、どんな映像品質でも技術であっても、内容が萌えキャラならOK‥‥的な流れに、濁流にのまれるが如く流された時期がアニメ業界にはありました。‥‥今でも、、、かな?

 

萌えキャラだって日本の文化だ。表現だ。多様性を認めろ。‥‥という論調は、私もそう思います。額縁に飾ってある名画だけが価値のある絵ではないと思います。

 

しかし、残念ながら、そして皮肉なことながら、萌えキャラは長い期間、アニメ業界の多様性を奪う主役としても、その力を発揮していまいました。どんなに線がぶっとくて粗雑でも、どんなにレイアウトがおかしくても、「萌えキャラ主人公のアニメなら許される」的な風潮にどっぷりとアニメ業界が浸かってしまいました。私が業界を「尻馬にのりやすい性質だ」と日頃書いているのは、そういう面からもです。

 

「萌えキャラ」の次に、どんな言葉に変わっていくのかわかりませんが、「萌えキャラ」のような可愛い女の子キャラでも、映像技術の品質にはこだわるべきだと思います。キャラの嗜好性とは別のベクトル=4K、HDRなどの映像技術要素も、アニメ制作の大きな柱として取り組んでいくべきなのです。アニメ作りで未来を生きようとするならばネ。

 

このままのアニメ業界のベクトルでいくと、いつまでも制作現場は、アップコン頼みでごまかし続ける技術で停滞します。しかし、そうした「偽の新技術」で、ず〜っと未来もごまかせるとは‥‥‥‥‥思えませんよネ。

 

お客さんを「どうせわかりっこない」と馬鹿にするのも、そろそろいい加減に止めないとダメだよ。

 

「偽の新技術」と、「真の新技術」を、ちゃんと顧客に見分けてもらって、価格の差を実感してもらうことこそ、アニメの未来には絶対必要な要素です。

 

どんなに手を抜いても、どんなに頑張っても、評価は同じなんだ‥‥なんていうフィールドで、だれが頑張ってものを作ろうと思うのでしょうか。‥‥考えれば、すぐにわかることですよネ。自分たちが報われない原因は、自分たちで形作っている現場にあるのです。

 

現場の中だけだからウヤムヤになるのです。

 

「評価を分けるフィールド」が、アニメ制作現場の中だけではなく、例えば家庭の大画面4K HDRテレビの中にもあれば良いのです。

 

 

 

それに、映像作品を配信や円盤で売る‥‥という行為は、「高いお金を出して、高品質な映像体験を手に入れた」と考える「顧客との約束」でもあるでしょう?

 

4K HDR時代に、1.5Kで作画して二値化のぶっとい粗雑な線と256階調リニアで仕上げたアニメ絵を、6〜7倍にも拡大したアニメ映像と事後HDR処理で、まさか「4K HDR作品です」と売るのだとしたら、それはもう‥‥‥‥約束を破るどころか、詐欺としか言いようがないです。

 

良くて、「4K HDRリマスター」ですよネ。決して、「4K HDR作品」ではないです。

 

思うに、可愛い萌えキャラは、生粋の4K HDRで作っても、可愛いままですよ。決して、4K HDRは、可愛いキャラやかっこいいキャラの「敵ではなく」、むしろ「強い味方」です。

 

アニメ業界もさ。いつまでも、このままで作り続けられるとは思ってないでしょ? 萌えキャラを隠れ蓑にした低品質作業体制の「潮時」が近づいていると思いますヨ。

 

 

 

アニメの映像作品を購入するお客さんに対して、話の面白さやキャラのかっこよさ・可愛さだけでなく、映像の技術や品質面でも、「価格に応じた映像体験」を「約束」することは、これから未来の映像制作者の責務と思います。

 

映像高品質時代の制作者は、D1時代の意識では通用しません。

 

新時代の制作者の責務は、Fire Stick 4Kなどの新しい映像体験手段によって、お客さんに対して果たされ、そして然るべき報酬にて還元されるのです。

 

 

 


通時と共時

通時的なものの考え方と捉え方、そして経時的なものの考え方と捉え方は、どちらかを選択しておけばOKということではなく、両方をバランスよく自分の思考に取り入れることが肝要と心得ます。座標にはX軸もY軸も必要だもんネ。

 

昨日書いた「紙」の問題も、アニメ制作現場はそれこそ私が生まれる前から紙で作画してきたので、現場においては紙に対して通時的な捉え方がほとんどで、共時的に捉えることはほぼゼロ‥‥と言っても過言ではありません。「今までそうしてきたから、今もそうしている」という考え方です。それが「無意識」なので、余計に「気づき」の機会が得られず、共時的に紙を活用するアイデアは全くアニメ業界からは出てきません。

 

思うに、アニメの作画で用いられる紙は、考え方を共時的な発想へと変えれば、ものすごいお金を生み出すオンリーワン足り得ます。アニメーターを一気に金欠病から救いだす大きな可能性を秘めているだけでなく、現場ではなし得なかった変動的な技術価値も付与できるかも知れません。

 

しかし、旧来の現場は旧来ゆえに、通時的視点から逃れられないので、いつまで経っても、紙はただの紙。今では、レタス二値化線における、イニシャルコストの安価な入力手段にすら成り下がり、かつての描線のマティエールやニュアンスをAfter Effectsで再現しているありさまです。

 

デジタルデータでは到底太刀打ちできない「紙の価値」は、残念ながら、通時性に凝り固まった人々では見つけ出して創出できないでしょう。通時的にしか思考しないから、「マッチで火をつけて、ポンプで水を汲み上げて消す」ような行為に終始するのです。

 

紙を扱う人々が共時性に目を向けたら、紙はむしろ金を生み出す魔法の書みたいになって、紙の仕事イコール金の稼げる仕事‥‥にすらなる可能性を秘めています。‥‥でも、それは紙を扱う当人たちが実践すべきことなので、「デジタルデータ志向」の私が紙活用に関して色々とアイデアを出すのは変な話です。紙を愛する人が頑張るしかないです。

 

作画だけでなく、アニメ業界の全行程は、通時性一本槍から逃れて、共時性を強く意識することで、未来への生き残りと足がかりが確保できると思います。まあ、それも、当事者が実践するしかないです。

 

 

私はアニメ業界だけでなく、近代社会だけでもなく、およそ2000年前の古くからの歴史からも学んで応用すると共に、Dolby Visionなどに代表される4K HDR PQ 12bitなどの新しい技術もたっぷり旺盛に意識します。

 

通時性〜歴史からは本当に沢山のことが学べますし、共時性〜現代社会の様々な新しい出来事も重要な指針となります。つまり、自分の中に安易にスタンダードを作り上げてしまって、それ基準だけで物事を判断しがちな「悪癖」を、通時的・共時的なスタンスで相殺しようと思っています。

 

私も放っておくと簡単に「スタンダード」とか「鉄板」とか考え出すので、自分自身をクールダウンするためにも、通時性と共時性を大切にしています。

 

まあ、通時性を盲信すると「昔はこうだった」と言いがちになりますし、共時性を盲信すると「流行っているのはこれだから」とか言いがちになるので、自分自身の中に出来上がったログ的蓄積物と、通時性と共時性の「3要素の塩梅」は、悩ましいくらい難しいんですけどネ。

 

おそらく、自分自身の身の丈の思考、通時的思考、共時的思考の「配分」も、その場面や状況によってダイナミックに変わっていくこととも思います。また、適用する箇所によっても、配分は変わるでしょうネ。

 

 


10月30日

Appleの9月のイベントから2ヶ月も経たずに、また10月末にイベント。

 

これ。

 

 

 

‥‥まあ、9月のイベントに間に合わなかったのが、10月末にお目見えするんだろうか。‥‥というアウトサイダーの邪推はともかく、つまりアレが出るということか。

 

iPad Proの新型ネ。

 

 

このイベント告知のイラストを見れば、誰だって「ああ、絵具のイメージね。つまり、ドロー=描ける道具がお目見えするのネ」と、モロ判りですわな。

 

Apple Pencilの新型も出るというウワサだし、Mac miniももしかしたら‥‥なんて言われてますが、あくまでウワサで公式発表ではないので、楽しみに待ちます。

 

買う準備をして。

 

 


AE2019

After Effectsの2019を使い始めて、エクスプレッションで、Date()が通ることを確認して、このブログでも紹介しました。

 

んが。

 

2018でのプロジェクト、つまりAfter Effects 2018以前で作ったAEPファイルを、そのまま2019でオープンし、そこにテキストレイヤーを追加して「new Date()」をエクスプレッションに書いても「エラー」になってしまいます。

 

 

*AE2018でプロジェクトを作って保存。

 

*AE2019で、2018のプロジェクトを開くと、いつものように、お知らせダイアログが開く。ここまでは良し。

 

*変換済みの未保存状態になる。これも良し。

 

 

*新規テキストレイヤーを作り、2019から使えるようになった「Date」を使ってみると‥‥

 

*ミスタイプがあるわけでもないのに、エラーになります。つまり「Date」そのものがエラーの原因になっています。2019から「Date」は使えるようになって正常動作も確認済みですが、何か、2018との受け継ぎの問題がウラにありそうです。

 

 

どうやら、2018以前のプロジェクトは何かをウラで抱えているのか、そのまま2019で開くとエクスプレッションの機能拡張した部分でエラーが出るようです。

 

2019でゼロから作ると大丈夫です。

 

 

*2019でゼロから作れば、「Date」は期待通りに動作する。

 

 

なので、テスト。

 

2019でプロジェクトを新規に作り、そこに2018のプロジェクトをドロップして読み込めば、テキストレイヤーのエクスプレッションで「Date()」が使えるんじゃなかろうか。

 

要は、2018以前のAEPを直に開くのではなく、2019プロジェクトに読み込んで間接的に開くわけです。

 

*AE2019の新規プロジェクトに、AE2018で作ったAEPをドロップ。

 

*「Date」のエクスプレッションを書き込んでみると、エラーが出ずにちゃんと通った。

 

 

 

ハイ、解決。動作しました。

 

ちょうど今日、AEPのテンプレートを2019に更新する作業をしていて、たまたま、2018から受け継いだAEP上でDate()がうまく使えないことに気がつきました。

 

コンピュータの仕事って、こんなことが度々発生しますが、気にせずサクサク解決していきましょう。ちょっとコンピュータが期待通りに動かないからってココロが折れてたら、コンピュータとは付き合っていけませんもんネ。

 

 

ちなみに、After Effectsに実装されている、ProRes。‥‥ややこしいですが、ライブラリのQuickTimeの中のコンポーネントではない、After EffectsのProRes Codecについてですが‥‥

 

2019でも残念ながら4444 XQは使えませんでした。

 

After Effectsからは12bitは出せないのかね? それとも、Appleにイジワルされて提供されていないのだろうか。

 

HDRでPQで1000nitsを扱う時代において、12bitはベースラインです。10bitの4444でも役不足なのです。

 

8bitはもはや使い物になりません。トーンジャンプの嵐になります。

 

はよ、After Effectsからも4444 XQを出せるようにしてください。‥‥何が原因で出せないかはわからないので、どこに向けたら良いかもわからない、漠とした希望ですが‥‥。

 

 


紙の保管コスト

アニメーターの描いた作画成果物に何らかの二次的価値を創出してアニメーターに還元する‥‥という話を最近ツイッターで目にします。特に紙に描かれた原画・動画は「世界で1つだけのオリジナル」なので、その価値をお金に変えれば、単価の低い作画料金に苦しむ作業者に、付加する形で還元できるのではないか‥‥という意見です。

 

その議論の内容自体は、まさに紙を扱う当人で議論すれば良いです。私は作画も含めて、ワークフローに関するすべての要素をコンピュータのデータに移行しているので、その議論の本筋には加わることはしませんし、できません。

 

ただ、本筋ではなく、周辺の事情で言えば、紙の問題は私にとっても悩ましいです。

 

「紙の置き場」です。

 

紙は場所をとります。紙は、特にアニメ制作の場合、それそのもの=マテリアルとしては安いかも知れませんが、置き場が高いです。保管しておく場所の「場所代」が高いので、実はデジタルデータよりも保管のコストは非常に高いです。

 

紙に原画を描いている人々は、描いた後の保管の事情など、ほとんど気にしないでしょう。しかし、二次利用するなり、販売するなりの展開をするには、まず、適切な状況管理と保管のコンディションを毎日途切れず維持しなければなりません。

 

カビが生えた、破れた、どこに置いたかわからない‥‥なんていう管理や保管状態では二次利用など到底無理ですからネ。

 

どこか場所の離れた、地価の安い地方に倉庫を建てて、そこに置いておけば‥‥とか、考えの浅いことを言い出す人もいるでしょう。その倉庫の温度管理・空調管理のコストは? セキュリティは? まさか南京錠1つでドアに鍵をするだけではすまないでしょうから、セキュリティがある程度しっかりしつつ、常駐の管理人は必要になるでしょう。

 

手元にあるからすぐに確認できますが、自動車で片道2時間の場所に保管したら、紙そのものをすぐに確認することはできず、スキャンしてデータ上でインデックス管理することになります。当然、そうした管理コストは相当な人件費を費やし、1ヶ月あたりの維持費もスゴいことになります。

 

都合、有効な保管場所は確保できず、アニメ制作会社には、所構わずそこら中に、紙を突っ伏し込んだダンボールが置かれることになります。外来のお客さんが訪れるところ=エントランスや会議室周辺の廊下にも、ダンボールが山積みになる光景=フロントヤードにバックヤードが溢れ出す光景は、ホントに「アニメ会社のだらしない情景」と思います。

 

 

あのさあ‥‥。ポスプロのラボや試写室で、エントランスやロビーや廊下に、無造作にダンボールが積まれているのって、見ないじゃん?

 

なぜかというと、クライアントに舞台裏のゴタゴタを見せたくないからです。商談を円滑に進めるために、相手に裏事情を気取られて不安要素を感じとってほしくないからです。

 

個人単位だってさあ‥‥、誰か大事なお客さんが来て、大事な話をする時に、家の中を散らかし放題にしておく? ‥‥しないでしょ??

 

しかし、紙が後から後から増えて溢れ出せば、都合、廊下まで保管場所になって、ダンボールを置きっぱなしにしても、やがてその光景に慣れて麻痺します。

 

紙を使い続けるのなら、紙を保管するか、破棄するか、ちゃんと「紙の一生」までケアする必要があります。そしてそのケアは、テレビ1シリーズにつき、何万何十万にも及ぶ「膨大な物量に対するケア」が必要だということも忘れてはなりません。

 

描いたら終わり‥‥じゃないのです。

 

アニメーターの中には、描いて終わりではなく、もしかしたら、描いた原画動画が副次収入にもなるかも‥‥的な見通しの甘い考えをする人もいるでしょうが、その紙の保管の労力と費用まで含めて「収益」が見えていますか? 紙を整然と保管して適切に状態管理するのは、ものすごいコストがかかりますよ。

 

 

こうした状況の中、例えば、私の作業スペースの前にどこかの作品のダンボールが積まれるたびに、「XX日ごろにクライアントの方々が来訪されますので、ダンボールの場所を移動してください。」的なメールを、何度も何度も繰り返し社内関係者宛にメール連絡して、「いちいち、うるせーな」的に思われてもやむなし‥‥とアクションせねばなりません。

 

バックヤードは構いませんが、フロントヤードにまでダンボールが溢れ出すのは、アニメ会社の昔からの「問題解決できない象徴」のように思います。宅配業者ではないのですから、そこら中にダンボールが置いてあるのって、異様な光景だと思うんですヨ。ラボやポスプロに行った時に、「外からのお客さんを迎える場所がどうなっているか」よく見学して、自分らにも取り入れるべきです。

 

作画の問題を語る時、例えば紙の作画ならば、紙を「自分が関わっている瞬間だけの視野」ではなく、紙のライフサイクルのコストまで思いを馳せて、議論すべきと思います。

 

 

じゃあ、デジタルデータはどうか。

 

データは作業集団によって扱うデータの差が著しいですし、データ管理や保全の意識や実践も紙以上にバラバラです。

 

紙は30年放置しても閲覧できます。私が18歳の頃に作業したロボットアニメの設定は黄ばみこそすれ今でも見れます。一方、デジタルデータは再生システムを喪失すればいともあっけなく読めなくなります。

 

*まあ、私は今でも、MDもDATも再生できますけどネ。画像に関しては、さすがにPC98時代の絵は私の環境では再生できず(=マルチペイントのデータとか)、MacのPICTはかろうじてまだ表示できます。USB接続のフロッピーもMOもドライブは確保してあります。

 

20年前のデータはちゃんと開ける? ファイルフォーマットの変遷にどのように追随している? ハードディスクは正常に回転してデータを読み出せる?

 

ずさんな管理だと、デジタルデータは格段に紙のデータより危うくなります。データをハードディスクに保存すれば何もかも安全ではなく、むしろ未来に全くデータにアクセスできなくなる危険性が高いです。

 

私は10年前くらいに、そうした危機感を強くしたこともあり、完璧とは言えませんが、相応にデータ保全の基準を設けています。同じデータでも複製をとって複数の場所で保管する、読み書きの環境自体をモスボールする、安い銘柄の記録装置に飛びつかず定評のある製品を購入する、室温や湿度の安定した場所に保管する、地震などの災害でダメージを受けにくい保管場所を選ぶ‥‥などです。

 

上記の基準を紙に置き換えると、とんでもないコストがかかりますが、デジタルデータなら比較的安価に実践できます。安くできるとは言わないですが、バカ高くもなりません。

 

よく巷で言われる「データ危機」は、データを外付けハードディスクに移動したらそれで終わり‥‥のような人間の、マッチポンプのような行為です。本当にデータが大切だと思うのなら、データを外部記憶装置に追い出した後もケアする必要があります。

 

 

 

まあ、何らかのデータ、それが紙であっても、デジタルデータであっても、ちゃんと保管して維持するには、相当な労力が必要なのです。

 

紙は安く管理できると思っているのなら、それはあまりにも浅はかです。紙を棚に置き続けるだけでも、お金を確実に消費しているのです。

 

 


酒とコンピュータ

まあ、普通に考えて、目の前に1万円があって、それを酒代にするか、ソフトのサブスクリプションとiPad Proのローンに回すかで、当人の状況も変わってきますわな。

 

面白おかしく生きることと、面白きびしく生きることは、私の実感ですが、「両立は無理っぽい」です。

 

そこはどんなに隠そう、ごまかそうとしても、事実がそうだから、そうとしか言えません。

 

夢を叶えたい手段として、酒を使うか、コンピュータを使うか、‥‥‥とも言えますネ。すごく、極論ですが。

 

 

たまに酒を呑むのは良いですネ。楽しい酒は良いです。

 

では、たまにコンピュータを使うのも良いか。‥‥う〜ん、「たまに」ではダメかなあ‥‥‥‥‥。


サブスクリプションの選択

サブスクリプション、すなわちソフトウェアや各種サービスに対する課金は、お金を吸い取られ続けるだけに感じることも場合によってはありますが、考えようによっては「使うのをやめる」意思表示を初期導入費用なしに示せる手段とも言えます。

 

例えば、私はiPadにおいて、シングルスワイプ=1本の指先で摩る動作と、ペン先の入力を、機能を分けて使いたいのですが、その機能設定はドローソフトによってまちまちです。

 

紙と鉛筆を使っていた頃に、少なくとも私は、鉛筆を一旦離して机において、消しゴムに持ち替えて消す‥‥みたいな動作はせず、左手で鉛筆(左利きなので)、消しゴムを使う時に空いた右手を使う動作でしたので、ドローソフトにありがちな「消しゴムツールに切り替える」動作がいちいち面倒でイヤなのです。今では、Wacomのペンのテールスイッチすら面倒に感じるようになりました。

 

シングルスワイプを消しゴムに割り当てる機能は、今や必須となりました。対応しているドローソフトはクリスタとプロクリなので、自然とその2つばかりを常用するようになっています。

 

AutodeskのSketchBookは機能が豊富な上にシンプルな操作画面が気にいって、今までサブスクリプションでプロ版を使っていましたが、「指先消しゴム」に対応しない様子なので、サブスクリプションを停止しました。

 

 

 

もし、今までの「ライセンス買い切り感覚」ならば、数万円の対価を支払って、結局使わなくなった‥‥というオチになりますが、サブスクリプションだと月額か年額の安価な出費で済みますから、賢く使えばそんなに悪いものでもないです。ダラダラと課金することをしなければ。

 

試用期間が設定されているのも有利です。私はいくつもドローソフトを試していますが、「指先消しゴム」が設定できないと判明したアプリ・ソフトは、試用するだけで課金はしません。

 

メーカーにしてみれば、消しゴム機能1つで使用を停止するユーザがいるとは気づかないこともあるでしょうし、気づいても対応しないこともあるでしょう。単にサブスクリプションのアカウントが減るだけですが、そこから何を読み取るのかは、メーカー次第です。

 

ユーザーにしてみれば、「高い金出して買っちゃったから」と泣き寝入りせずに、「じゃあ、使わない」と明確に期間延長決済を打ち切って「否」を意思表示することができます。

 

「嫌いになった」から使わない‥‥なんて子供みたいな感情論ではなく、「使いにくいから」「使わなくなったから」という理由で、使用を停止できるのが、サブスクリプションにおけるユーザサイドの利点です。

 

AppleのMacやiPadの場合、サブスクリプション・課金の状態を操作する手順は、以下のサポート文書に解説されています。

 

定期購読内容を表示・変更・解約する

https://support.apple.com/ja-jp/HT202039

 

 

 

そのほかで、ユーザーができることは「フィードバック」でしょうネ。ただ、アプリ評価の「コメント欄」がどれだけ開発元に届いているのか無力感を感じることはあるでしょうから、本当にフィードバックをしたい=不満だけをぶちまけるクレイマーになるのではなくメーカーとユーザー双方の実益を考えるのなら、もっと別のフィードバックのルートを考える必要はありますネ。

 

 

 

まあ、ソフトウェア「税」、Apple税とかAdobe税とか言いたくなるような場面は、過去に何度もありました。小更新的な内容で、メジャーバージョンアップの数万円を支払うのか‥‥と辟易したことも、正直、あります。アドビはサブスクリプションを導入する前に、「必ず1年に1回、すべてのソフトウェアのバージョンアップをする」=「毎年お金を支払ってください」という方針を打ち出したこともありますよネ。

 

私は10年くらい前に、「使う時だけ使える料金制度ってできないのかな」と思ってましたし、以前の引越しする前のブログにも書いた覚えがあります。「サブスクリプション」なんていう言葉は当時全く知り得ませんでしたけどネ。

 

ソフトウェアを買う時に大きなお金を払って、バージョンアップに毎年1〜3万払う行為を、ソフトウェアの数だけおこなうのは、実質、個人では無理だと痛感していたのです。

 

サブスクリプションは毎月・毎年支払い続ける仕組みなので、より一層、「税」みたいに受け取る人も増えたかも知れませんが、やめたい時にはやめられる税、再開したい時には再開できる税でもあります。

 

 

 

まあ、アドビのCCに関して言えば、もう少し、料金制度が細やかだと良いのにな‥‥とは思います。特別セット980円、ソフト単体2000円、その上はいきなりフルセットで5000円‥‥とか雑な区切りではなく、単体だと2000円、自由に2つの組み合わせで3000円、そしてフルセットで5000円くらいになれば良いのにネ。5000円の月額で足踏みされるより、とりあえず使うソフトを2つだけでも使えるほうが、ユーザも「じゃあ使おう」って気になりますけどネ。

 

もしかしたら、「2つあれば足りる」というユーザが多いので「2つ」という選択肢はあえて用意しないとか‥‥、いろいろと裏事情を邪推したくもなりますが、現在の「サブスクリプション」という選択肢だけも、以前に比べてかなり有利だと感じます。

 

 

 

環境を凍結させて、例えば、2010年前後の環境のまま作り続ける選択もあるでしょう。CS6を使い続けるのも選択の自由です。

 

しかし、現在進行形の世界規模のインフラの中で、新しく出現する技術を味方につけたいのなら、制作環境の基軸として「サブスクリプション」を賢く使う選択は、必須だと感じます。

 

ユーザもソフトもハードも、映像制作会社も、映像ソフトウェアメーカーも、インフラも、ひとまとまりの社会も、何か単体で成立しているのではなく、相互に作用し影響して成立していることを考えれば、できるだけ賢くモダン=Modernな要素を活用していきたい‥‥ですネ。

 

 

 

 


CCのコスト

AdobeのCCが発表された2012年、とびつく勢いですぐに契約しました。なぜかというと、バージョンアップの料金に毎年苦しんでいたからです。

 

記憶が曖昧ですが、メジャーバージョンアップが2.5〜3万円、マイナーバージョンアップが1.5〜2万円くらいだったように思います。それをメインのソフト=After EffectsとPhotoshopで2つをほぼ毎年、サブのソフト=Dreamweaverを2年間隔くらいで、更新するのは相当キツかったです。

 

キツいと言っても年間6万にはなりませんでしたが、その代わり、IllustratorやPremiereやInDesignやFlashはハナから諦め、Dreamweaverなどサブ使用のソフトは数年前の古いバージョンに甘んじなければなりませんでした。

 

Creative Suite=CSのセットをまず最初に買うには、手頃なセットで20万くらい、フルセットだと30万越えだったようにも記憶します。それでも単体で5〜15万円のソフトを個別に買うよりはずっとお得でしたが、そのセット内容を全部、年ごとのバージョンアップに対応させるのは、個人の自腹では相当厳しい状況でした。そのうちに虫食いバージョンアップになって、放置していたソフトはバージョンアップ有効期限を失効する‥‥なんていうオチになります。

 

つまり、そもそもイニシャルコストが捻出できず、無理してCSのセットを買っても、その後の維持=バージョンアップがままならず、節約すればそのぶん使うソフトと機能が限られ、どんどん状況が変化する映像産業の技術に追随しにくくなる‥‥という痛い箇所ばかりでした。

 

なので、月5千円=年間6万円とは言え、すべてのAdobeアプリケーションが、すべて最新版で使用できる、2012年の新しいソリューションの「CC」にとびついたのです。

 

 

 

年間6万円。‥‥微妙な値段です。安いとは言えず、むしろ高いとは思いますが、月5000円の引き落としでアドビの最新版フルセットが使えるのは、昔からそれなりのお金をつぎ込んで使ってきたユーザとしては、決してバカ高いわけではないです。

 

最近は同じ月5千円のアカウントで、iPadで使うiOS版のアドビのアプリも制限なく使えます。来年リリースとの公式アナウンスのあったiOS版Photoshopと、「ようやく」アドビが繰り出したドローソフト「Project Gemini」も、同じ提供形態になると思われます。

 

そうなんだよね‥‥。1ライセンスいくら‥‥で買ってた頃は、新しいアドビのソフトが発売されても、手が出せなかったんですよネ。だって、まず最初に5〜15万くらいかかるし、その後のバージョンアップ料金の負担も1ライセンス分増えますし。

 

 

 

今まで何度も書いてきましたが、コンピュータはかなりの金食い虫です。アドビの月5250円だけで済むわけではなく、クリスタもサブスクリプションですし、定期的なマシンや周辺機材の買い替えも毎月の支払いに換算すれば、相当な額に達します。

 

アニメの作画机が一生物だった頃とは、キッパリ大きく愕然と、状況が変わります。毎月、お金を「環境を維持するためだけに」吸い取られ続けます。

 

金を食われる状況に身を置くのなら、食われたぶん、自分の状況のプラスに作用させないと、ただの食われ損です。

 

コンピュータを導入する前と後では、たとえ個人レベルであっても、ビジネススキームの違いをハッキリと認識して、日々の仕事と作業に反映させることが重要です。じゃないと、単に趣味でコンピュータが好きな人に留まるだけです。

 

もしコンピュータを自分の絵や映像を作る仕事のツールとして導入したのなら、その導入が大きな実利をもたらすように、アクションを変えねばならないでしょう。

 

 

 

「自分はただ純粋に絵を描いていたいだけなんだ」と思う人もおりましょう。しかし、絵を描くのを趣味ではなく仕事にしちゃったのなら、仕事としての損得勘定、ビジネスとして展開上の「狡猾さ」は、どうしても必要です。

 

絵を描くことを職業に選ぶことは、決して、大人になっても子供の感覚のままで生きるための隠れ蓑ではないはずです。

 

「あなたの才能に惚れ込んだ。あなたは自由に絵を描いていればそれでいい。必要なお金は全部私が用意する。」‥‥みたいな、夢のようなパトロンでも出現しない限り、自分自身の行動によって、自分の仕事が有利に展開するように、戦略と戦術を練る必要があります。それが絵を描く本筋と隔たっていたとしても、ホビーをビジネスに変えた人間の宿命なのです。

 

 

 

Warez(今はほとんど聞かないスラングですね)で凌いできた人ならともかく、正規のルートで対価を支払ってソフトウェアを購入&維持してきた人は、そのコストがどれだけ積み重なって生活費に影響を及ぼすか、強い実感があるはずです。時には、ソフトウェアの更新に合わせて、予定になかったマシンの買い替えの必要性にすら迫られますしネ。

 

「私はアニメ業界のアニメーターです。」という旧来のスキームから抜け出して、アニメ以外の画業も自分で開発していかなければ、コンピュータ機材を主軸とした自分の作業環境を良好に維持するのは不可能です。アニメの作画料金だけで維持できるほど負荷は軽くないです。

 

他の出費を抑えて充てる‥‥という思考だけでなく、自分のビジネスとしての、画業のとしての、「生涯視野のスキーム」を再考する必要があるでしょう。たとえ社員として雇用された若いアニメーターでも、20〜40年後の自分はどうなっているかを考えれば、「会社に依存しきる」のはNGです。

 

自分の身を守ってくれるのは、会社でも業界でもなく、最後は自分ですもんネ。

 

CCをはじめとしたサブスクリプションを、どう自分の「生涯の仕事」に作用させていくか。

 

ストラテジーとか言うと大げさかも知れませんが、個人レベルでも戦略規模でものごとを思考して、確実かつ地道に実践していくことが必須だと思います。

 

 

まあ、メーカーとしてのアドビは、耳障りの良い宣伝文句ばかりを押し出してきますが、それはそれで適度に受け取って適度にスルーしておきましょう。「我が社の製品を導入すると、こんなに負担が増えますよ」なんて宣伝する企業は、どこにも存在しないですからネ。

 

なので、宣伝文句ばかりに浮かれず、月5250円の負担を冷徹に捉えて、自分の仕事に作用させてどのように実利へと導いていくか。

 

その程度はあらかじめ考えておいても、「考えすぎ」にはならないと思ってます。

 

 


CSとCC

アニメ業界が今でもCS5.5やCS6を使っているのは、業界内部では広く知られた現状です。外部の一般の人にはあまり知られていないとは思いますが。

 

「なぜなの?」と普通の人は思うはず。CS6がサポート終了して結構経ちますし、いったいどれだけ前のバージョンかも忘れるくらい古いバージョンですが、理由はまあ、すごくシンプルに言えば、金がないからです。あらゆる方面において。

 

CS6を最新のCC2019にアップするためには、複数のハードルが存在します。

 

ライセンス買い切りではなく、定額の使用料金を、スタッフのアカウント分、支払い続けるための金

 

CCへの更新にともない、ハードウェアの性能=必要システム環境をアップするための、機材買い替えの金

 

CCへの更新にともない、別購入のプラグインの更新のための金

 

CCライセンスを整然と運用するためのシステムメンテナンススタッフを雇用するための金

 

最新のCCだとアニメの撮影ができなくなるという話では全くなく、PhotoshopやAfter Effectsを更新できない会社に合わせて、業界全体が引きずられているに過ぎません。

 

 

思うに、アニメに関わる会社が、AdobeのCCに更新できた時が、「大きな変化の象徴」だと感じます。

 

必要なお金を捻出できずに、昔のまま、作り続ける。

 

‥‥‥それって、AdobeのCCに限ったことではないですネ。原動画の一律で安い単価のまま作り続ける、アニメ業界の体質そのものにも通じることです。

 

「必要なお金を捻出できずに、昔のまま、作り続ける」状況が、「必要なお金をちゃんと捻出した上で、新しい社会や環境の基準に合わせて、作り方を変えていく」意識と実態に変わるということは、アニメの現場が変わり始めた象徴と言えるでしょう。

 

 

CS6を使い続けていれば、購入時以後のお金は発生せずに、相当なコスト抑制にはなりますが、新しい時代の新しい映像技術基準からはどんどん立ち遅れていき、前時代的作業環境と前時代的品質に留まることにもなります。

 

「じゃあ、どこかで一斉にCCにしちゃえばいいじゃん」とか思いがちですが、CCはCS6と違って「買い切りではない」ので、CCを使い続ける以上は延々とお金がかかります。今までのアニメ業界の「作画机を買ったら何十年でも使える」と言った「昔の作業環境の意識」のままでは、CCの料金制度は容認も許容もできない部分です。「ソフトを買って、その後はあまりバージョンアップしないで、費用を節約する」ということができなくなります。

 

 

一方で、ソフトウェアを作る会社側も、一度ソフトを売ったら、延々とバージョンアップとメンテナンスを無料で提供し続けるなんて、無理です。

 

「Windowsのバージョンが上がって動作しなくなったから、アップデータを無料で供給しろ!」と、最初にソフトウェア購入のお金だけしか払っていないユーザが主張するのは、「どんなに乗っても壊れない乗用車を売れ。もし壊れたら無償で修理しろ。」というようなものですから、それがどれだけ非常識なことか、お分かりかと思います。

 

ソフトウェア会社は霞を食って生きているわけではないです。霞では食えない‥‥はもう、お互い様‥‥ですよネ。

 

つまり、どういうことかというと、

 

アニメ業界内部の慣習や都合だけでエコシステムを形成する時代は終わろうとしている

 

‥‥のです。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどのインフラ、そして社会的な労働の基準も含め、過去のままでは済まないわけです。

 

その時代的変化を受け入れられるか、受け入れられないか、まさにCCの導入が象徴的に物語っています。

 

 

ものすごくバッサリ言うと、CCを導入できない制作集団は、過去から続く色々な物事を変えられない集団で、CCを導入できた制作集団は、新しく変わる可能性をもった集団‥‥とも言えるでしょう。CCを運用する時点で、お金の問題はクリアする必要がありますもんネ。まあ、CCを導入しても旧態依然とした作り方は可能なので、あくまでも「変わる可能性」ではあります。

 

しかしねえ‥‥‥。アニメ業界の暗部を知る人は、「まさか、CCの導入のために、人的コスト=報酬・単価を削ったりするんじゃないか」と嫌な予感を感じる人もおりましょう。‥‥たしかに、そういうことをしそうな業界なのは否定できません。

 

もしかしたら、10年後にPhotoshopがバージョン30だ!‥‥とか言ってる世の中で、アニメ業界はCS6を使い続けていたりして。

 

‥‥そこまでキモが座っていれば、それはそれで凄いのですが、アニメ業界って一方で「簡単に尻馬にのる」性質も持ち合わせているので、果たして2020年以降はどうなることか、歴史とともに歩むばかりです。

 

 


アドビのラッシュ

早速使ってみました。Adobeの新しい「Premiere Rush CC」。

 

んー。なんだか昔のiMovieみたいで懐かしい。つまり、手軽な操作で、「ソフトにおまかせにし過ぎず」に、ムービーを編集できます。

 

で、なぜ私が早速試したかというと、作業している4K HDRのムービープレビューで、ちょっと困っていたからです。

 

まさに「ラッシュ」を確認したい時に、Premiere Rushが役に立つのではないかと思って、昨日の今日ですぐにインストールして試してみたら‥‥

 

十分、各個人環境ローカルでの「ラッシュフィルムチェック」的には使えそうです。

*スタッフを呼んでチェックする「ラッシュチェックイベント」には、横着せずに、然るべき環境でDaVinciかAvidで再生しましょう。

 

 

手元で内容をチェックするくらいなら、QuickTime PlayerやVLCじゃダメなの?‥‥と思われるかも知れません。

 

ダメなんです。

 

QuickTime Playerは「リミテッドレンジ」に表示を変えて再生するので、PQ1000nitsのクリップポイントが打撃を受けて絵が変わってしまってチェックできません。

 

VLCは、何か妙なお節介をしてモニタの輝度を変えて再生するので、これもNG。

 

After Effectsに読み込んで再生すれば、フルレンジの正常なルックになるのですが、After Effectsは編集ソフトではないので、クリップを並べて再生する用途にはイマイチ向きません。手間がかかります。

 

PremiereもDaVinciもラッシュを見るには、ちょっと段取りが大げさなんですよネ。

 

 

そこでまさに名前の通りの「Rush」。

 

Adobeが「Rush」と名付けたのは、ラッシュフィルムとは意味が違うかも知れませんが、Rushのそもそもの意味=「急いで」の意味は共通してます。iPhoneで撮影したムービーを手早く編集して手早くSNSなどに公開する目的のPremiere Rushは、その「手早く」が、私らのニーズにもうまくハマりそうです。

 

After Effectsでフルレンジ再生できたので、Rushも恐らく大丈夫だろう‥‥と思って再生してみましたが、ちゃんと正常にフルレンジで再生されました。

 

 

ちなみに、QuickTime Player 7もXも、リミテッドレンジで再生していることがすぐにわかったのは、まず映像が異常だったこと(=PQ1000は異常に気付きやすい)と、ボールドにつけたカラースケールが役に立って、レンジの変動に気付いた次第です。

 

*ブラウザではsRGB・Rec709の表示なので、PQカーブとは無縁のリニアな階調で表示されています。

 

PQ1000ですと、183と191の間にクリップポイントの様子=グレースケールの大きな落差が表れますが、QuickTime Playerやその他の簡易プレイヤーで再生すると、クリップポイントがズレて表示されます。QuickTime Player Xですと、175と183の間に大きな差が表れるので、「リミテッドレンジに圧縮されている」ことが容易に判別できたわけです。

 

PQ1000はひじょ〜〜〜〜〜〜〜〜うにデリケートなので、転ばぬ先の杖でカラースケールをボールドにデカデカと入れておきましたが、早速、役にたって良かったス。

 

 

で、Rush。

 

敷居がとても低く、インストール直後の簡単なチュートリアル(ものの5分で終了)で、すぐに使い始められます。

 

iMovieは色々と仕様変更があって、ユーザ不在で自動でムービーをチョイスして映像を作ったりと、使う気がどんどん失せていましたが(それはそれで皮肉な話です)、Rushはちゃんとユーザー本位の「編集作業」でムービーが作れるので、昔のiMovieとかが好きだった人にはオススメです。

 

 



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