2020年の認識

自動中割り&無人動画。フレーム補完。カットアウト。

 

この差を明確に理解できる知識は、2020年代のアニメ制作関係者の常識として必要です。

 

しかし、どれも曖昧に混同されがちです。

 

原画を描いたら、その後にコンピュータで処理して、あたかも人間が動画作業をしたかのような結果を得る‥‥のを、「無人動画」なり「自動中割り」と呼ぶようにする。

 

一方、完成した映像のフレームレートをアップするためのフレーム間の画像補完を「フレーム補完」と呼ぶ。

 

‥‥のように決めたほうが、誤解を抑えられて良いんじゃないかと、最近は思います。

 

 

原画だけの状態から、動画相当の絵をコンピュータで作り出して成功するには、ものすご〜く条件が限られます。

 

一方、完成した映像のフレームレートを増す処理は、それこそ2017年製の市販品4KHDRテレビでも結構上手くいってます。

 

「無人動画」と「フレーム補完」の2つを混同していては、アニメ映像制作のプロの肩書きが泣きます。

 

もう2020年ですから、そろそろ肌身で実感しても良いころです。

 

 

 

もうひとつ。

 

無人動画とカットアウトを混同しないようにしましょう。

 

カットアウトで絵を動かせるのは、カットアウト専門の描き方をしているからです。アニメ業界の原画の描き方でいくら描いても、カットアウトにはなりません。

 

カットアウトは、そもそも原画の次に動画‥‥というプロセスでは作業しません。動かす元の絵を描き、動かせるように組み、実際に動かす‥‥という段取りで、従来の原動画とは大きく異なる概念と構造で作業します。リギングやアニメーションなどの言葉が用いられることからも、仕組みが違うことが伺い知れます。

 

カットアウトは、原画を描いたら、動画作業部分をコンピュータが処理するわけではないです。そんな都合の良い魔法のような内容ではないです。

 

元の絵(原画と慣習的に呼ぶこともありますが)を描いた後に、ペイント作業をして、その後にアニメーション(動かす工程〜無理やりこじつければ動画とも呼べなくもないですが)の作業となります。現場風の言葉を使うなら、「原動仕」ではなく「原仕動」の順番です。

 

 

 

 

自動中割りは限定的には実用化され、実際に作品の中に成果が盛り込まれています。無人ではないですが、自動中割りで可能な作業は実用している現場もありましょう。

 

私が参加した2013年公開の劇場アニメで、少しだけ使ったことはあります。もう7年前ということになります。自動中割りでダメな部分(=絵が溶けている部分)は、リカバーして修正しました。

 

AIの言葉に踊らされている一部のアニメ業界人が望むものは、すなわち「原画さえ描けば、コンピュータが動画作業をおこなう、無人動画」でしょうが、そんな都合の良いプロセスは実用化にはほど遠いことは、ちょっと調べれば判ります。

 

既に人間が動画作業で動かした後に、さらにその間(動画と動画の間)にピクセルモーションで絵を詰め込んでいく処理は、進化を続けています。しかし、原画の意味を理解し、絵の各所別々でツメのタイミングを推し量って動きを描くことは、コンピュータには難しく、技術と達成レベルの難易度に雲泥の差があります。

 

例えば、「布に水がゆっくり染み込んでいくシミ」の動画は、自動中割り・無人動画でも可能でしょう。

 

しかし、「ぐーちょきぱーの手の動き」や、「どんぶりをひっくり返して中身をブチまける動き」が、果たして自動中割り・無人動画で可能なのか、理屈で考えてみればわかると思います。

 

何もないところに、何かが現れる‥‥ということを想像して描く動きは、コンピュータは苦手です。どの自動中割りのデモを見ても絵が溶けていることで判別できます。現場風に言えば、「割り先が明確な動きが得意」「デッサン割りが苦手」「創意工夫して創作する動きは困難」なのが、コンピュータの特徴です。

 

もし「そんなことはないはずだ」と思うのなら、自動中割り・無人動画を宣伝しているソフトウェア開発会社や研究チームに、手加減せずにいつも通りの描き方で描いた原画を持参して、目の前で実演処理してもらえば良いです。それで本当に「納品できるレベル」に仕上がるかどうかを確認してみてください。あらかじめ用意してあるデモで上手くいくだけでは「無人動画」とは呼べません。

 

 

 

一方、カットアウト的な技術については、自動中割りともフレーム補完とも明確に認識を分けたほうが良いです。

 

線や塗り領域をオブジェクトとして個別に管理し、キーフレームで動かす技法に対しては、自動中割りと呼ぶのを避けたほうが、誤解されずに済みます。

 

「自動中割り」と聞くと、今でもそれなりに多くの人が、「動画作業と同じことをコンピュータがおこなっている」=「今まで通りの原画を描けば、動画はコンピュータがやる」と思い込んでしまいます。なぜかって、「中割り」という言葉が、そのように現場の人間の思考を誘導してしまうからです。

 

2点間のキーフレームの「中間値」を「中割り」ということにしたら、映像制作作業は「自動中割りだらけ」になってしまいます。

 

そろそろ、「わかりやすさのためだけに、自動中割りという言葉を使うのはやめる時期」だと思います。今は、2020年ですもんネ。

 

 

上図の髪の毛の動きを見て、「コンピュータで自動で中割りできるようになったんですね」‥‥と言われると、返答に困ってしまいます。

 

おそらく、「自動で中割り」という言葉には、カットアウト的な意味は含まれていないであろうことが、単語のチョイスで判るからです。カットアウトを知っていれば、自動中割りという言葉は使いませんもん。カットアウトのモーションを自動中割りということにしてしまうと、アニメ撮影のセル引き(セルのスライド)のモーションも自動中割りということになってしまいます。

 

では、「自動で中割りしていないのなら、どうやって動かしてるのか」と聞かれると、どんどん認識の相違が泥沼にハマります。「人が描いた絵をコンピュータのソフトウェア上で動かして」と言っても、「だからそれが自動中割りなんじゃないの?」という風に解釈されます。

 

 

 

要は、

 

耳だけでなく、自分の手でやってみれば、解る

 

‥‥です。

 

日本のアニメ業界の「演出」「作画」担当の未だ多くは、耳で聞いただけで「デジタル」を知った気になっているだけで、実際にコンピュータやタブレットPCで仕事をしている人の割合は少ないです。ゆえに、いつ迄経っても理解は進まず、懇親会もどきのシンポジウムを開催しては、お互いの初歩レベルを確認し合って「まだ自分はそんなに遅れていない」と安心し合います。日本人の典型とも言える「イノベーションにほとほと弱い」性格が、アニメ業界にも見て取れます。

 

自分でやってみりゃ、解るんよ。人から聞いてばかりいるから、要領を得ないんだよ。

 

2020年代は、技術の変化だけでなく、人々の思考がどう変化していくのか(=いかないのか)を目の当たりにする10年間となるでしょう。技術が滞りなく進化して世の中が変わってしまうので、アニメ業界にとっては2010年代と同じ10年にはなりません。閉ざされた竜宮城に、外界の影響が及びます。

 

ツービート(たけしさん)の「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」みたいに、

 

竜宮城、みんなで住めば、気にならない

 

‥‥と言ってられるのは、世界のごく僅かなフィールドたるアニメ業界の閉鎖空間だったからです。

 

「海の下にも都はございましょう」‥‥だなんて、壇ノ浦みたいです。

 

 

 

久々に、外界に出てみれば、自分たちのやっていたことは昔の夢だった‥‥なんてことのないように、全世界規模の映像技術進化に気を向けましょう。

 

Eaglesの味わい深い一曲「Desperado」は、Before it's too late‥‥と歌って閉じますが、考えてみれば、アニメ業界は産業界の「ならずもの」、ブラックブラック言われて、一方で、自分たちの技術に自信を持ちすぎて、外界へと視野を広げようとしなかった性格は、何だかまるで歌詞の内容みたいです。

 

ホントに、手遅れになる前に‥‥ですよネ。

 

 

 


自炊は安い。

ツイッターで、

 

自炊は結局高くつく。コンビニで弁当を買ったほうが、結局安上がりだ。

 

‥‥みたいな文言を見かけました。「そんなことはない。料理ができない男の思い込みだ」的な反論のツイートがいっぱいあって、アクセス数も相当だったので、これは「炎上商法」の1種かなと思いました。

 

まあ、「釣り」言葉なんでしょうが、実際、自炊のほうが圧倒的に安いですよ。食費がコンビニの方が安いだなんて、無知だなあ。

 

70円から200円未満で、しかも調理時間は10分未満の「マイ野戦食」はこちら。‥‥麺類ばかりですが。

 

まず、激安の100円以下のうどん、コスト70〜80円。内訳は、麺40円、たまご15円、その他。

*青じそと唐辛子は自家製。ネギはセブンイレブンの100円ネギをパラパラと。チープうどんも薬味があれば彩りも豊かに。

 

肉そば。100円。

 

同じく、肉そば100円。

*重要!:レンジ調理で、生卵からポーチドエッグにする際は、かならず黄身に箸を刺して穴をあけておきましょう。写真でも、黄身の真ん中に穴の跡が見えますよネ。

 

豚角煮そば。180円くらい。

 

鶏大根そば。これも180円くらいか。

 

肉そば、筍トッピング。130円くらいか。

 

 

脂が多くて、まるで20代の食いもんだな。‥‥とは思うのですが、この内容だと10分で電子レンジだけで調理ができます。ひき肉を使っているのは、火の通りをよくするためです。

*10分の調理時間のうち、電子レンジの加熱時間は700Wで4〜5分です。残りの5分は、準備時間です。

 

トッピングは100円のおかん食堂の惣菜です。トッピングをすると、値段が跳ね上がります‥‥って、100円前後なんですが。

 

 

 

ちなみに、「赤いきつね」だと、コンビニで200円近く出して、このくらい。

 

 

コンビニ弁当は500円くらいしますよネ。

 

 

 

コンビニのほうが安い‥‥なんていうのは、単にものぐさで不精で調理スキルが低いだけです。男にありがち。

 

自宅で食べるのなら、自炊のほうが安くて豊かな内容になります。

 

でもね。

 

さすがに、麺の頻度があまりにも高いと‥‥

 

麺は飽きた

 

‥‥と、大きな反動がでますので、ほどほどに。

 

私は、以前、DHA欲しさに鯖缶ばかり食べてたら、その後、数年、鯖缶を見るのもイヤになってしまいました。

 

ちなみに、卵は、

 

 

‥‥を用意しておくと、盛り付けが綺麗に彩れます。

 

ラーメン喰っても、心は錦。

 

 


ESTKの代わりに

アドビのエディタ「ExtendScript Tool Kit」=ESTKは、After EffectsやPhotoshopの自動処理を書く時に重宝してました。

 

‥‥が、最近、CCのラインアップから外れました。配布中止するなら、次のエディタを出してくださいよ、アドビさん‥‥。ユーザは、サブスクリプション代金を一生懸命払ってるんだからさ‥‥。

 

‥‥と恨み節を吐いても事態は進展しないので、「mi」でもスクリプトを書いて実行できるように、ちょっとひと工夫。

 

mi

https://www.mimikaki.net

 

 

miから、直接After Effectsにスクリプトを実行したい場合は、毎度のAppleScriptで。

 

tell application "mi" to set txt to content of front document

 

tell application "Adobe After Effects 2020"

    activate

    DoScript txt

end tell

 

5行のスクリプトですが、これで、miで書いた内容を、After Effectsに送って実行できます。miのツールバーから呼び出して実行できるようにしておきます。

*自分のアカウントのLibrary/Application Support/mi/mode/NormalまたはJavaScript/toolbarの中に、適当な名前のフォルダを作ってスクリプトを入れておきます)

 

 

 

*ちなみに「構文チェッカー」とは、JavaScriptの構文ではなくて、私が独自に規定したTS(タイムシート)記述式の構文チェッカーです。‥‥ほんとに、いろいろなことを30代にはチャレンジしましたわ。

 

 

 

 

とりあえず、これでしのいで、Adobeスクリプトを書きます。

 

 

 

ちなみに、私がJavaScript上でシングルクォートばかり使うのは、AppleScriptに移植する際にダブルクォートとバッティングさせないための習慣です。

 

DoScript "alert("Hello, World.");"

 

‥‥なんて、エラーが出るのがわかりきってますよネ。

 

いちいち、エスケープしないで済むので、昔から「スクリプト on スクリプト」の場合は、使い分けてます。

 

 

 


復活の日。

4KHDRだカットアウトだと言っても、まだまだ旧来枠の仕事の依頼はそれなりにあります。

 

一方、2000年代に夢中になって作ったxtools=コンポジットの作業をアシストする自動化ツール群は、2010年代にアニメの撮影をあまりしなくなったこともあり、メンテがおろそかでmacOS "Catalina"になった現在に正常に動くのか、非常に危うい状態です。

 

一番昔の更新日を見ると2006年だもん。‥‥まあ、中身は差し代わっていますが、それでも一番新しいツールの更新日ですら2016年で終わっています。新しいOSで動作しなくなったのを、コンパイルしなおして書き出しただけの更新です。El CapitanとかSierraの時代で止まっています。

 

今後の動向を鑑みるに、今から一生懸命になってアニメ撮影の自動化ツールを再構築するよりも、必要最小限の自動化ツールを延命措置して、2020年代の主力は4KHDRでハイブリッド(従来作画と新方式の)の運用技術の確立に据えたほうが良いのは明白です。

 

昔ながらのアニメのコンポジットの段取り。‥‥すなわち、タイムシートを打ち込んでタイムリマップに変換して、背景とセルを読み込んで適用して、etc‥‥という作業スタイルに対して、「最後のご奉公」というか、開発における「最後の戦い」を2020年春の期限ですべきかな‥‥と考えております。

 

私が30代の頃に、苦労に苦労を重ねて作ったxtoolsが、時代に取り残され動作しないまま、朽ち果てて終わるよりは、レストアして復活させて、これから作業する作品に役立ててフィナーレを飾ったほうが、私の中でも大きな区切りができます。

 

 

 

とはいうものの。

 

当時、Adobeのスクリプトを覚えながら作ったので、大盛りパスタのごとくのコードなのよネ‥‥。自分ながら、うんざりするほどのスパゲティ。

 

習得しながらのプログラミングは、最初からスッキリハッキリ明快なコードなんて書けんもん。

 

 

 

なので、ずっと放置していた‥‥というのもありますが、レストアすれば確実にコンポジット作業は快適になります。

 

5〜6カットの特殊カットのヘルプなら、ゼロからAfter Effectsで手作業で組んでも良いですが、今後累計で、何十、何百を作業するともなれば、やはり自動処理アシストツールのパワーは絶大です。もうアニメの撮影をメインにすることはないですが、作画からコンポジットまで一式で依頼されることは度々あるので、ツールを復活させて準備しておくのは決して無駄にはならんでしょう。

 

それに、人災もないしネ。コンピュータは、1168と指定すれば必ず1168に設定して動作しますからネ。私はケアレスミスをよくやらかすので(「1186」とか)、コンピュータのアシストはどんなに経験を積もうが頼もしい存在です。数値的なつじつま合わせは、ほとんどコンピュータに任せて、人間は映像表現を追求すれば良いので、作品作りに集中できます。

 

 

 

コードを全部精査して、若気ゆえにわけのわからんことをしている箇所は直して、すっきりと見通しの良いコードにブラッシュアップして、xtoolsのファイナルバージョンを作ろうと思ってます。

 

 


クイックアクションをもっと。

クイックアクションから直にPhotoshopやAfter Effectsは操作できなくても、AppleScript経由で全てのスクリプト制御を使用可能です。

 

Adobeのスクリプト機能をAppleScriptでラップして、Automatorのクイックアクションで実行できるのです。

 

ややこしいですが、PhotoshopやAfter Effectsの豊富なスクリプト機能がまずあって……

 

 

それをAppleScriptの「DoScript」で実行可能にして‥‥

 

 

ユーザにはAutomatorのクイックアクションとして供給する‥‥

 

 

という流れです。

 

Automatorの「AppleScriptを実行」は、外部ファイルも呼び出せるので、jsxのスクリプトファイルも読み込み可能です。もちろん、直にJavaScriptの文をAppleScriptの中に書いて実行することも可能です。

 

では、お約束の。

 

 

 

AppleScriptのdisplay dialogではなく、JavaScriptのalert()にてダイアログを表示しました。つまり、AdobeのJavaScript自動処理で動作しているということです。

 

ハローワールドではちっともAfter Effectsぽくないので、After Effectsに「PSDはコンポで、そのほかの画像ファイルはフッテージで」というちょっとしたスマートインポートを実行してみます。

 

 

After Effectsのドラッグ&ドロップでは、一緒にファイルをドロップすると、全部同じ読み込み形式になったりします。スクリプトを使えば、PSDはレイヤーを保持したコンポジションで読み込んで、TIFFやTGAはフッテージ(アルファがある場合はアルファ付き)で読み込んで‥‥と、単純な動作ではありますが、ちゃんとファイルを切り分けて読み込みします。

 

内容はこんな感じ。とても単純なIF分岐。

 

 

マウス右クリックで実行してみます。

 

 

はい、完了。

 

種別を見ての通り、PSD(=コンポで読み込み可能なファイル)はコンポジションで、TIFFやTGAはレイヤー構造をもたないフッテージで読み込みました。

 

*背景は空と山BOOKと地面BOOKのPSD、雲はTIFF、星はTGAです。

 

これを発展させれば、以前私が作っていたコンポ自動ビルドツールと同じ自動処理も可能です。背景とセルを読み込んでコンポに配置してタイムシートも適用する‥‥という流れを自動化できます。

 

今ごろ、Automatorに注目しているあたり、ちょっと間抜けなんですが、まあ、いいです。便利なものに時と場所は関係なし。

 

アニメ業界でも、映像業界でも、Macを使っている人は結構多いですよネ。仕事では業務用Windowsでも、プライベートではMacBookやiPadを使っている人を数多く見ます。

 

クイックアクションは右クリックで呼び出せて、いちいちマウスを大きく移動させる手間がないので、地味に快適になりますヨ。

 

 


PSD、Clip、連番ファイル

私は、4年以上、Procreateで原画を描いていますが、Procreateでやりとりできるなどとは思っておりません。ごく内部の同じフロアのチームならOKですが、一般的なファイル形式であるわけがないです。

 

なので、ProcreateからPSD形式で書き出して、互換性をまず確保することになります。

 

ただ、PSDはそれはもう、みなが好き勝手にレイヤー構成している状況。無法地帯です。

 

だからと言って、細かい仕様を決め込みすぎると、それはそれでガッチガチになって運用が難しくなります。そもそも、原画って、時にはAセルのみ、時にはABセルを1枚に書き込み、時には注釈もつけたりで、紙の時代から綺麗にセルごとに分割されているわけではないです。

 

レイヤーフォルダ(正式名はLayerSetオブジェクト)にAセルを入れようと思っても、たまにABCセル書き込みになった場合、果たしてそれはAセルと言う名のレイヤーフォルダに入れるべきなんでしょうかね? Bセルのレイヤーフォルダの中がスカスカに番号抜けしてたら、逆に混乱すると思いますし。

 

紙の原画の作法を踏襲している「デジタル原画」なら、紙に倣えば良いと前々から感じてます。タイムシートに原画を挟む時に、AセルBセルごとにクリップやホチキスで留めたりしませんよネ。

 

ですから、レイヤーフォルダでセルごとにまとめるよりも、PhotoshopでPSDファイルを開いた時のレイヤー並び順が、まるで紙に挟んでいるが如くに整然と並んでいれば良いと思います。レイヤーフォルダの使い道は、1枚の絵が複数レイヤーに分割された時に、1つの絵としてまとめる時で良いんじゃないかな‥‥と最近は思うようになりました。

 

で、そのようにPhotoshopのスクリプトも作ってあります。レイヤーフォルダの第何階層まで掘るか‥‥という深度を決めています。

 

 

 

と言うのは、限定的な話題です。

 

もっと大きな話題。

 

結局、「デジタル作画のやりとり」には、何の形式が共用(公用)に向いているか。

 

‥‥が一番大きくて深刻で厄介な問題です。

 

私は、

 

「デジタル作画」ならclip形式でいいんじゃない?

 

‥‥と思いますけどネ。Clip Studioだったら、導入のハードルは地べたを這うが如く低いでしょ。

 

「デジタル作画」=紙作画のスタイルを移植した作業内容なら、Clip Studioが最適だと思いますけどネ。導入&維持コスト、性能ともに。

 

でも、皆がClip Studioを所有しているわけではないので、clip形式は環境によっては全く開けないファイルなのです。

 

Clip Studioは2020年代、アニメーター必須のソフトウェアとなるか、こればかりは誰も決められません。予測もできないです。

 

 

 

一方、新時代の作画技術を導入して、4KHDRや60pにも対応して、未来のデファクトスタンダードを獲得する目的なら、今のところ、Toon Boom Harmonyが最適とは思います。

 

Harmonyは、階調トレス、カラーアートやオーバーレイなどの複合レイヤー、デフォーマー、マスターコントローラ、ノードスタイルのUI、XYZの立体的なカメラがデフォルト‥‥と、日本のアニメが手を出せずにきた要素をふんだんに装備していますから、新しい技術スタイルでこそ真価を猛烈に発揮します。新しい脳みそ=作画に対する新しい思考形態が使う側に必要です。

 

 

 

とはいうものの、アニメ業界の暗黙の総意としては、しばらくはまだ、紙スタイル・フィルム撮影台スタイルの映像制作を続けようとしているわけですよネ。

 

だったら、例えば原画作業なら、

 

  • PSDで一つにまとまった原画ファイル
  • 全ての原画枚数がフラットに見渡せる連番ファイル(最高画質のJPEGかTIFF。TGAは解像度情報がないのでNG)
  • タイムシートをファイル内部にもち、すぐにパラパラと動きが見渡せるclip形式
  • プレビューのムービーファイル(m4v、mp4が良いと思います。容量は軽いし互換性が高い)

 

あたりを整備しておけば良いと思います。

 

うわ〜‥‥テンコ盛りだな‥‥と思うでしょうが、私もそう思います。過渡期ゆえの、内容が重複した無駄リソースです。

 

しかし、現状の「デジタル作画」は1つの形式に決めきれないんだから、様々なケースに対応すべく、書き出しの自動化なども活用して対応するしかないです。

 

スクリプトを作って自動処理すれば、例えばクイックアクションなら、Automator => AppleScript => Finder => Photoshopの流れで、手作業だと異様に面倒な原画上がり画像セット書き出しも、PSDから自動生成できます。

 

 

過渡期は、自動処理や運用法など色々工夫して対処しないと、煩雑な作業に心身を喰われます。

 

 

 

ちなみに、去年は原画>演出>作監>動画>動画チェックと作画絡みをClip Studioでフローしたスタイルも実践しました。とてもスムーズでやりやすかったですよ。

 

それでも、動画作業で使う色鉛筆の16進数の値は何がOK?とか、ペイントマンとの互換性を検証したり(何色まで認識できるのか)とか、一筋縄ではいきませんでした。

 

ソフトウェアや環境がバラバラなら、もっと一筋縄ではいきません。なので、少なくとも今は、いろんな受け渡し方法に対応する必要があります。

 

 

 

TVPaintは、去年アプローチした際にちょうど代理店が日本からなくなった時期で、レスポンスが非常に悪かったのが災いして、全く使っていません。一時は試しに導入してみて、4Kでどうなるか、テストしてみようと機運が高まっていたんですけどね‥‥。

 

加えて、やはり去年の同じ頃、TVPaintを導入している会社に外注のアプローチをした時に「4Kのタブレットをそちらで用意して供給してくれないと、作業は難しい」と言われて、さらに遠ざかることになりました。私はiPadで全ての4Kの原画・作監の作業をしたので、2.8Kでも4Kの作業はできるんだけどね‥‥。Clipで動画を引き受けてくれた外注さんは、おそらく2〜2.5Kで作業したはずですし。1〜2カットのために、4Kタブレットを用意して貸し出せ‥‥というのは、さすがに呑めませんでした。

 

たまたま、その会社の担当者の対応の「めぐりあわせ」かも知れませんが、そうこうしているうちにClip Studioで4Kが作業できることが検証できて、TVPaintを4Kで使う話は消滅しました。‥‥ちなみに、スタイロスで4Kは困難の連続で実質NGでした。

 

わたし的には、Aura時代から馴染んで、旧知の知り合いもAura時代からの凄腕の使い手だったりして、決してTVPaintそのものは難ありとは思ってないんですが、悪い要素が重なっちゃったよなあ‥‥。2020年の今となっては、どうせお金を出すのなら、もう少し出して、カットアウトに完全対応しているHarmonyのほうが魅力がありますし。

 

TVPaint社は2020年の現在も日本の拠点はないのだろうか。中国に拠点があっても、なあ‥‥。セルシスもToonBoomも、拠点は日本国内にしっかり存在してますよネ。アマチュアがフリーウェアを使うわけではないので、その辺は重要なポイントです。

 

 

 

2020年代、「デジタル原画動画」を取り巻く状況はどんどん変化していくでしょう。

 

その変化に追随していくには、かなりの柔軟性が必要です。

 

しかし、柔軟に対応するがあまり疲弊してしまうことは、容易に想像できます。ユラユラ揺れる船の上で船酔いするかのごとく。

 

ならば、多少揺れても、水平を保つスタビライザー的な仕組みを考えないと、体がもちませんよネ。

 

幸い、使う道具はコンピュータなので、スクリプトなどの自動処理で揺れを吸収することはできましょう。

 

コンピュータゆえに揺れるのなら、コンピュータで揺れを吸収するのも、手の1つですネ。

 

 


コンポーネント

たとえ小さなスクリプトを作成する際にも、同じサブルーチンを何度も繰り返し書くのは非効率である上に、メンテナンスも煩雑になります。

 

例えば再帰処理を毎回書くのはいかにも面倒ですよネ。なので、共通したルーチンは、コンポーネント化して集約します。

 

AppleScriptは他の言語同様、外部のスクリプトを読み込んで活用できます。以下みたいに。

 

set myCOMP to load script file "Macintosh:components.scpt"

display dialog myCOMP's getFileList(folder "Macintosh:Folder:")

 

とは言うものの、最近のmacOSは、昔のようにユーザが自由にイジれる仕様ではなくなっています。以前は可視だったシステム関連のフォルダは不可視になって久しいです。

 

たとえば、クイックアクションで使うルーチンのコンポーネントをどこに置いておけば良いか。

 

簡単な方法としては、クイックアクションのファイルと同階層に置くのがいかにもわかりやすいです。

 

しかし、果たしてクイックアクションのファイルから見て「同階層」とはどこになるのか。クイックアクションに内包されるAppleScriptから呼び出すので、「ユーザ/Library/Services/」を示す結果となるのか。

 

 

‥‥‥‥。どこ?

 

おそらく、Automatorのパッケージファイルの中の深いところでしょう。

 

そりゃそうか。クイックアクションのファイルはそれ自体は実行ファイルじゃないもんな。「path to me」すれば、実行ファイル自身のパスを取得するのは当然か。

 

runner.xpcという実行ファイルに頼っているようですネ。でもまさか、Automatorのフレームワークの中に私独自のファイルを置くわけにはいくまい。アップデートのたびに消される可能性大。

 

う〜ん、どうしようか。

 

 

 

コンポーネントをどこかにおいて呼び出すことは簡単ですが、どうせなら、Application Supportとかに置いて、クイックアクションだけでなくスクリプトメニューやレンダー庭園(仮名)とも共用したいです。

 

しかし、従来のApplication Supportだと、マシンローカルに限定されます。Catalina以降は色々と実行許可もキビしいし。

 

むしろ、Apple IDを活用して、iCloudの特定場所にしたほうが良いかな。

 

そうすれば、同一のApple IDを使う限り、どのマシンでもコンポーネントが呼び出せます。

 

 

 

では、iCloudって、どんなパスになるんでしょう。

 

/Users/ローカルのアカウント/Library/Mobile Documents/com~apple~CloudDocs/

 

「com~apple~CloudDocs」というのが、見慣れないですが、Finderが認識できるiCloudのパスはソコみたいですネ。

 

なので、「home」(AppleScriptでのユーザホームフォルダのエイリアス)でユーザのローカルパスを取得して、「Library/Mobile Documents/com~apple~CloudDocs/」を連結し、あとはコンポーネントファイルの以下のパスを連結すれば、毎回変わらず特定できそうです。

 

/Users/ローカルのアカウント/Library/Mobile Documents/com~apple~CloudDocs/コンポーネントのパス

 

これでiMacからもMacBookからもMac miniからも、コンポーネントが呼び出せて、コンポーネントを編集して機能アップすれば、全台のMac端末に反映されます。

 

試しにTIFFの変換スクリプトを移植がてら、正常に動作するか試してみました。

 

 

 

無事、TIFFファイルが書き出されました。

 

 

 

随分と自由なファイル名ですが、クォーティング(quated form)してShellに投げるので、正常に処理されます。もちろん、仕事の時は、こんな名前は一切出しませんし、仕事用のリネームスクリプトも色々用意しています。それこそ、CODE39の文字に丸めるスクリプトとかネ。

 

*「安全な文字列に変更」というスクリプトも随分前に作りました。

 

 

クイックアクションはいっそのこと、Library/Servicesもクラウドで共有できると楽なんですが、まずはそこまでしなくても良いか。

 

今頃になって、Automatorを使い始めるのも何ですが、右クリックで素早くJPEGやTIFF、連番リネーム、項目のリストなどが取得できると、作業が地道に捗ってストレスが軽減されます。

 

「こんな感じの絵です」みたいな途中経過の画像をメールで送る時に、まさかPhotoshopを立ち上げてJPEGに変換するなんて大げさな手間はしたくないですよネ。右クリックでJPEG変換できれば楽です。

 

クイックアクセス用途だけでも、まずはAutomator重宝。

 

 

 


有利とか不利とか。

何を選んで、何を覚えて習得すると、後々有利か。

 

そんなことばかり考えている人は、そこそこ多いように思います。

 

でも、一番不利なのは、

 

何が後々有利かを考え続けて、結局何も身に付かず、5年10年経過すること。

 

だと思うんですよネ。

 

2000年代の10年間に何ができた?

 

2010年代の10年間に何が身についた?

 

「これがいいかも知れない」「あっちのほうが有利かもしれない」と、何ひとつ成果を出さぬまま、目移りするだけの年月は、有利不利で言うならば、かなり不利ですよネ。まさに「利」を得られなくて、耳の大年増になっただけ。

 

 

 

たとえ、40、50代になっても、10年の浪費はキツいわ。取り返しがつきません。

 

20、30代もせっかくの吸収力の大きい時期に足踏みしているだけなんて、自分の人生のリアルをずいぶんと無駄にしています。

 

「これはいけるかもしれない」

 

‥‥と思ったら、たとえ1年間だけでも、熱中して取り組んでみるのが良いです。他人から「こっちのほうが有利だよ」とか言われても、まずは取り組んだことで成果を達成することです。もちろん、自己満足で終わらないように、ちゃんと実用化して表に出しましょう。5カットでも10カットでも、自分の取り組んだものごとの成果を作品に表しましょう。

 

やっぱり、言われた通りに、あっちのほうが有利だったかも‥‥

 

‥‥と後々で思っても、実は1つの取り組みを成し遂げた経験は、その後の新しい取り組みに極めて有用となります。尻切れトンボで終始していては得られない、大きなノウハウを自分にもたらします。

 

私はスクリプトはAppleScript、GUI付きのソフトウェアのプログラミングはREALbasicで覚えました。今から20年前の話で、アニメーターとコンポジターの本職の傍らで習得しました。

 

AppleScriptなんて今では隅っこも隅っこ。REALbasicって今でも存在しているのか判らないほどです。でも、その2つを習得して色々なプログラムを自作した後で、他のXcodeとかPHPとかAfter Effectsのエクスプレッションやスクリプトなどを使った時に、

 

あれ? これ、何が書いてあるか、何を書けば良いか、解るぞ。

 

‥‥と自分でも驚くくらいに内容が理解できました。つまり、「読解力」「構成力」がAppleScriptとREALbasicを通して、知らぬ間に身についていたのです。

 

 

 

最初のうちは右も左もわからんです。

 

何をすれば良いのか、何を選べば良いかで、色々と迷うものです。

 

しかし、迷うことに2年も3年もグズグズ費やして、振り返ってみたら、10年間、何も覚えられないままだった‥‥なんていうのが、一番悪いです。

 

良き方向を模索して、むしろ、悪しき方向に進む

何が良いかで悩み続けて、どんどん悪くなる

 

そんなことになるのだったら、たとえ最短の直線距離で到達できなくても、何度も曲がって確実にたどり着いたほうが良いです。

 

 

 

周りを気にしてばかりいると、結局、何も得られず、おこぼれしかありつけませんよ。

 

一家言とまではいかないにせよ、目標を達成できたノウハウがあれば、次に繋がっていきます。

 

2020年代の10年間を、また目移りだけで過ごしてしまって、良いのでしょうか。

 

「デジタル作画」だって、ソフトウェアを日常の仕事道具にする、ペンタブで絵を描いてお金を稼ぐ‥‥というノウハウを得られるわけですから、決して紙作画の刷り直し的な面だけでなく、善き点も多く含んでいます。「デジタル作画」でコンピュータとペンタブの扱いに慣れれば、次にはもっと大きなステップアップが可能になるでしょう。

 

揶揄ばかりして何も行動しないのが、一番マズい。

 

展示会にいって現在の動向を見聞きするのは良いですが、それだけで満足しては何も進展しません。

 

アニメーターの人ならわかると思うけど、見聞きしただけで絵が上手く描けるようになった? 他のジャンルだって同じです。見聞きしただけで上達したり習得できるほどチョロいもんじゃないです。

 

 

 

損得は後でも調整できます。路線変更も後で可能です。しかし「行動すること」は、今開始しないと何も始まりません。

 

今のご時世、世代や時代や社会に関連付けた「できない理由」を取り上げる記事やツイートが多いように思いますけど、自分の運命は自分でも大きく変えられます。

*例えば、「ロスジェネ」=「こんなに酷い目にあったから社会に復讐だ」みたいなツイートではなく、むしろ同世代の励みになる「ロスジェネで辛酸も舐めたけど、今はこういう新しいことで道が開けた」みたいなツイートをしたほうがどれだけ有用か。私だって、「アニメ業界にいたからバブルなんて関係なかった。バブル世代がみな勝手放題だったなんて事実誤認の幻想だ。」みたいな記事を延々としつこく続けて書かんですよ。むしろ、アニメ業界の悲惨な作画単価があったがゆえに、どう言う風に思考して新しい方法論を実践してきたかを書き続けています。

 

自分自身で行動を開始して頑張りましょう。そうすれば、自ずと、そういう人たちが集まって、新たな何かが始まります。私は今まで、そういう体験を何度もしてきたので、2020年代も同じことが起きることが普通に予感できます。昔を振り返って、「よくまあ、あの狭いスペースにそうそうたるメンツが肩を並べていたもんだな。」と思っても、実はそれは偶然ではなく必然なのです。

 

私はまた色々な新しいことを始めようと思っています。昔から温めたアイデアを形に変えていくには、2020年はちょうど良い年です。もちろん、従来の仕事〜原画の仕事はすぐに控えているし、劇場のVFXの仕事もありますし、不思議なテレビの仕事も準備中ですが、それとは別に、新しいことはやります。

 

何かやろうと思っているのなら、老若男女分け隔てなく、2020年は良いスタートの時期ですヨ。

 

 

 


フレーム補完と自動中割りの共通限界点

Dain-Appという興味深い技術が紹介されていますネ。

 

AIを駆使してアニメや映画をヌルヌル動かしてくれるフレーム補間ソフト「Dain-App」

https://gigazine.net/news/20200121-dain-app/

 

自動中割りというよりは、フレーム補完技術の流れですが、テレビの60fps補完機能と違うのは、もともと3コマ打ち=「8fps on 24fps」の映像まで60fpsに補完している点です。

 

従来のアリゴリズムですと、24fps映像の中に部分的に8fpsが含まれていると、カメラワークだけが60fps化されるなど、画面の中で8fpsと60fpsが混在する補完になっていましたが、Dain-Appのデモを見ると、3コマ打ちシートのキャラの動きも60fpsで動いていますよネ。正直、ソレができるとは思ってませんでした。AIのなせる技?‥‥なんですかね。どんどん技術は進歩しますネ。

 

映像内容を細かく観察して、

 

背景のスライドは24fps

 

だと認識し、一方、画像の特定部分=人物の部分とかは、

 

111222333444555666777888の3コマ打ち=8fps

 

‥‥と、同じ絵を3回使いまわしている動きであることは、少なくとも人間の知能なら分析できます。

 

同じ分析をDain-AppのAIでおこなっているかは、アウトサイダーなので不明ですが、映像を見る限りは達成しているように見えます。

 

この点は純粋に評価すべき点と思いますヨ。

 

 

 

‥‥で、制作現場で現役のアニメーターなら、すぐに目につきますよネ。

 

均等割りになってしまっていること

 

割り間違いが随所に散見されること

 

‥‥を、です。

 

実は、これは自動中割りでも同じ障害がありまして、ゆえに、私は自動中割り(ピクセルモーションによる画像補完)を現段階では極めて限定的にしか使わないのです。‥‥ちなみにカットアウトは自動中割りとは別の技術ですよ。

 

自動中割りと、Dain-Appが、同じ限界でつまずいていることは、注目すべきことです。

 

自動中割りのデモでたまに見るのが、炎の動きが下に送られて、上下上下を繰り返す動きになっているテクニカルエラーです。千切れた炎は下には戻らんですが、形が似ているから、間違うんですよネ。

 

 

 

‥‥で。

 

人間も同じミスをすることがあります。

 

人間でも、初心者や、やっつけ仕事のタップ割り・均等割りだと、同じ結果になるのです。

 

上述の炎の中割りも、新人が理屈も考えずに、周辺の似た形に中割りしてしまい、動画チーフに「普通に燃えてる炎って、下や真横に向かって動くかい?」と指導されます。昔からエフェクト作画で新人がやらかす「あるある」ネタです。

 

下図は極端ですけど、割りミス・割り間違いの典型です。

正しい動きは下図。

 

 

同じミスをするのに、人間もコンピュータも隔てなし。

 

興味深いですネ。

 

人間だと、こんな中割りはしない!‥‥とか言いがちですが、人間でも知識と経験が及ばないと、自動中割りやDain-Appと同じ結果物を作ってしまうのです。

 

例えば、キャラの各パーツそれぞれ異なる動きの流れ(それぞれのツメ)を見極めることって、動画作業者の中堅以上のキャリアでないと難しいです。

 

ゆえに、自動中割りもDain-Appも、そして初心段階の人間の動画作業者も、中割りは均等で綺麗なんだけど、動きがチグハグになるのです。

 

 

 

実は、初心者から中堅以上のレベルに上がるためには、「自分の中の、技術的特異点を通過する」必要があります。

 

あ‥‥なんか、解ったかも。

 

‥‥と、突き抜けて、向こう側へと繋がった感覚‥‥とでもいいましょうか。

 

オカルトみたいな表現ではなく、もう少し現実的な表現で言うと、動き=運動には、近似性があって、重量やスケールの大小こそあれど、皆、似た形や運動をしていることに「まるで一線を越えたように、すっと理解できる瞬間」があって、その近似性を応用できることにも気づく‥‥といいましょうか。

 

もっと言えば、別のジャンルに思える、絵のレイアウト、絵の色彩、映像の抑揚、音楽の旋律やリズムは、みな近似しているのです。‥‥あれ、もっとわからなくなっちゃいましたかね‥‥。

 

After Effectsのキーフレームのカーブを設定する時、初心者の人はめちゃくちゃなカーブを設定しがちですが、見ていて心地よい映像は、キーフレームのカーブだって、まるで猫の背中のカーブを描くようにゆったりと滑らかなんですヨ。

 

 

*キーフレームのカーブは、絵を描くのと同じです。激しい変化を求めていないのに、ちぐはぐでガタガタなカーブになれば、映像だってガタガタで不自然になります。猫の滑らかなボディカーブが描けるのなら、その描き方を頭の奥でイメージして応用すれば良いのです。

 

 

「間(空白)を表現する」「様々な動きの中に、自然界法則の暗喩を見る」ということを、AIにも学んでもらわないと、その先の「人間だけが表現していた領域」には踏み込めません。

 

やっつけ仕事の粗い内容はAIにもできるでしょうが、監督・演出の人に「そうそう!この雰囲気が欲しかったんだよ!」と言ってもらえる完成物には、ほど遠いものになります。

 

 

 

AIではないですが、「フレーム補完」「自動中割り」について、ずいぶん前に、こんな映像をテストしたことがあります。

 

技術的なハードルは高くて、原画から動画へと映像を作れるか‥‥というお題です。

 

原画の絵のタイムラインはこうです。

 

 

 

期待する結果はこうですよネ。24fpsフルモーションの場合。‥‥カットアウトで動かしているので、普通に動きます。

 

 

8fps(3コマ打ちの場合)では、以下のようにパタパタとした可愛い感じに動きます。これもカットアウトです。

 

 

 

でも実際に「自動中割り」「フレーム補完」で処理してみると、以下のようになりました。原画のコマの絵から、ピクセルモーションで「自動中割り」した結果です。原画枚数だと絵(フレーム)が少ないので、「中割りの絵に大問題」が発生していますネ。

 

 

まあ、面白いっちゃあ面白いんですけど、リテークですネ。

 

でも、この結果を笑ってもいられないですよ。80年代のアニメで、ハンドルを切る手の動き(手を交差させて回転させる動き)で、腕が3本になった動画(当然、人間が描いた)が放送されたことがあるらしいです。昔話じゃなくて現在でも、キツめな「作画崩壊」は似たような状況ですよネ。

 

動画を自動化する「無人動画」‥‥なんて期待している人もいるかも知れませんが、原画枚数を描きまくって、処理アルゴリズムが正常に処理できるようにしないと、無残な結果に終わります。動画工程は、清書する時にも、絵を動かす時にも、極めて「人間の処理能力」を要するのです。

 

ちなみに、既に8fps=3コマ均等に動かしたのちに、ピクセルモーションで24fpsに補完すると、キビしい部分はまだあるものの、相当マシになります。Dain-Appはこのジャンル(低いフレームレートを補完する目的。アニメ作画の自動中割り目的ではない。)の進化系と言えそうです。

 

 

ゆっくり動いている部分は、ミスなく「中割り」してますネ。‥‥あ、空との輪郭部分は、ちょっとブルブル震えて危ういですネ‥‥。

 

 

 

‥‥なので、60pを目指すのなら、最初からクリエイティブの人間が、60pを意識して作品を作るのが良いでしょう。

 

60pはものすごく難しいですよ。3コマうちでパタパタ動かしておいたほうが、ぶっちゃけ「様になり」ます。

 

60pでアニメの絵を動かすのは、アニメーターにとって前人未到の領域と言っても、大袈裟ではありません。

 

フルアニメーションを作りたいなら、最初から24fpsや60pの動きをアニメーターが作り出さないと、単に中枚数だけが増えた「チカラのない映像」になります。

 

3コマの動きが描けたからって、フルアニメーションで上手く描けるとは限りませんよネ。

 

ぐりんぐりんカメラが回り込んで背動で‥‥みたいな派手なカットは24コマのフルも映えますが、日常芝居で24コマや60pを自然に見せるには、相当の経験と知識が必要です。

 

でも、できないことはないと思っています。経験と知識が必要なら、積めば良いのです。‥‥今までだって、そうやって克服して自分たちのパワーにしてきたんだもん。できないことはないはずです。‥‥が、4KHDR60pでは、さすがに紙で一枚ずつ描くのは、もう無理ですけどネ。

 

 

 

私はDain-Appをむやみに否定しようとは思いません。使い所だと思います。

 

とはいえ、深夜枠のアニメを60pに変換する用途なら、Dain-Appはなんと悲劇的な宿命を負わされていることか。スマートアップスケーリングと中間フレーム画像補完に頼るアニメ業界になるのなら、もう自滅を待つばかりとも思います。

 

現場の作り手側も、Daim-Appの映像を見て、単に拒否反応しか沸かないのなら、既に発想力の老化が始まっているとも思います。確かに「ソープオペラ」は不快かも知れませんが、60pの動きの中に新たな可能性を全く見出せないのなら、過去の思い出と余生を過ごす御隠居様と同然です。

 

人間だって、能力の活かしかた次第じゃないですか。

 

マシンや技術も同じです。

 

バブル世代もロスジェネ世代も、ゆとりもさとりも、無名だろうがベテランだろうが、出自も経歴も関係なく、結局は「今、何ができるか」そして「未来、何ができそうか」が重要です。

 

アニメはこうあるべきものだ。‥‥と発想が固まったら、それは硬直が始まった死体と同じです。

 

生き続けるために、未来の空気を吸いましょう。

 

 

 

Dain-Appと自動中割りの共通した限界は、この先、突破できるのか。

 

コンピュータが自力で俳句を詠める(先人の詠んだフレーズの組み合わせでなく、オリジナルのフレーズで)ようになれば、アニメの絵が「なぜ、そのように省略され誇張されているか」を理解でき、絵も描けるようになると思いますが、そうはなりませんよネ。

 

そもそも「絵を描ける」ようにならないと、動画の中堅以上の技術を要する作業は無理ですよネ。

 

多分ね‥‥。AIがそこまでできるようになったら、AIは自我に目覚め、自我に悩み、恋もするだろうし、時には自分で死を選ぶこともありましょう。観念めいたことを言うようですが、人間が人間の心を揺り動かす絵を描けるのは、自我があるからです。そして、その自我は動画作業にも必要です。

 

アニメ絵は単純化されているから、コンピュータでも絵を作れるだろ‥‥というのは、絵を知らない素人の考えです。

 

実際に描いてみなよ、自分で。‥‥服のシワひとつ、初心者じゃカッコよく描けないからさ。

 

私の予測では、コンピュータ(AI含む)は、人間の表現力を期待する内容は無理で、単純な均等割りやタップ割りで済む範囲に限定されると思います。つまり、有力な作業力にはなるが、人間の能力と同等を期待しない、コンピュータ・AI向きの作業を「手分けして作業する」のが善き使いかただと感じます。

 

実際の話。‥‥After Effectsで、撮影も現像もやってるでしょ。撮影台にフィルムを装填したり台をハンドルで動かしたり、現像液で現像したりという手間は、コンピュータに任せたでしょ。その拡大版だと思えば良いのです。

 

表現の中核は人間が担う。

 

単純な作業はコンピュータがアシストして稼ぐ。

 

 

 

問題は、「単純な作業」と言われる中にも、人間の技術力の育成に必要な要素が多く含まれていることです。

 

それをコンピュータに任せると、基礎が形成できない人間ばかりが溢れる‥‥という事態も懸念されますよネ。

 

つまり、技術のスケーリングにおいて、ミッシングリンク部分が生じます。

 

かと言って、例えば今、撮影のスタッフを育成するのに、フィルム撮影台から現像まで実習させないですよネ。

 

ベテランや中堅が、2020年代以降の新しい育成法を考えないと、根性論だけに終始するアホな現場になります。

 

40〜50代の人間は、昔の殻に閉じ籠るのではなく、積極的に新しい技術を「肯定」して、自らの経験値と合体させて、後進の指導と育成にあたるべきだと思いますが、いかがでしょう。

 

新しい技術が出てきたら、無下に否定するのではなく、自分の思考における新しい論点にするくらいの気概が必要だと、私は思います。

 

 

 

でもまずは‥‥。

 

自動中割りとカットアウトの差ぐらいは知っておくところから始めた方が良いです。

 

カットアウトはそれこそAfter EffectsCS6でもできるんだから、「機材がないからできないし知らない」なんてウソです。

 

私はミラードライブドアのMacG4の頃から自宅でカットアウトの自己研究を開始してましたし。

 

じゃないと、都市伝説まがいの「自動中割りもうすぐ実用化説」に惑わされますよ。

 

 

 

 

 


クイックアクション

‥‥といっても、QARのことではなく、macOSのFinderの右クリックメニューの「クイックアクション」です。

 

前々から、ここに自分で作った数々のプチスクリプトを呼び出せるようにすれば便利だなと思っていました。ファイル名を大量に置換したり、ファイル名を番号でリネームしたり、JPEGやTIFFに変換したり‥‥と、昔から自分で作りためた単機能のスクリプトは、クイックアクションで現代のmacOSでも活きると感じてました。

 

でも、どうやれば、自分でクイックアクションを作れるのか。何となく、調べもしないまま、月日が経ちました。

 

たぶん、Automator。

 

Automatorを使えば、macOS時代のサービスに対応した自作のスクリプトが作れるのではないかと、重い腰を上げてみることにしました。

 

普段は全く使ってなかったAutomatorを起動して、新規書類の一覧を見たら、あっけなく、その機能がありました。

 

 

欲しかったそのまんまの書類=「クイックアクション」対応のファイルが作成可能みたいです。

 

 

 

では、実際にどうするのか。

 

私のプチスクリプトはAppleScriptで実行可能になっていますので、そのスクリプトの中身を移植すれば良いのですが、単純にコピペすれば良いって話でもなさそうです。

 

いろいろ試した結果、「こうすれば良い」というのがわかりましたので、ここでご紹介。

 

自分で作ったクイックアクションは、自分のライブラリの「Services」に保存されます。

 

 

Finderは自動でServicesの中のクイックアクションを認識するはずです。しかし、クイックアクションの内容に合わせて提供する仕組みなのか、単純に保存しただけではクイックアクションのメニューに表れません。

 

右クリックしてクイックアクションを呼び出しても、「てすと」が表示されません。

 

 

Finderが処理すべき内容であることを、クイックアクションのオプションで指定する必要がありそうです。

 

以下のように設定してみました。

 

 

そしたら、出ました。

 

クイックアクションの仕組みにおいて、どのアプリのどんな項目が対象かを、上図のオプションで指定すれば、Finderでファイルやフォルダを選択した状態のクイックアクションのリストの中に表示されます。

 

 

 

クイックアクションは、どのアプリケーションでどのオブジェクトが対象かを、それなりにちゃんと判断するので、ファイルやフォルダを対象とするのなら、「認識させるためにも」上述のオプション指定は必須になる‥‥みたいですネ。

 

たとえ選択項目を処理する場合(=ファイル選択のプロンプトを経なくても)は、「自動(ファイルまたはフォルダ)」を選んでおくと良いみたいです。

 

Finder上でファイルやフォルダを選択した時点で、入力ソースの指定は終わっていますので、「このアクションの入力を無視」にしてもちゃんと正常に処理が進行します。

 

 

ちなみに、サブルーチンも使えます。いつも通りに。

 

 

残念ながらpropertyは設定できるものの、前回の値を記憶せず、毎回初期化されるみたいです。その点は注意点ですかね。

 

 

 

このブログに掲載する画像は、必ずJPEGに変換してアップロードするのですが(WikipediaやAmazonは直接リンク)、項目を選択して右クリックで簡単にJPEG変換スクリプトが呼び出せれば手軽で良いなと思っていました。

 

クイックアクションで呼び出す方法を調べぬまま今まで来て、ようやくそれが今日可能になりました。‥‥もっとはやくやっとけば良かった。

 

こんな感じに簡単に変換できるようになりました。自作のJPEG変換スクリプトを実行してみます。

 

 

 

変換後にオリジナルとペアになるように、単純に変換前のファイル名に拡張子をつけてますが、もちろん、行儀の良い名前で変換もできますヨ。

 

 

新規項目の命名規則は自分で好きなようにプログラムできます。

 

アイコンがスクエアになるのはご愛敬。最近(=Catalina)、なぜかこうなっちゃたんだよネ。原因は調べてないので知りません。アイコンを作り直す自動処理まで作らなくても、いつか改善されるんじゃないかと思ってます。

>解決しました。sips上でアイコンを追加する(-iオプション)のをやめて、Finderに任せることにしました。-iオプションで生成されるアイコンがスクエアに変形される理由は未だ不明。

 

ちなみに、JPEG変換はsipsコマンドでdo shell scriptで実行してます。つまり、Automator>AppleScript>Shellという流れです。画質とリサイズが簡単なUIで指定できるようにプログラムしてあります。TIFFやPNG、TARGAへの変換も可能です。私は昔からsipsを愛用してます。

 

 

 

Automatorは使わずにきましたが、クイックアクションへの移植だけでも、Automatorは有用だと言うことがわかりました。

 

特に、AppleScriptなりシェルなりで自動処理を自作してきた人は、右クリックでも呼び出せる便利な自動処理へと、Automatorで変換できますヨ。

 

AEPファイルを選択して、ライセンスをもたない(というか、正規版の親ライセンスを継承した)レンダリングエンジン版に、aerenderでレンダリングさせるクイックアクションも簡単に作れそうです。Automatorを経由してシェルに命令を投げれば良いだけですからネ。

 

監視レンダーはAdobeの流儀にキッチリ合わせないと動作しないですが、aerenderなら「UIと編集機能のない実行専用のAfter Effects」として動作するので、コマンドさえ使いこなせば1つのライセンスで自分なりのレンダーファームを組めます。監視レンダーに束縛されずに。

 

 

 

話はズレますが(毎度のことか)、aerenderを使って、レンダーガーデン的なものを作ろうと考えています。必要は発明の母。

 

2000年前後の再来はレンダリング事情にも及んで、もはやMacだのWinだのプラットフォームなど超えて、あらゆるマシンのリソースをレンダリングに活用しないと、4KHDR時代の新アニメ技術には間に合いません。2Kテレビ作品のレンダリング時間など比較にならないくらい、時間がかかるようになります。CS6を使っていられるのもリミットが来ましょう。

 

2020年代にAppleScriptを積極的に使おうとは思いませんが、自力開発の必要性は高まるでしょう。

 

去年見たTシャツの画像で、

 

原価で欲しけりゃ自分で作れ

 

‥‥というのがありました。その通りですネ。

 

まあ、原価とまでは言わなくても、開発能力のない集団は、どんな些細な処理でも金を支払って出来合いのアプリケーションをいくつも買い揃えて、使い分けて組み合わせる手間を負いましょう。

 

でなければ、自力開発できる能力を備えるしかないです。PhotoshopやAfter Effectsはともかく、レンダーガーデンのようなソリューションは、自分たちで作っても良いと思いますヨ。自分たちが一番使いやすいように作ることができるんだから。

 

 

 

開発の旅路に終わりなし。

 

 

 



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