マシンあれこれ

今日、「3万円台Windows8マシン(新品)」のDMがアマゾンから来たので、中身を見てみると、中々の低スペックぶりにびっくり。イーサネットが100baseだったり、メモリ上限が8GBだったりと、たまにしかパソコンを使わない人向けのスペックで、安いなりには理由があるのがわかります。

私の自宅のメインマシンは、つい去年まではMac Proだったんですが、今はすっかりMac miniばかり使っています。Windows7もそのMac miniで動かしています。もともとは、Mac Proに集中していた要素を、Mac miniに逃がすつもりでの購入だったのですが、Adobe CCが2台までの同時使用可をアナウンスしてからは、Mac miniばかり使うようになってしまいました。Mac Proはやっぱり熱いしうるさいんで、「事が足りているうちは」Mac miniばかりになっているのです。編集と音楽制作だけはMac Proの担当のままですが、それはSATAの安定したHDDを頻繁に使う作業だから‥‥ですネ。

昔はよく「Macは高い」などと言われましたが、最近はそうでもないようです。もし今でも安く感じる事があれば、それは単に低いスペックのBTOが存在しているがゆえに、即物的な価格表示だけの事が多いです。たまに、同等スペックのWindowsマシンを見積もる事がありますが、意外なほど安くならないのです。昔は同等処理速度のマシンでも半額くらいになったものでしたが、今はMacが安くなったのかWinが高くなったのかはわからないですが、価格面での優勢は崩れているように感じます。‥‥なので、デカくてうるさい汎用筐体を使ったWin機よりも、小さくて静かなMac miniを買ってデュアルブート(もしくは仮想マシン)したほうが良いくらいに感じます。

Core i7, 16GBメモリ, 1TB SATA HDD, 1000baseイーサネット, 無線LAN, USB3.0 (&ThunderBolt)‥‥といったMac標準の仕様をWindowsで実現しようとすると、結局コストはMacと同じくらいになります。ただ、省電力・省スペースといった面も評価対象に入れると、Winマシンには匹敵するものが中々見つかりません。

7〜8年前、Mac G4とWin、サーバの合計数台を自室で動かしていた時はあらゆる面で居住性は最悪でした。場所を我が物顔で占拠し、各種の騒音が唸り、全機の廃熱によるプチヒートアイランド状態で冬は弱暖房でしのげるほどでした(そのかわり夏は悲惨)。昔のコンピュータは「住環境を阻害する存在」の典型だったのです。作業環境をより良く快適にするはずの高性能コンピュータが、どんどん環境全体の快適性を阻害していく‥‥という何とも皮肉なジレンマに陥っていたのです。

なので、昔は単に性能だけで選んでいた機種選定を、今ではトータルコスト・作業環境全体の快適性の観点を重視しておこなうようになりました。たまに安いPCの宣伝を見て「今、こんなに安く買えるのか」と色めき立った十秒後くらいに、昔の騒音&発熱地獄がフィードバックして「やっぱり、いいか‥‥」と冷めてしまうのです。昔の筐体のままの安PCを見ると、「あの騒音」が思い出されてウンザリするのです。タワー型のワークステーション(現Mac Proも含む)も、今では図体ばかりがデカく感じられます。

アニメーターの机にドカンとタワー型が無遠慮に設置されているのを見ると、ものすご〜く前時代的な「コンピュータに我慢する人間」の構造を感じます。また、ドアを開けて部屋に入った途端、PCの各種騒音が室内を覆っているのも、昔は「コンピュータをいっぱい導入してまっせ」というドヤ顔の雰囲気でしたが、今では「まだこんな騒音の中で人間に作業させてんのか」と感じる事しきりです。コンピュータの騒音なんて、無ければ無いほど良いと思うんですよ。コンピュータの廃熱は冬場の暖房になりますけど、騒音って役に立つ事は、多分、無いですよネ。

今度の新Mac Proはかなり小さいとか。問題は騒音ですね。発熱は高カロリーの処理を前提としたマシン設計では、ある程度仕方ないとは思っています。

編集用iMacにThunderBoltで繋がったHDDの速度をつい最近見ましたが、実測(理論値ではなく)で3〜4Gbpsとかなりの高速でした。ちなみにブルーレイは0.05Gbps、HDCAMは0.14Gbpsですので、その快速ぶりが解ると思います。静音・省電力でも、チョイスをわきまえれば、高性能な環境が得られるのが、最近の特徴のようです。マシンに関わる意識を変えないままだと、いつまでもマシンの騒音と廃熱の中に生きる‥‥しかないのでしょう。

デジタルの弱さと強さ

デジタルデータは、タフでもあり脆くもあります。脆い面の代表例は、「データ読み取りの互換性・再現性」です。特に旧式メディアに収録されたデータは、読み取りドライブが手元にない場合には、手も足もでなくなります。

私の手元にある一番古いデジタルデータ収録メディアは、QD〜クイックディスクというものです。当然、現在はクイックディスクドライブなんて売っているはずもなく、データの読み取りは困難です。
(まだドライブは捨ててないので、ドライブを物置から発掘すれば読み取れますが‥‥凄く面倒な段取りなので、もう一生使う事は無いでしょう=>捨てればいいじゃん)
*私の持つデータ収録メディアで一番古いのは、厳密には、カセットテープなんですけど‥‥手元に見つからないので(多分、捨てた)除外しました。

デジタルデータそのものはとてもタフなんですが、データを収納するメディアと「一蓮托生」なので、結果、脆くなりがちなのです。

なので、銀河鉄道999のメーテルではないですが、「体を入れ替えて」データを生き続けさせる事が必要なのです。当該メディアのフォーマットが古くなってきたら、新しいメディアに複製して移動するのです。その取り組みをやめた時点で、データは死ぬ運命にある‥‥んでしょうネ。

データの移動を怠らなければ、データはいつまでも存在します。もちろん、二重バックアップは基本中の基本です。私は1996年にマウスで描いた絵が、今でもデータとして手元にありますし、もっとさかのぼれば、PC-98のマルチペイントで描いたラクガキもデータとして残っています。もちろん、当時のメディアのままではなく、何世代もメディアを乗り継いで、現在に至ります。

20年前のデータが、全く劣化せず、今でも手元に残る。‥‥なんとタフな事でしょうか。18年前に作ったバンク素材だって、現役で使えます。1994年のデータでも、2013年のデータと並んで、共有ディスクの中に平然と存在しております。

つまりは、データをアーカイブしようと思ったら、現行の記録メディアを買い続け、定期的にデータの大移動をし続けねばならない‥‥という事です。それがイヤなら、データは捨てるしか無いスね。

また、データの保存方法を誤ると、様々な理由で開けない事もあります。After Effectsのプロジェクトファイルがその適例(昔のAfter Effectsとプラグインでないと再現できないとか)です。

当時のメディアに当時のデータのままとっておけばアーカイブは完了するわけじゃありません。ぞんざいに保管されたデータは、その半数以上が15〜20年後には廃棄物となる運命にあります。

デジタルデータをタフにするか脆くするかは、扱う当人次第‥‥という事ですネ。

4K8K、裏方の利点

4K8Kは、よく考えてみれば、さすがにもうテープで運用する事はないですよネ。

私は既にテープベースの仕事からは遠ざかっていますが、今でもHDCAM関連の仕事は周囲に沢山存在しております。

テープなんて、もう「作業場の慣習」「新規機材費カット」以外、利点なんてないもんね。複雑なメカ、高いメンテ費用とランニングコスト、前時代の画質(HDCAM)、ランダムアクセスできない点も遠い昔のフォーマットだよね。

4K8Kでようやくファイルベースだ(^D^)テープ撲滅だ(^Q^)

私にとって、ベーカム・デジベやHDCAMは、大げさな言い回しではなく、胃潰瘍寸前(武蔵境の日赤に夜間緊急外来)となる大きな原因でした。テープが無ければ、確実に睡眠時間を多くとれて、休息を得て体力を回復できたでしょうから。‥‥あたた、思い出しただけでも胃がキュウっとなってきますワ‥‥。

テープ運用って、何もかも、前時代的だもんね。コンピュータを使っている意味がほぼ無い。PCからリモートでデッキを操作‥‥なんて、懐かしい感じだよネ。そういえば昔、自宅の1/4インチのオープンリールテープやMD DATAのMTRとシーケンサー(MTCを使って)で似たような事、やってましたよ。それがまた運用が煩雑でねえ‥‥。

コンピュータデータも管理しなければ煩雑極まりないですが、工夫して自動化を導入すれば、大きく改善されます。テープ運用は、物理的に拘束される時間とメディアの管理に、どうしても手間(=時間)を持っていかれます。

テープデッキが現場から無くなれば、テープに関わる可能性はゼロになります。‥‥それはほんとに、嬉しい事です。

4k8k

4K8Kで検索すると、みな解像度ばかりで(4k8kが見出しだから、まあ仕方ないけど)、フレームレートの表記や注釈は皆無なんですよね。そしてさらには‥‥

ソニーや東芝は韓国勢への対抗策として4Kの早期普及に意欲を見せるのに対して、地上デジタル放送の移行に巨額の投資をしたばかりの民放各社は消極的。技術に絶大な自信をもつNHKは4Kに興味はなく一足飛びに8Kの開発を目指すといった具合だ。

‥‥という、予想した通りの展開。誰でも予測できるわな、こうなる事は。

なので、特に放送局の機材導入費用がネックとなり、受け手側だけでなく、作り手側のインフラもままならず、8K実現には20年くらいかかるんじゃないか‥‥と予測しておった次第です。

しかし「東京で決まっちゃった」ので、大きくロードマップが変更される予感。そして、既に迷走し始める「4K8K」。

「4K8Kを看板にしちゃう」‥‥のですか?

解像度ばかり売りにしても、一般の人々は「今のテレビがデカくなるのか」としかイメージできないすヨ。そうすると、「今の大きさで充分」とか思っちゃうよネ。

ちまたのタブレットやスマートフォン、ノートパソコンでは、しきりに「画素密度」(例えばRetina)がピックアップされて、必ずと言っていいほどレビューにも解像感が語られるのに、テレビだけは「売り方」が旧いよねえ。

4K8Kなんて売り文句オンリーで、「そりゃ欲しいわ」となるはず、無いじゃんか。

8Kのテレビって、画面が大きくなるの? ホームシアター? ああ、うちは要らないや、場所も無いし。

‥‥て、なるじゃんか。

同じ面積のテレビ画面の中で、格段に細密できめ細かい映像が、まるで「薄いガラスの向こうの現実」のように映るのが売りなんであって、解像度の数値なんて副次的なもんですよ。解像度で「何Kだ」とか言ってるのは、単に技術者・制作現場の「内輪の話」(このブログもね)であって、受け取る人間は理屈やスペックなんてどうでも良いのです。「ぐっとくるか、否か」「スゲえ、と思うか否か」です。

4k8kなんて単語を、「看板」みたいにして使うと、逆に受け取る側は萎えちゃうんじゃないでしょうか。だって、4K8Kと言われて、どのくらいの密度か‥‥なんて、現場に実際に関わっている人間でもなければ、とっさに想像できないでしょう。技術者フォーラム内で半ばスラングのようにして用いられる略語を、安易に一般向けに使うのは‥‥あまり頭の良いやり方とは思えないんだよなあ‥‥。テレビでも見ましたよ、「4K8K」という文字列。

「スーパーハイビジョン」とか「ウルトラハイビジョン」とか言っとけばいいじゃん。‥‥まあ、そんな呼称の「準備」もないまま、東京オリンピックが決定しちゃったんだろうけど。

実際、今、地デジ&フルHD液晶に馴れている日本の大多数の人が、いきなりSD解像度のテレビを見たら、「なんじゃ、このボケた映像は?」となるでしょうから、人はやっぱり「高品質なものに体が慣れて、後戻りはできない」性質を持つのだと思います。全員とは言いませんが、多くの人は。‥‥これは馴れというよりも、生理面で考えても、です。

なので、需要は確実に、潜在的にではありますが、「在る」と私は直感しています。車やバイクの馬力競争は、「公道を走るのに、そんなに馬力があっても」という論点が「現在は」成立するでしょうが、テレビに関しては「まだまだ低スペック」なんですから、いくらでも「伸びしろ」があります。画素が荒く、パカパカと辿々しく上映される映像よりも、きめの細かい滑らかな映像のほうが、ぶっちゃけ、見てて楽ですよね。昔の人は、昔の映画を、「そういうものなんだ」と思って観ていたわけですが、今日的な物差しで見るとかなり目が疲れる‥‥のはどうしようも無い事です。それと同じ構図が、今でも、程度の差こそあれ、続いているわけです。

日本人が技術者気質なのは、基本的には良い事だと思います。ただ、その技術者根性をそのままマーケットに出すのは、私は負けの最大要因だと考えています。あくまで、マジックのネタなんですから。マジックを披露しようって時に、会場にネタバラシのコピーをばらまいてどうすんのよ。

売り場で必要なのは、どれほど「これ、スゲェ」と思わせるかであって、「こんなにも高度な技術を使ってます」なんてのは、技術者指向の人間だけが受け取れば良い事です。

新聞に「4K8K」なんていう文字列が印字される時点で、早速、ちょっとつまずいたのかなあ‥‥と感じるのです。

ヘッドマウント

私は結構前(十数年前)からヘッドマウント式のモニタを使ってました。ソニーの「グラストロン」というやつで、夜中だろうが大画面・大音響で映画が見れるので、そこそこ愛用してたのです。

ただ、その頃のグラストロンの画質は粗雑で、あからさまに解像度が低く、色彩もお世辞にも良いとは言えないものでした。「画質さえよければなあ」と思う事しきり、でした。

グラストロンは着用して最初のうちは体が馴れず非常に疲労感を伴うものでしたが、やがて馴れるとあまり苦にならなくなってきました(個人差はあるとは思いますが)。‥‥思い起こせば、パソコンのモニタもマウスも、最初のうちは違和感が凄くて、眼精疲労&頭痛に悩まされ、指の関節が痛んだものでしたが、いつしか峠を越して、拡張した人体のごとくに感じられるようになりました。グラストロンもそんな感じで、不快の峠を越すと、苦にならなくなったのです。

そんな事なので、私はヘッドマウント式の「目のヘッドフォン」(?)に対して、好印象なのです。ステレオグラムならテレビではなくヘッドマウントモニタのほうが適しているとも考えています。

私の考える「近い未来、こんなのあったら良いな」と思うものは、4〜8K相当の画素数、120fpsのモーション、全視界をカバーする立体視(四角いフレームがない)で、細密な3Dレンダリングによる「仮想空間コンテンツ」です。ジャイロか何かを装備していて、顔を左右上下に動かすと、追随して視野も動く。‥‥それでフライトシミュレータをやったら、さぞキモいだろうと思います。

「SF映画の見過ぎ」「中坊みたいな事を‥‥」とか思う人もいるでしょうけど、「技術革新は軍事から」の世の習いのとおり、似たようなテクノロジのグッズは既に存在しているようです。戦闘ヘリ・アパッチの乗員の頭の動きに連動する旋回機銃は有名ですし、F-35(自衛隊でも導入計画がある)には機体各部に光学装置が取り付けられ、いわゆる「パイロットの視界の死角」の映像をヘルメット内部のスクリーンに映し出すテクノロジを実現しているようです。



DASか‥‥。昔みたSF映画の世界ですネ。
*ムービー中で散々専門用語の連呼の後、締めに、噛みそうな「エレクトロオプティカルディストリビューテッドアパーチュアシステム」を力強く言い切り、最後に「将来を形作る、ノースロップグラマンです!!」とより一層イキるのが何とも。

家庭用のヘッドマウントは、写真のようなゴツいデザインである必要は無いですよネ。そもそもボンベは必要無いし。視界を覆うバイザーのようなものと、密閉型のヘッドフォンがあれば、充分「仮想空間」に浸れます。

ただ、目の前の小さな空間に映し出すのですから、Retinaディスプレイ程度の密度だとちょっと役不足かなと思います。人間の目の解像度受容能力に対してまだまだショボいと言いますか。‥‥まだ技術向上の余地はあるのでしょうし、それは言わば「技術の伸びしろ」でもあるので、良い事だと思います。行き詰まった技術って、辛いですもんネ。幼く改善の余地のある技術のほうが、苦労は多いですが、まだまだ未来がある‥‥という事ですものネ。

私が生きているうちに、現実と見まごうばかりの仮想空間を闊歩できる日はくるのだろうか。それまで、生きていたいものです。

7年後の

私は、4K8K〜つまり次世代のスーパーハイビジョンが世に浸透していく速度は緩やかなもので、ハイビジョンと同じくらいの年月を要すると考えていました。特に8Kは、20年くらいはかかるだろう‥‥と。個々の技術の問題ではなく、インフラがおっつかないだろうと。

そんなふうに思ってたら、あれまの、東京オリンピック決定。「太いものに巻く」とはこの事よ。

もし7年後に4Kが実現できているとすれば、8Kの到来はもう少し近いものになるかも‥‥知れませんネ。インフラの発達速度って、社会の勢いで遅くも速くもなるもんネ。

私は正直、ステレオグラムは「制限が多過ぎる」ので、今の方式だと発展は中々難しいような気がしています。根本的な話になっちゃいますが、「四角い平面枠の中で立体」というのが、どうにも、ピンとこないのです。立体が真価を発揮するのは、おそらく映画やテレビの延長線上ではなく、全く別の方法論・技術の上‥‥のように思うのです。発想が「平面由来」のままで、技術的に「フレーム」がある以上は、今以上の進展はなさそうに感じるのです。まあ、これ以上は申しますまい‥‥。

平面の枠の中でしっくりくるのは、やはり、4K8Kで48〜120fpsの「スーパーモーションピクチャー」だと考えております。枠の中の絵‥‥ですからね。

ただし、同じ平面の枠の中と言っても、画素数と動きが2〜4倍滑らかだと、誰の目から見ても「異質」です。新しい映像フォーマットを見てしまうと、今見ているすっかり奇麗になった地デジですら、精彩を欠いたものに感じられるでしょう。私は48〜60fpsプログレッシブのフルモーションアニメを自己研究で試験していますが、今までの基準が覆るほどの「変わりよう」です。演出法はもとより、企画・発想まで改革が必要な技術の変異なのです。120fpsなんて‥‥。

でもねぇ。新しい映像フォーマットと東京オリンピック、そして国民の感情が、螺旋状にからみあって上昇気流を形成するかは‥‥なんとも微妙なところです。

今はさ‥‥皆、娯楽を持て余してるでしょう? これは前の東京の時とは、大きく違うよネ。

7年後の東京オリンピックによって、日本の社会がどれだけ活気づいているか。前の東京オリンピックは、敗戦国日本の国際社会復帰の象徴でしたが、今回は同じようにはならんでしょうね。WW2で日本は軍民合わせて200万人(文献によっては300万人とも)の死亡者数との事ですから、1964年東京でのオリンピックは今度のとは比べ物にならないほどの「意味」を持っていたと思います。
*ちなみにWW2での死亡者数ですが、ドイツは685万、アメリカは29万、ソビエトは2500万。全世界合計で6000万人です。J.ピムロット「The Viking Atlas Of World War II」より。学校で意図的に避けてられてきた近代史ではありますが、学校を卒業したら独学でも勉強せんとね。「1192年」の数が覚えられるんだったら、「おおよそ6000万人」の数も覚えんと。

今度の「東京」オリンピックは「失ったものを取り戻す」とか「無いものを手にいれたい」というキーワードは希薄です。ですから、国民がイケイケとばかりに新映像フォーマットを欲して、国内に一気に普及するとは考えにくいです。しかし、新しいテクノロジー「関連商品」売り出しの好機であるのも事実で、オリンピックはまさに4K8Kにピッタリのコンテンツです。Retinaディスプレイばりの高密度画素のテレビで、60p〜120pで映像が配信されれば、その違いは誰の目にも明らかでしょう。

「その先が見てみたい」という人間の好奇心は、昔も今も変わりませんよネ。私もその好奇心を持つひとりです。

しかし7年か。‥‥インフラ、間に合うんかな‥‥。

東京でオリンピック

東京でオリンピック…ということは、家電メーカーがわきわきと旺盛に活動するという事です。

家電メーカーが新しいテレビを売るには、それなりの「売り要素」が必要です。

総理大臣が4K8Kのテレビを視察したそうな。

新しいフォーマットの新しいテレビが出るという事は、オリンピックだけでなく、他のコンテンツも必要になってくる‥‥という事だすネ。

思えば過去も、そうして「でかいイベントに絡めて」アップデートしてきたんだよね。

怪優

私はゲームをほとんどやらないのですが、唯一、軽めのフライトシミュレータだけは息抜きにやります。私の好きなのはF-14(つーか、F-18, F-14, A-6, C-2, ハリアーの5機種からしか選べない)で、アメ車みたいな乗り心地がたまりません。

で、ほんとのF-14が飛ぶところを見たいとなると、トップガンとかファイナルカウントダウンを観る事になるのですが、特にファイナルカウントダウンはハイビジ(色鮮やかなマーキング)の米海軍機が総出演で、今となっては貴重な映像がてんこ盛りです。映画そのものの話のスジは、まあ‥‥いいじゃないですか‥‥。

今、ファイナルカウントダウンの飛行シーンを見返すと、いやまあ、凄い迫力です。CGに見慣れた現在の目で見ると、実写・実録のホンモノの実機がどれだけ凄みがあるのか、思い知らされます。

重いF-14が空力を駆使して、エグいマニューバを見せるカットなんかは、「実写だとなんでこんなに迫力がでるのか」うまく分析できません。実写というよりはもう、「実録」の凄み、ですよネ。

映像を頭で想像する面白さもありますが、「頭で考えてるよりも、実物は不思議な動きをする」事に、しみじみ感じ入ります。頭で考えちゃうと、飛行機はみんな行儀よく、機首を進行方向に向けて飛ばしがちですが、こういうのって(YouTube)かっこいいですネ。

このファイナルカウントダウン、日本人の私から見ると、ちょっと悲しくなる部分もある映画なんですが、基本的には「娯楽」作品です。登場人物がどんな深刻な会話をしてても、あくまで娯楽。なので、F-14が「やったるでー!」と意気込む時にVG翼が後退する描写(低速な零戦を相手にする時にはむしろ‥‥)も、気分盛り上げ演出として気になりません。つーか、この作品に理屈で突っ込むのはヤボだよネ。「スペース・トリック戦争巨編」だもの。

なんちゅうか、ポップコーンのバターの匂いがするような映画。ただ、実機が登場するシーンだけは物騒です。軍用機はその出自ゆえ、どうしても「怪優」になっちゃうのですネ。

*しかしなんだ、この映画もご多分に漏れず、零戦(テキサンだけど)の風防の脇に、奇怪な日本語モドキの文字が書かれていますネ。

コンピュータで絵を動かす‥‥という事

Photoshopがもはや「Photo」の「Shop」ではないように、After Effectsも「After」な「Effects」を施すソフトウェアでは、もはやありません。アニメ業界では「高機能撮影台」としての役割を今でも担い続けていますが、私にとっては「アニメーションの汎用ツール」であり、「撮影台」という従来の枠には収まらない使い方をしています。

前に紹介した簡単なモーションの「セル画風カット」は、After Effectsで「動画・仕上げ・撮影・ビジュアルエフェクト・グレーディング」を一括でおこなったものでした。背景は実は、自宅の駐車場です。

数年前に作ったものを見返してみると、ちょっとだけタイミングを変更してみたくなりました。After Effectsをモーションツールとして使っているわけですから、もちろん、キャラの動きのタイミング変更も可能です。以下のムービーがソレです。

安易にストレッチなんか使ってませんよ。あくまで動きの修正(中絵を抜いたり、シート変更したり、ポーズを変えたり)をおこなっています。



こうしたAfter Effectsを「After Effects以外」で用いる取り組みは、既に2005年くらいから始めており、今では未来のビジョンを持てるくらいに技術が熟れてきました。

そうした試行錯誤の中で得た、私の現在の見解としては、「セル画風のアニメは、紙の上に手描きで描くのが一番」という事です。違う言い方をすれば、「After Effectsをセル画時代のアニメの代用ツールにしたくない」‥‥とも言えます。

なぜセル画があのようなヌリ分けのスタイルになったのか、また、線画&ヌリ分けの絵を基軸として発展した動きと演出の技術とはどのようなものだったか。数々の「演出技法」「原画技法」の「発明」があり、まさに「必要は発明の母」だったわけです。「セル画と背景を撮影台で撮る」ために様々な技術発展を繰り返してきたのです。撮影台に写らない物は描いてもしょうがなかったのですからネ。

After Effectsで絵を動かすのならば、セル画にする必要はありません。演出技法も変わりますし、動きの技術もリファインしなければなりません。わざわざ「セル画時代の模倣」をする必要がないのです。

After Effectsでアニメーションを作る意味は、「旧来〜現在のアニメでは作れないもの」「セル画では作れない絵」を作る事だと思っています。なんでわざわざセル画を模倣して、世界の頂点と言っても過言ではない日本の作画技術の「ダウングレード版」を作らにゃならんのか。鳥類がチーターに陸上走で戦いを挑むような事などせず、むしろ空を飛ぶべきだと思います。After Effectsでセル画アニメの模倣をする事は、自ら「飛べない鳥」になるようなものだと思うに至ったのです。チーターやトラに憧れるのなら、鳥類は猛禽類〜ラプターを目指すべきだと思うわけです。

「空を飛ぶ」とはどういう事か。その比喩、暗喩がどうも解らない人は、まだ地上の呪縛の中にいるのかも知れません。一度、地上から目線をしばらく離してみるのも良いかも知れません。


ちなみに‥‥ですが、デジタルを安易に捉える人々は残念ながらまだ存在するようなので、注釈を追記しておきます。ここで紹介した「タイミングの調整」を早合点して、「撮影さんでもセルの動きが調整できるんだ」とか思いこまないでください。私は絵を描いた張本人で、動きのイメージもあるから調整できるんであって、アニメーション・モーションの訓練や作業経験を持たない人にムチャぶりしてはいけません。テキストエディタが使えるからって、誰でもシナリオが書ける訳じゃないでショ。「デジタルがあれば誰でも何でも出来る」と言う考えは、もうヤメにしておきましょうよ。特殊技術者として監督さん・演出さんと信頼関係(とそれに見合った報酬)が築かれているならまだしも、「デジタルだったら」というだけで、作画以外の人に作画ライクな事を発注するのは、トラブルのもとです。

弱者こそProRes4444

Appleの「ProApps」に付属するQuickTimeコンポーネント「ProRes」は、特に品質面において優れています。

そのなかでもProRes4444は、MacのQuickTime Playerでリアルタイム再生可能なのに、非圧縮映像と見分けがつかないほどの高画質を誇る、「低容量・高画質」のコーデックです。

プロの現場は、実は意外に、機材の選択は「いろんな理由で」不自由です。なので、画質がイマイチと思っていても、ファイル形式やコーデックを変えないまま、制作を続けたりします。

私の作業グループでは、ProRes422(HQ)以上のコーデックを常用しています。中でも、私が編集まで請け負うインハウスの作品では、ProRes4444基盤の12bitワークフローで作業を完結しています。(2013年現在はまだ10bitベースが多いですよネ)

自己研究など自宅で作る映像に関しても、通常はProRes422(HQ)を使い、本気のマスター映像はProRes4444を使います。After Effectsの16bitレンダリングのクオリティが、ProRes4444でより一層具現化できるのです。

ぶっちゃけ、アニメ制作現場で常用されるAvidなどの圧縮コーデックより「目に見えてハッキリと」画質が高いのです。特に暗部などの表現力は、格段に違います。

DVDやブルーレイ、地デジの視点だと、「ビットレートだけ、そんなに高くても」と思いがちなんですが、現行メディアに「映像の質」を合わせたがために、後でツブしが利かなくなった作品は、山ほどあり‥‥ますよネ。マスターは高品質に作っておいて、DVDやブルーレイ向けにダウンコン(色んな部分で)すれば良いのですから。

ProResを使うのに、高いライセンス料は必要ありませんし、とりあえずは内蔵のSATAのHDDでも再生できます。安価に環境が構築できるのに、プロ現場と同等、場合によっては凌駕する品質が得られる「弱きを助けるコーデック」なのです。1997年生まれのHDCAM(144Mbps)なんて目じゃないですよ。

ProResコーデックの入手法は、「Compressor」を買うのが一番安い‥‥のでしょうかネ。「Compressor」はMacOSX用の映像変換ソフトですが、ソフトの中(パッケージ形式になってます)を開けるとProResコーデックが見つかります。それをAfter Effectsでも使えるようにリンクしておけば、QuickTime7やAfter EffectsのoutputModuleから出力できるようになります。

個人やアマチュアの人ほど、ProRes4444を使って欲しい‥‥ですネ。せっかく苦労して作り上げる自分の作品に、マシンの都合でトーンジャンプが出ちゃうのって、あまりにも悲し過ぎるじゃありませんか。


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