佇まい

私は、50年生きてきて、ようやく絵というものが解りかけてきた感が最近あります。まだ、迷いも多く、未熟者ですが、何をよりどころにすれば良いかが、実感できるようになってきました。

 

立体的な空間、時間は、残照に留め、あくまで平面での振る舞いに注視する‥‥ということが、私の求める「絵の世界」だと自分自身を自覚できるようになりました。

 

はっきり言いまして、最終的=つまり、絵としての最終形態においては、立体の理屈など、どうでもいい。そして、現実の理屈も、どうでもいい。

 

平面上に展開し、平面上にその完成像を表すことが、絵の全てです。

 

そして、それこそが、絵の最大のアドバンテージだと心底思えるように、ようやくなってきました。

 

‥‥まあ、私にとっては、ですけど。‥‥一般論とはいいませんヨ。

 

 

もちろん、平面上に絵を展開するために、立体の把握や現実のリサーチなども必要でしょう。人々を円滑に絵の世界に引き込むために、見かけ上の理屈や立体感は(作風に応じて)不可欠だと思います。しかしそれらは全て絵の美しさ、面白さを具現化するための、単なるいち手段です。

 

私の好きな画家さんが、とあるテレビ特集番組で、手を描くために義手メーカーを訪ねて手の模型をあらゆる方向から観察していました。‥‥こう聞くと、「手の立体を把握するためだろう」とか「構造を知るためだろう」とか思いがちですが、‥‥‥違うんですよネ。つじつまや理屈を合わせるため「だけ」に、わざわざ立体を遠方まで確認しにいったのではないでしょう。

 

絵の中の佇まいを成立させるために、自分の目で存在感をできる限りクリアに観察・確認したいのだと、私は思っています。

*ちなみに、そのテレビ特集番組は、既に亡くなった人の絵を描く‥‥という内容だったので、モデル本人の手は直に観察できなかったのです。

 

途中経過として寸法の計測もするでしょうし、細部までスケッチ・模写するでしょうが、それは手段であって、目的ではないです。

 

 

私は実際、アニメの原画仕事ではなく、自分たちの新しい表現を盛り込んだプロジェクトの絵になると、制服の襟ひとつ、悩んで描けなくなることがあります。‥‥なんていいますかね、「どこかで誰かが描いたような」「慣れだけで描いた」「打算的な描写」が、自分で描いてて嫌になってくるのです。

 

たとえ最終的に1本の線で描写されようと、それは平面上で描かれる「然るべき佇まい」であってほしいわけです。

 

 

まあ、そうしたスタンスは、大量に絵を描く旧来のアニメ制作向きでないのは、百も承知しております。制作構造的に、いちいち1本の線で悩んでたら、キリがないですもんネ。

 

ですが、新しい技術においては、1本の線で延々と悩むかは別として、今まで不可能だった画風を動かせる利点があります。もう「アニメ絵」でなくても構わないのです。アニメを作るときに、必ずアニメ絵にしなければならなかった過去の足枷が外れます。

 

絵を動かす‥‥ということに対して、「まず、絵であること」が「許される」ようになるわけです。「アニメ絵以外、お断り」と門前払いを喰らうことは、新技法においてはありません。

 

腐心して描いた1本の線が、粗雑に扱われることなく、アニメーションの時間の中で動かせるようになります。苦労の甲斐もあろう‥‥というものです。

 

 

でもまあ、ゆえに、あまりにも表現の選択肢の幅が広すぎて、逆に迷う‥‥ということもあるんですけどネ。

 

まあ、ビジネスモデルも含め、色々と切り拓いていくことは多いです。

 

 

今後、もしかしたら業界の人々は、「アニメ制作のためのアニメ絵」を作り続けるために、色々な工夫をするようになる‥‥かも知れませんが、私からすれば、それはある種、競合が増えずに好都合ではあります。ライバルが少ない〜海はレッドよりもブルーなほうがやりやすい‥‥ですもんネ。

 

私ら新技術に取り組むグループは、アニメ絵でも、アニメ絵ではない絵柄でも、色々なスタイルと手法でアニメーションを作っていきます。新旧拘らず、あくまで、平面上での最終的な「絵の佇まい」を至上として。

 

悩むことも、迷うことも多いですが、それもお楽しみの内‥‥です。

 

 

 

旧来スタイルによる当面の現実的な路線、未来の様々な可能性への取り組み。

 

現実だけでは行き止まりで先が見えない、夢や理想だけでは現在から未来に繋がらない‥‥と、要するに、両方を同時に進める必要があるわけです。

 

‥‥であるならば、今は今、未来は未来‥‥で、「分けて」考えて行動すれば良いのでしょう。

 

未来を、ことさらに現在の延長線上や刷り直しによって限定する必要もないです。

 

「映画とは本来こういうものだ。アニメは映画じゃない」みたいな論調が最近話題になりましたが、実はアニメを作っている当事者も、「アニメとは本来こういうものだ。アニメ絵じゃなければアニメじゃない」‥‥みたいな暗黙の決め型に縛られているように思います。「型」に束縛されている‥‥という点で、私から見ればどっちも‥‥って、まあ、いいや、それは。

 

こと、アニメ作品の条件を考えれば、絵が動いて、話を紡いで、映像作品となる、‥‥それだけで、アニメ足り得ると私は思ってます。

 

 

*好きな画家は古今東西たくさんいるんですが、上村松園も昔から好きです。‥‥のわりには、山種には一度も行ったことがないんだよねえ‥‥。出不精だから。

アホみたいに混んでる上野美術館の企画展をみるくらいなら、常設の洋画や松園の「」をゆっくりたっぷり見たほうが、数倍幸せです。


爆速が必要

最近、ProRes4444のXQを使い始めたんですが、絵に描いたようにビットレートがさらに大きくなっています。

 

以下、Appleからの引用

 

Apple ProRes 4444 XQ
4:4:4:4 イメージソース (アルファチャンネルを含む) 用 Apple ProRes の最高品質版。この形式は、非常に高データレートで、現在の最高品質のデジタルイメージセンサーによって生成された高ダイナミックレンジのイメージの細部までを保持します。Apple ProRes 4444 XQ は、Rec. 709 イメージのダイナミックレンジより数倍も大きなダイナミックレンジを保持します。これは、トーンスケールの黒またはハイライトが非常に広い、高度な視覚効果処理の厳しい要求にも対応できます。標準の Apple ProRes 4444 と同じように、このコーデックは、イメージチャンネルにつき最大 12 ビットまで、アルファチャンネルに対しては最大 16 ビットまでサポートしています。Apple ProRes 4444 XQ のターゲットデータレートは、1920x1080、29.97 fps の 4:4:4 のソースで約 500 Mbps です。

 

 

約500Mbps=0.5Gbpsというのは、あくまで2K30pの話で、4K60pですと4.5Gbpsという「まさに次世代の転送速度」がコンスタントに要求されます(=実際に書き出したファイルの実測)。ちなみに、高画質を謳うブルーレイは0.05Gbpsくらい、Windows制作環境で常用されるAvidのDNxHD(10bit)は0.2Gbps程度の転送量で(2Kなので)、ProRes4444 XQと4K60pの組み合わせが全くの別次元であることがわかります。

 

ただ、転送速度さえ確保すれば、ProResの再生は落ち着くので、HEVCのような高いCPU性能までデコード時に要求するコーデックに比べれば、まだ使いやすいほうです。

*もちろん、サブモニタやミラーリングなど色々含め合計8K前後のモニタを繋ぐのですから、それ相応のビデオ性能は必須ではあります。

 

ProRes4444 XQの4K12bit60pって、つまりは「2K8bit30pの128倍」(RGBで大雑把に計算)なので、4.5Gbpsに収まっているだけでもスゴい圧縮効率‥‥ですよネ。

*4Kは2Kの4倍、12bitRGBは8bitRGBの16倍、60pは30pの2倍‥‥で計算しております。圧縮の効率を含めない、あくまでベタな計算上‥‥です。

 

ちなみに、以前のAfterEffectsにあった「4444 XQの色深度が『数百万色』しか選べないバグ」は、最新版のCC2018では治ってました。

 

 

 

最近、H.265〜HEVCを何回かテストしましたが、HEVCはあくまで低ビットレートで威力を発揮するコーデックみたいで、200MbpsのHEVCは再生がひっかかってダメでした。まあ、8bitにはなっちゃいますが、H.264で180Mbpsくらいで書き出したほうが保存用プレビューファイルには良さそうです。‥‥今のところはネ。

 

SATAなんかいつまでも使ってないで、M.2 高速SSDのRAID0をThunderbolt3で繋ぐような環境が、もうマジで必要になるような未来。

 

 

 

20年前もそんなんばっか‥‥でしたよ。転送速度がどうとかこうとか。

 

UltraWideSCSIって、理論値40Mbpsでしたっけ。

 

フレーム落ちしない再生環境〜「パーセプション」とか「リアリティ」とか、懐かしいですネ。

 

昔懐かしいRAMディスクなんていうのは、まさにM.2のSSDというカタチで今でも需要があるのかも‥‥知れませんネ。

 

 


ソフトウェアは先手で

ソフトウェアの限界は、新しいプロジェクトの足枷になります。ゆえに、最低でも各色10bit(1024階調)の色深度をもち、3840pxや4096pxのUHD/4Kシネマのビデオ解像度と60fpsの出力ができないと、新しい時代の技術開発には不適格です。

 

アニメは24コマが基本、アニメの絵柄には2Kもあれば十分‥‥なんて言う人は、今でも大多数かも知れません。でも、その大多数は、状況が変われば、コロッと寝返る大多数でもあります。SDからHDに移行する際に、「HDなんてオーバースペックだ。SDで十分綺麗だ。」なんてセリフは散々耳にしましたが、今現在、それを言う人はいませんよネ。

 

私がここで書いている4K時代のアニメ制作とは、「世間の常識が移行した後の世界」の話ですから、ソフトウェアの性能や機能も、「今を満たす」スペックではダメなのです。未来を1〜2歩だけでも良いから先行したスペックでないとネ。

 

最近、HDRの内部運用テストも始めて、Rec.2020の色域にもどんどん慣れてきました。もはや、Rec.709やsRGBの色域は追想のノスタルジーの世界のようです。「切り替わるの、早!」とか言われますが、Rec.2020を見続けていれば、誰でも慣れちゃいますって。

 

しかし、HDRは運用面でも作業上の生理面でも、まだまだ模索は必要です。QuickTimeには既に「色域」プロパティが用意されていますが、さて‥‥どうやって、「色域を運用」すべきか‥‥。そもそもQuickTimeのままで良いのかも、今後は問われるでしょうしネ。

 

例えばPhotoshopやAfter EffectsではどうやってHDRの運用をすべきか、未来に向けたソフトウェア運用のノウハウと指針をひとつずつ詰めていかねばなりません。もちろん、ソウトウェア自体(=Adobeなどの開発者側)もHDRワークフローを意識していかねばならないでしょう。

 

また、作画(=タブレットでの作画作業)においても、4Kに適した「線質」が今後問われると実感します。ProcreateやClipStudioは十分応えられるだけの「ペン」の設定項目を有しますが、その設定をミスるともろに描線に影響が出て、そのまま4Kテレビで克明に表示されてしまいます。人間の手や指の強弱に合わせて、適切な描線を実現できる設定が必要になります。

 

4Kのキャンバスは広いように思えますが、描線のピクセル数で言えば、やっぱり1〜3ピクセルの極細線は必須です。微妙に角度がついた線でも綺麗にアンチエイリアスが描画できる設定、線の入り抜きや強弱がコントロールできる設定は、ユーザ側で確立しなければなりません。‥‥しかも、作品ごとの作風に応じて、グレインや散布やジッター、グレーズなど多岐にわたる設定を‥‥です。

 

 

まあ、要するに、ソフトウェアの運用面においても、「あっちも、こっちも」なわけですネ。

 

新しい時代に向けて、やることが多いです。

 

 

余談ですが、人には2種類いて、

 

  • 新しい時代が来る前に気付く人
  • 新しい時代が来た後で気付く人

 

‥‥と、対照的です。

 

どちらの人も現場では必要で、それぞれの役割分担があります。

 

そして、現場の「ノリ」と言いますか、現場のポテンシャルや性質は、上述の両タイプの人員比率で決まってきます。

 

 

ソフトウェアは人間と違って、新しい時代が来てから後手で対応するようなものだと困ります。ソフトウェアは基本的には、時代を先手で先取りしておいてもらわないと、上述の両者に対応できませんもんネ。

 

 

 

 

 


生まれ変わりの期間

何度も繰り返し書きますが、最近数年は20数年前と構造が酷似しています。ゆえに、20数年前に行動して上手くいったこと、もっとこうすれば良かったと思うことを、実践すれば良いと感じます。

 

20数年前、まさかフィルムとセルが消えるとは、周りの誰もが思っていませんでした。「フィルム&セル」組は、まさに業界の本道であり、コンピュータによる「デジタルアニメーション」組は少数も少数で、「うまくいくかどうかも判らないモノ」程度の認知度でした。VHSアナログビデオテープが全盛でもあったので、「コンピュータデータによって、アニメ映像を形成する」こと自体、世間一般・業界大多数で「現実味の薄い」話だったわけです。

 

私自身はMacintoshのPhotoshopの大きな可能性に触れ、やがて「デジタルアニメーション」が台頭する確信はありましたが、「フィルム&セル」と共存していくとも考えており、セルやフィルム撮影台だけでなくまさかフィルムそのものまで「消える」なんて思ってもみませんでした。

 

私はその1996〜2000年当時、一眼レフカメラをいつも持ち歩くほど愛用していましたから、余計に、フィルムが消えるなんてありえないと信じて疑わなかったのです。当時のデジカメはQuickTakeでそりゃあもう、お粗末至極の性能(小さい画像、汚い画質、すぐに切れる電池)で、信頼できるカメラはまだまだフィルム方式だったのです。

 

*2009年頃のムービー用フィルムパンフレット。五反田のラボのロビーで待ち合わせの間に、フィルムの思い出に‥‥と、記念にゲットしておきました。

 

その辺の経験から鑑みて、今回の大変動期も、作画の現場はもしかしたら‥‥と思うこともあるのですが、作画の未来は読みきれません。少なくとも私自身は、新技術を推進する立場を明確にしつつも、20年前と同じように、「旧来技術が消滅することはない」とも考えています。紙を廃止しても鉛筆をペンタブに持ち替えて「デジタル作画」として継続し、金がかかる構造も含めて、継承していくと予測しています。

 

なぜかというと、新技術はよほどコンピュータに慣れた人間でないと、あまりにも「作画感覚が違いすぎる」ので移行は困難で、ゆえに作画畑の人々の多くは「移行できない=昔の技術を使い続ける」と思うからです。旧来の作画感覚で仕事をする人ほど、カットアウト、キーフレーム、三角メッシュやボーンの操作感覚は、違和感たっぷりで拒絶感を乗り越えられない‥‥と思われます。

 

旧来技術の中で生き続けたい人の「許容」として、旧来作画ベースの現場は存続すると予測しています。

 

ただし、経験したありのままで考えると、そのあたりも未知数‥‥と言わざるえません。少なくとも、20年前の私の「フィルム&セルと、コンピュータ&データは、お互いに長所をアピールしつつ共存していく」と考えていた予測は大外れだったわけですから。

 

 

 

 

‥‥で、そうした全体像だけでなく、私個人の仕事周りにも、20年前と酷似する状況は再演しています。

 

これからはコンピュータを自分の武器にして仕事をする!‥‥と決心しきれたのは、1997〜1999年くらいのことでしたが、その間にスパッと紙と鉛筆からコンピュータに完全に切り替えられたわけではなく、昔のご縁=自分の能力を知ってくださる方々からの仕事は続けていて、実質は紙とコンピュータの掛け持ち状態でした。

 

そして現在も、同じ状況を再演しています。新しいスキームと、旧来のスキームの、同時進行。

 

前に、「良い死に場所を見つけた」と書いたのもつかの間、ドドドッと旧来の原画&コンポジットの仕事依頼が複数来て、20年前の再来〜死に損なう日々が続くのかも知れません。

 

 

新しいカタチに生まれ変わるには、実はそれなりの長い年月が必要‥‥みたいです。過去の経験から、そう思います。

 

自分ではズバッズバッ!と豪胆かつ積極的にアクションした気でいても、大きな物事が動きだすにはそれ相応の時間は要するのです。大転換期であればあるほど‥‥です。

 

 

 

 

じゃあ、誰かさんが物事を動かすまで、待ってればいいや‥‥というのは、ものすごく、見当はずれな考えでネ‥‥。

 

そうした日和見行動は、まさに状況に流されるままに流されるので、溺れ死にそうになるところから「次のフェイズ」をスタートすることになります。最近のアニメ現場の状況を鑑みるに、いきなり最初から不利な立ち位置でキャリアを開始する人も多いと推測しますが、それはその制作集団が日和見したツケが回っているだけです。

 

物事の流れを読んで「先行投資」して「良い位置につける」行動を実践した制作集団は、流れの影響は受けつつも呑みこまれっぱなしになることはなく、また次のタイミングを狙っているものです。

 

 

とは言え、新機軸をどんどん打ち出して、新しいアイデアを実践して形にしても、物事は即応しません。大きな流れが方向を変えるには、様々な要素と相応の時間が必要です。

 

だからと言って何もしなければ何も変わりません。むしろ、何も行動しなかったことが、数年後、十数年後に、どんどん不利な局面へと自分を追い込んでいきます。

 

まあ、戦争論そのもの‥‥ですネ。

 

大胆な戦略展開と地道な持久戦が並行で進みます。

 

 

* *

 

 

1原2原はおろか、3原、4原、果ては0原(ゼロゲン!!!)まで存在するようになった状況。

*ちなみに、ゼロゲンやヨンゲンは同僚から聞いた話であって、私の周りには、そんな仕事の状況はありません。関わる作品制作スタッフの名誉のために明記しておきます。

 

もちろん、ウケ狙いやネタで0原や4原の仕事を増やしているのではなく、切実なその現場の理由があるのでしょうが、どんな理由があろうと、それは「型崩れ」「崩壊」に他なりません。だってさ‥‥‥、3原、4原や0原まで発生しちゃった現場って、いったい、原画料金はいくらに細分化されるの? ‥‥まさか、1カット、1000円?

 

仕上げさんがキャラ修正するのが恒常化した現場、本撮テイク1を2〜3日で撮り切るのが恒常化した現場。

 

「近年10〜15年の状況」しか知らなければ、新しい未来をどうやって切り拓けば良いか、実感があまりにも希薄でしょう。

 

惰性でアニメを続けるベテラン、今の状況を「しょうがない」で済ませる中堅、憧れだけでその先は何も考えてない新人は、まあ、ふさわしい場所が未来に用意されるでしょう。

 

要は、私のようなコンピュータ導入の黎明期を肌身で知る古参スタッフと、業界入り当初から「地獄の現場」で生き続けたがゆえに未来を変えたいと強く思う中堅スタッフ、そして、アニメを憧れだけでなく生業として真剣に新しい技術と経験を吸収していこうと決心する新世代スタッフの、人材を選抜した上での結束が必要不可欠となりましょう。良き未来を志向するのなら、ベテラン・中堅・ルーキー全ての世代において、日和見路線や尻馬路線と決別する覚悟と行動が求められます。

 

 

 

いくら大勢で寄り集まっても、烏合の衆や日和見集団じゃ、何も動かせません。かえって、身動きが取れなくなるもの‥‥ですよネ。そんなの見飽きるほど見てきましたワ。

 

なんだかんだ議論しようが、あれこれ小理屈をひっつけようが(=我ながら)、結局は、物事を動かす意志をリアルに実践できる人間たちだけが、自分たちの運命を変えていける‥‥と、この20数年を経験して、実感します。

 

 

 


タミヤカラーのカラーパレット

シンナー臭嫌い‥‥ということで、私はタミヤアクリル派です。

 

アクリルは匂いも控えめで、用具の手入れも基本的には水で可能なので、非常に手軽です。しかも、グレージングなどの絵画技法を応用することもできて、絵画を嗜んだ人間にはうってつけの塗料です。要は、プラモに塗装するのではなく、プラモに絵を描く感覚で使えるのです。

 

ただし、プラモの主流は、あくまでラッカー系のMr.Colorで、組み立て説明書に記載してあるカラー番号も、クレオスの水性・ラッカーが主流です。XやXFで始まるタミヤーのカラー番号はタミヤ製品以外では冷遇されているので、なかなか馴染めません。

 

なので、タミヤのWebにカラー一覧もあることだし、カラーピックしてmacOSで読み込めるカラーパレットを作りました。こんな感じです。

 

 

 

まあ、macOSのカラーパレットになったからって、リアルな世界でどうなるもんでもないですが、少なくとも、どの番号がどんな名前でどんな色かは、一目で確認できます。そうするうちに、X番号を暗記して覚えていくこともありましょう。

 

カラーパレットのファイルは、バイナリファイルみたいでテキストエディタでは読めない‥‥ようです。Webの色見本のコードから流し込むこともふと考えましたが、clrファイルのインプリメンテーションチャート的なドキュメントがあるのか探すのも面倒だし、大した色数でもないので、大人しく、カラーパレットGUIの操作でちくちくと地道に作りました。

 

以下のZIPファイルがソレです。解凍すると、X番号とXF番号の「clr」ファイルになりますので、カラーパレットウィンドウの「読み込み」で読み込めば使用可能になります。

 

 

タミヤアクリルカラーのmacOSカラーパレットファイル

 

 

clrファイルの使用に関する一切全ては、使用者の自己責任でお願いします。お約束の文言ですみませんが。

 

 

ちなみに、X-20A溶剤やフラットベースなどもパレットに含めているのは「ご愛嬌」ということで。‥‥‥カラー番号を確認するのに使えると思って、省かずに入れておきました。

 

 


アゲアゲ

二原動仕の関わりをもって、従来作画方式の仕事を幕引きする‥‥のは、あまりにも切ないと去年は思っておりました。紙関連のキャリアの最後が、ソレでは、あまりにも忍びない‥‥と。‥‥しかし、今年になって作画的にもエフェクト的にもやりがいのあるシーンを担当してどうやら終われそうなので、関係諸氏に感謝です。良い死に場所を得た‥‥と思っております。

 

一方、新技術を2K従来作品に応用した仕事も同時に進んでおり、それもまた有意義な仕事です。未来に繋がります。

 

 

いやあ‥‥ホントに、まるで1994〜96年の頃の再来です。新しいものと古いものが混沌として、前方が不透明に曇りがちになる‥‥という点において。

 

でも、そういう時は、ロジカルの限りを尽くした後で、直感に従うべし。

 

「どうせ」人間は生まれて死ぬ運命なのです。生まれた時は何の知識も持ち得ないし、死ぬ時は何も持っていけないのです。

 

だったら、生きている間の自分をとことん信じるべし‥‥です。

 

 

ストラテジーだ何だとのたまっても、最後はやっぱりソコです。

 

自分を最終的に信じられずに、逃げ癖をつけたら、何も成し得ないです。

 

逆に言えば、自分自身を信じる確証を得るために、技術や知識や経験の蓄積に努める‥‥とも。

 

 

‥‥と書いて、今の掛け持ち仕事を確実にこなすために、キモチをアゲアゲにしてみる。

 

 

 


ツイッターのちから

解決の糸口の見えない事案に、何年も消費して、結局は何も得られないのだとしたら、もう選択すべき道は決まっていますよネ。ツイッターで議論を尽くしたところで、各々の見解に終始して物別れに終わって、振り出しと何も変化がないのなら、何のための議論だったのか。

 

もちろん、議論した結果、「歩み寄れない」「状況が多岐に渡って統一見解を見出せなかった」ということが解るだけも収穫でしょう。

 

でも、そうして結果をみた事案に対し、幾度となく、周期的にツイートを繰り返す行為は、議論の名を騙った愚痴こぼし、憂さ晴らしとも思えます。

 

たしかに、現場の渦中にいれば、愚痴もこぼしたくなります。

 

でもさあ‥‥それじゃ、堂々巡りじゃん。

 

 

 

現場=実際の物事はさ、ロジカルに、フィジカルに、プラグマティックに、構えましょうよ。

 

 

 

ちなみに、前に書いた「髪の毛の多重組み」ですが、以前私が担当したカットにおいて、レイアウトを描いている段階でありありと多重組みが予測できたので、そのカットは影付けを変える提案をしました。幸い、髪の毛に目が透けない作品だったので、肌に落ちる影の描き方を変えるだけで、多重組みを防ぐことができたのです。

 

‥‥もちろん、原画マンが勝手に影付けのスタイルを変更してはまずいと思いましたので、レイアウトに申し送り(影付けスタイル変更のお伺い)はしました。まあ、時間がめちゃくちゃに短い作品だったので、そのままスルーになったようです。

 

本来なら、プリプロのキャラ設定で「多重組み予防策」は考えておいて欲しいですけどネ。単に各原画マンの工夫に終始してしまいますから。

 

 

1シーンを担当する規模の場合は、演出さんと示し合わせをしながら、時には色彩設計さんにも話を聞いてもらって、事を進めていきます。「キャラ設定の基本はこうなっているけど、このシーンは複雑なシチュエーションなので、このように処理を変えてよいか」的なことを、事前に話を通しておくわけです。‥‥まあ、時間のある作品だけしかできないでしょうけど。

 

 

 

作品制作の現実を考え、物理的に(体を動かして)物事を段取り、論理的なシーン・カット制作をおこなう。‥‥つまり、プラグマティック、フィジカル、ロジカルです。

 

ツイッターで漠然と呼びかけても、実際の現場ではほとんど何も変わりません。

 

ツイッターなど使わなくても、実際の現場でアクションすれば、少なくとも目の前の事案はプラス方向に誘導できます。

 

 

 

まあ、ツイッターは「速報」みたいな役割なので、ツイッターに現場を変えるパワーを期待するのが、誤りなのです。

 

意識を徐々に傾けていく効能はありましょうが、即戦力的に現場を変える力などありません。

 

このブログだって、単なる「お知らせ」「意思表明」くらいの役割でしかないもんネ。でも、それだけでも、「累積戦略」としては機能している実感はあります。

 

累積戦略を順次戦略と混同してはならない‥‥ということに尽きます。2軸で同時進行させるもの‥‥ですからネ。

 

 

ツイートもブログ投稿も、「アクションした気分」になりやすいです。‥‥でもそれは、本人の気分盛り上がりだけの話です。あくまでクールに、効果を低く見積もっておかないと‥‥‥‥ですネ。

 

 

 

 


老Pad。

私が所有するタブレット型端末の中で、iPad 2が一番古いモデルなのですが、どうも動作が遅いし重いし不安定です。まあ、iPad 2のiOSは9で打ち止めだし、そろそろ引退の時期なのかな。

 

Safariを使っていると突如暗転してクラッシュするのは、ヤメて‥‥。

 

iPad 2は自宅でビュワーとして使っているのですが、その隣に置いてあるiPad miniもこれまた、iOS9.3.5で打ち止め状態。

 

家にあるのは、皆、引退寸前のiPadばかりです。

 

 

でもまあ、もうちょっと我慢しよう。自己資金だからな。‥‥春になれば、色々なAppleローンがどんどん終わるし。

 

Amazonのクラウドを賢く使ってFire HD 10に乗り換えるのも良いですが、iOSはなんだかんだ言っても使いやすいですからネ。

 

 

iPad Proが有機ELになるとか、Mac miniやMac Proの新型が出るとか、色々噂はありますが、「お金を出して買うだけの身」としては、ただ状況を傍観するのみです。良い時期で買うのが、ユーザにできるせめてもの工夫です。

 

今は、手元にある機材で事を進めましょ。

 

 

 

 


6年前の紅茶

‥‥でも、ちゃんと飲めるもんです。買ってから‥‥ではなく、開封してから6年‥‥なので、相当ヤバそうに思えますが、飲んでみれば「香りが少ないかな」とは思うものの変な味はしません。

 

お気に入りのティーポットがあれば、それだけで幸せ。

 

 

*調べてみたら、2012年の3月に買ったらしい。ジジイになると、年月が経つのが速くてな。

 

 

アマゾンなどのネット通販だと、ついつい大人買い‥‥大量買いをするので、ダボつき気味になります。

 

紅茶とかは香りが飛ぶ程度ですが、カップスープ(クノールとかの)はあまり保ちません。中に入っているクルトンがあからさまに「古い味」になるんですよネ。

 

カップスープの類いはさっさと飲むのが吉。

 

*カップスープは期限内に飲み切りましょう。あまりにも放っておくと、クルトンが使い古したタンスみたいな風味になりますので。‥‥でもまあ、それでも飲んじゃいますけどね、私は。

 

 

 


勧告番号

私が現在取り組み始めている事の1つに、「勧告番号」があります。何だか、「勧告」とか言うと物々しい印象ですが、要は、「取り決めや基準を番号順に登録して管理する」仕組みです。

 

ISOやIEEEなどに倣って、標準規格化を番号で管理するわけです。

 

場当たり的に現場で示し合わせたり、作品ごとの短期プロジェクトで「作画注意事項」の書類を配布したり‥‥みたいな「フォーカス期間の短い」方法ではなく、作業現場向けの勧告や標準規格を登録番号で管理して「長期に渡って活用」する取り組みです。

 

アニメーション標準技術勧告=AST勧告を、取り決めた順番で登録していくので、番号それ自体には内容を示す関連性はないですが、データベースに順番に登録していくので重複などの間違いが防止できてシンプル・明快です。

 

もういくつも登録が始まっていますが、記念すべき第1号は「4Kレイアウトフレーム」の規格です。必要は発明の母なり。

 

 

AST勧告に準拠すれば、作品ごとの煩わしい準備段階のアレコレや、作業グループ間の仕様の差異を、ベースレベルで共用化できるメリットがある‥‥ということにしたいと考えています。まだ始まったばかりなので、少し控えめな言い方にしときます。

 

ぶっちゃけ、自分らの作品制作だけでも、このAST勧告を軌道にのせなければ、毎回毎回同じ準備と示し合わせの繰り返しになって、無駄が多くなるので、順次進めていく所存です。

 

 

アニメ制作ってさ、漠然と各社ごとにレイアウトフレームがあって、作品ごとに色々な「注意事項」があって、技術の名称もファイル名もバラバラ、書式・フォーマットもバラバラで‥‥と、コスト浪費大会みたいなことが日常茶飯事です。

 

まあ、2Kや24pやSDRはもういい。げちょげちょのべろべろぐだぐだに各々の思惑が錯綜してまとまりませんから、標準化なんて無駄な足掻きはやめて放置状態で構わないでしょう。今の現場に標準化を持ち込もうとして数年経過するうちに、肝心の規約そのものが旧世代化して陳腐化するでしょうしネ。

 

しかし、4K60pHDRのアニメーション制作は、まさに仕切り直しのチャンスですから、必要最低限の標準化は最初から用意しておいても良いでしょう。‥‥というか、用意すべき、です。

 

どっちにしろ、取り組みに数年の歳月が必要なのだったら、未来のあるものに注ぎ込むのが真当な思考です。

 

で、標準化団体‥‥といっても、今のアニメ業界で4K60pHDRに手を出す個人やグループなんて見当たりませんから、連合を組めるはずもなし。‥‥ゆえに、今は私らの制作グループだけでどんどん決めていくだけです。

 

 

 

しかしまあ、今のアニメ業界、標準化団体も存在しないのに、よくまあアニメ制作作業を各社で融通しあえるよネ。ホントに、アニメ制作システムの基礎を築いた先人には頭が下がります。日本人の特性を巧みに利用して、作り上げちゃったよネ。

 

反面、現在各所で色々な不整合や行き違い、歪みが発生しています。標準化さえしておけば防げる内輪揉めがそこかしこに。

 

 

 

2020年代以降は、色々な面で「潮時」だと思います。

 

現在、40〜60代の人間は、2020〜2050年代に順次死んでいきますが、残せたものは荒れ果てた荒野だけ‥‥じゃ、あまりにも悲しい。

 

一方、現在20代の人間は、30年後も現役です。

 

アニメの作り方が今のままで良いはずがない‥‥のは、老若男女、同じだと思うのです。

 

 

 



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