わたくしとアップル

私が一番最初にメインで使ったApple製品は、Macintosh Quadra650で、某クライアントからの貸与品でした。その次はPower Macintosh 8500/180、同時にWindowsはGatewayの100数十メガHzのCPUのものも使っていました。

そして、初めて「パソコン」を買ったのが、コンピュータを仕事でイジりだしてから1年ほど経過した頃のPower Macintosh 8600/250です。1997年当時、パソコンのハードウェアについて疎かった私は、買う直前までWindowsかMacかを悩み続けていました。最終的になぜMacに落ち着いたかというと、アップルスクリプトや機能拡張マネージャーなど、若干ではありますが、ユーザにフレンドリーな気がしたからです。他愛のない話かも知れませんが、Osakaなどフォントが親しみやすかったというのもありますし、何でもアイコンをつけるスタイルも「ビジネスぽくなくて」好感が持てたのです。

しかし、その当時は、アップルに不穏なウワサが少なからず流れていて、「買収される」「倒産する」など、ユーザの不安を煽る状況を、よく雑誌などで目にしたものです。スカリー時代に、ビジネスユーザへの売り込みで決定的な敗北を喫して以来、迷走を続けるアップルは、現在の2000億円の社屋を建てたり、CEOが中国国家主席と直に話すような世界有数の企業ではなく、いつ消滅してもおかしくない危ない状態を続けていたのです。1990年代後半、リアルタイムでそれをヒシヒシと感じておりました。

そしてジョブズの復帰(一度、アップルを追い出されて、自分で会社を立ち上げて、瀕死のアップルに帰ってきた)してからのサクセスストーリーは、ジョブズ時代から始まった「i」製品が示す通りです。iMac、iPod、iTunes、iPhone‥‥と「あの瀕死のアップルがよく‥‥」と長年のユーザーですら目と耳を疑う復活劇を成し遂げたわけです。

思えば‥‥です。アップルって、ビジネス戦争に負けて、瀕死になったのが、結局良かったんでしょう。

もしマイクロソフト&IBM陣営との戦いに勝利して、一般企業のビジネス用途に広く普及していたら、今のアップルは確実に有りえなかったと思います。どうやって生き残りをかけるか‥‥という企業としての闘争本能は発揮できないまま凡庸なOSとして「飼い殺し」みたいな状態になっていたかも知れません。

2000年初頭に「サウンドジャム」の開発元や「ロジック」のEmagic社を買収したアップルの動きを見たとき、「なるほど。そっちの方面に完全にシフトしたんだな」と思ったのです。大負けしたビジネス用途でのシェアにはもう手を出さない代わりに、人々のプライヴェート用途をごっそり取りにいく戦略に切り替えたんだな‥‥と、買収した会社のメンツを見て感じたのです。買収した会社の一覧を見れば、その当時のアップルの野望が見えてきますよネ。

今度のiPad ProとApple Pencilは、どうなるのか。アップルが「何を獲得しようとしているのか」は、「Windows版に負けない、素晴らしい会計ソフトを開発しました」ではなく、デザイナーやアーティスト、クリエーター、映像制作者に訴えかけるガジェットをリリースすることから、おぼろげに浮かび上がってきます。

まだイジっていないので、iPad ProとApple Pencilの性能は未知ではあるのですが、Appleは「良くも悪くも」プライドの高い会社なので、Wacomが既に存在している以上、失笑を買うようなブザマなものは出してこないでしょう。

だって、わざわざ、このタイミングで「液タブ」版iPadですもん。後発の常として、先発を凌駕しにかかってくるのは、当然でしょう。

おそらく、ペンタブが事実上のWacomの独占市場になった時、ペンタブの進化は鈍化してしまったのでしょう。10万円以上する液晶タブレットの性能がイマイチ、イマニ、イマサンくらいで、数年後にちょっと性能の向上した10万円以上する新しいモデルを出しました!‥‥と言われても、「もう買わないよ‥‥懲りたから‥‥」としか言えませんもん。

アップルは社内に大勢のデザイナーを抱えているでしょうから、Wacom製品の如何ともしがたい状況は「デザイナーの不満」として、もしかしたらアップル内部で声が上がっていたかも知れませんね。あくまで想像ですが。‥‥アップル内部に対するアイブ(デザイナー上がりの人スね)の影響力を考えれば、「自分たちで未来の鉛筆を開発しよう」と考えたとしても不思議ではありません。

私も最近、ペンタブによる清書をおこないましたが、アシスト機能を持たないPhotoshopでの清書は「苦行」以外のなにものでもないです。せめて、ペンタブに新しい技術の波が来てくれたなら、もっと状況は変わるのに‥‥と痛いほど実感しました。

下世話な話ですが、アップルくらいの「大金持ち」でなければ、「新世代の電子鉛筆」は作れないのかも知れませんネ。

まあ、こんな話を書くと、昔の人は「アップル信者」と思うのかも知れませんけど、私が信じているのはアップルではなく、「人とコンピュータのちから」です。映像作品・映像商品を作る用途において、人がコンピュータと共に作業する際に、現在一番「勝手が良い」のがアップル製品だというだけです。ビジネスユーザが無理してiMacを使うのは滑稽ですが、デザイナーやクリエーターが無理して汎用Windowsマシンを使うのも同様に「遠回り」なように思います。

ただ‥‥ねえ、アップルが変な気をおこして、「昔負けたビジネス戦争に勝ってみたい」とか思わなければ良いんですけどネ。もういいじゃないの、ビジネスの市場は。


で、気になるiPad Pro&Apple Pencilのお値段は‥‥。

128GBで15万以下だと嬉しいなあ‥‥と、思って調べてみたら、大体128GBモデルが12万、Pencilが2万で、合計14万円くらいのようです。‥‥発売が開始したら、速攻で買いますワ。すぐに私の仕事やプロジェクトに活きますもん。

iPadで動作するPhotoshop Fixとやらもリリースされるようですし、絵を描く人間にとって、しばらくはiPad Pro周辺は気になるところ‥‥です。


calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM