知の獲得と放棄

GoogleドキュメントもiCloudのiWorksも、現在の私のニーズにイマイチ使い勝手が悪く、久々にWebを構築すべくmacOSのApacheを使ってみようと操作したら‥‥、最近のmacOSはサーバ機能を随分と「奥に隠して」しまったんですね。昔のようにGUIで操作してサーバを起動することができなくなり、ターミナルでの操作が基本でコンフィグをviなどで書き換える「さらに昔」のスタイルに戻っていました。

 

macOSサーバ(=MacOSX Server)も、機能をどんどん削ぎ落とされて、現バージョンはもはやスッカラカンの内容に成り果てていますし、少なくともAppleは「サーバ機能をユーザに提供するソリューションから撤退した」と言っても過言ではない状態です。

 

もちろん、内部的には今でもサーバ機能は健在なのですが、「操作ができる人だけが使ってね。解らない人は手を出さないでね。」的なスタンスに移行しています。一旦は「みんなでコンピュータを使おう!」という機運を盛り上げてみたものの、SNSの登場で一気にお手軽方向に大衆がシフトして、「じゃあ昔の通りに、コンピュータを使いこなす人間は少数の一部だけでいいや」という流れになっているのでしょうネ。

 

例えばApacheの件で言えば、macOSにおいてはシステム環境設定から姿を消し(10.8以降)、ターミナルとvi(によるコンフィグの書き換え)でサーバを操作する方法しか選択肢がなくなりました。

 

ぶっちゃけ、ターミナルなんて、パソコンを持っている人でも使っているのは少数ですよネ。私が「MacBSD」に熱中していた頃(=一部のユーザにおいて静かなブームが前世紀末にありました)の「68k Mac」を自宅でサーバとして使っていた時代‥‥つまり、マイノリティに逆戻りしたのです。

 

つまり、

 

コンピュータが普及しても、誰もがコンピュータを理解して使いこなせるようにはなったわけではない

 

むしろ、内部まで掘り進んで使える人と、提供された表面だけしか使えない人の、差別化・格差が大きく広がっている

 

‥‥という時代なんですネ。技術知識のヒエラルキーがものすごいことになっている‥‥のかも知れません。

 

今ではHTMLやWebサーバはプロ・専門分野の領域になってしまって、自分でサイトを構築する人なんてほとんど姿を消したような状態なのでしょう。ツイッターなど、ネットワークやHTMLの知識など何も必要としないで使える手段へと、人々の関心は移行しています。

 

それを「嘆かわしい」とは思わないです。考えてみれば、いつの時代も技術が進化すると、技術と知識における貧富の差は激しくなるばかりでしたよネ。視点の基点を変えれば、基盤から設計してコンピュータを作って使っていた60〜70年代の人に比べて、出来上がった製品を使っている時点で、私も「貧」の方にカテゴライズされるわけですし。

 

映像制作の現場で言えば、After Effectsだけ使えても、やがて行き詰まります。After Effectsなんて、コンポジターのスマホのような存在ですから、「使えて当たり前」であって、その先の踏み込みが個人の資質になります。「After Effectsでアニメの撮影しかできない」人と、「After Effectsやその他のソフトとコンピュータの知識で色々な仕事をできる」人では、人生の設計に大きな貧富の差が表れるでしょう。

 

現在のコンピュータ関連のものごとは、「解らないヤツは解らないままでいい。解るヤツだけが踏み込んで来い」的なスタンスに大きく様変わりしています。スマホだけ弄ってるヤツはそのままでいい‥‥という、ある種、凄い見切りの潔さと残酷さです。

 

その影響で、サーバ関連のUIがコマンドラインベースになっても仕方のない、時代背景なんでしょうネ。サーバの運用なんて普通に生きてるだけの人間には無用、ターミナルごときで怖気付くヤツは来るな‥‥的な優しくない状況でも、まあ、それはそれで良いです。「みんなで高い技術知識を持つべき」みたいなある種の平等博愛主義など、考えてみれば無理な話だったと今は悟ります。本人の意気込みと実践だけが本人の運命を分けていくんでしょうネ。

 

知の広がりを求めるのも人間の群れ、知を放棄するのも人間の群れ‥‥であると心得て、群れではない己個人がどう行動するかは、時代に関係なく、己自身で決めていくしかないんでしょうネ。

 

 

ちなみに、今回、私がmacOSのApacheを使いたいと思ったのは、「テストサーバ」としてです。PHPの動作確認をするために、ローカルで確認できるWebサーバが欲しかったのです。

 

現在のmacOSでWebサーバを起動するには、3つのコンフィグの操作が必要です。httpd.conf、httpd-userdir.conf、そしてユーザ名.confの書き換えを適宜おこない、ユーザ直下に「Sites」フォルダを作れば、ユーザごとのWebディレクトリを作れます。「Library」の「WebServer」の中を直に操作するのは面倒なので、昔のMacOSXに存在した「Sites」フォルダを復活させるのが、一番面倒なく管理しやすくて良いです。

 

表舞台からは姿を消した今でも、ユーザ直下に「Sites」フォルダを作ると、ちゃんとアイコンが自動で付与されるのネ。以下はmacOS Mojaveでの「Sites」フォルダの様子です。

 


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