藪蛇

前回書いた、コンポジットエフェクトの呼称をタイムシート上ではどのように呼び表すか‥‥の話題は、実のところ、私がタイムシートを書くときにいつも迷うことでもありました。

 

実際、「ブラー」と書くのさえ、躊躇われるのです。

 

もうそろそろ、「ブラー」=「ぼかし」くらいは使っても良いだろうと思うので、私は「ブラー」とだけは書きますが、「何々ブラー」と書くのは、意識的に避けています。

 

別に、どんなエフェクトを使おうが、カットの内容に合っていれば、事は済むのです。何を使うかは、担当する撮影さんにお任せすれば良い‥‥のです。

 

 

それに‥‥、妙にAfter EffectsやPhotoshopの「エフェクト」「フィルタ」名を持ち出すと、「呼称の厳密さ」が要求されるようになります。これが一番、キツい‥‥んじゃないですかネ。だから私は、After Effectsを毎日使っていて「勝手知ったる」ソフトウェアでも、原画を描くときはあえてタイムシートには汎用的な呼称を用いるのです。

 

例えば「ガウスブラー」は、After Effects CC 2017での正式名称は「ブラー(ガウス)」です。まあ、「ブラー(ガウス)」を「ガウスブラー」に読み換えるくらいのことは出来ましょうが、「動くときにブラーがかかる」ブラーを「モーションブラー」とか書いちゃうと、After Effectsでは全く別の機能を指してしまいます。実際、私はついつい癖で「ブラー(方向)」を「モーションブラー」とか「移動ブラー」とか言ってしまって、「そのエフェクトはどこにあるんですか?」と質問されたことがあります。

 

ですから、アニメ制作の「制作運用上の公文書」とも言えるタイムシートで、うろ覚えなソフトウェア機能の呼称を書くのは、混乱の元ですし、書いた本人にとっても「やぶへび」なのです。下手にAfter Effectsのエフェクト名なんて、言わなきゃいいのに、書かなきゃいいのに、‥‥ということです。

 

それに、After Effects前提でコンポジット作業を語るのも、如何なものかと思います。ソフトウェアの縛りなんて、できるだけ無くして、用語はフラットに扱うべきと、私は考えます。どんなソフトウェアでも通用する汎用的な用語を、意識的に取り扱うべきだと、私は思うんですけどネ。

 

 

ちょっと話は逸れますけど‥‥

 

最近のAfter Effectsって、どんどんボロくなってますよネ。特にCC 2017は私の居る現場では「大不評」です。キャッシュの取り扱いがもうズタボロですし、(主観ではありますが)不必要な機能を増やして逆に使いにくくしているし、不安定さがどんどん増しているし‥‥で、After Effectsの未来にかなり不安を感じてます。

 

なんかさあ‥‥Creative Cloudで定額で使用料を徴収できるようになって、Adobeって「あー、もうこれで、次のバージョンを買ってもらえるか、気にしなくてよくなった」とばかりに、「大幅に手抜き」してないですかネ。‥‥開発面で。

 

ベータ版みたいな不完全な状態で、大した検証もせずに、メジャーバージョンアップして、下図のザマです。After Effects CC 14.1.0.057の「フッテージの整理」「フッテージの統合」のダイアログです。

 

 

何これ。 ‥‥‥‥ベータテスター向けのアルファ? ベータ? でも正式バージョンですよネ?

 

「削除 されたフッテージあるいはフォルダーアイテムは、2 でした。」‥‥の間違いなのはAfter Effectsを長く使ってれば受け流せはしますが、これって「スープに蝿が浮かんでいる料理を客に出す」ようなもんですよネ。

 

どんなに美味な料理でも、蝿が混ざっているのを気づかずに何度も客に出す店って、‥‥ちょっとヤバいじゃないですか。

 

知り合いや身内の作った料理ならば、髪の毛や小蝿など「平気平気」と、よけちゃいますけど、「客商売」は話は別‥‥です。

 

最近のAfter Effectsはぶっちゃけ、一事が万事、こんな瑣末な障害の繰り返しです。

 

 

2Kで2値化で24コマでSDRで作るんだったら、After EffectsはCS6のまま凍結‥‥というのは、賢い選択なのかも知れませんよネ。どんなに機能が増えても、バグや障害だらけの最近のAfter Effectsを使うよりは、運用上のリスクを抑えられますもん。

 

私が日頃、アニメ業界のCS5〜6でのバージョン停止に関して色々言っているのは、バージョンを上げたくてもできない「運用上の経済理由」にアニメ現場の深刻な問題を感じるからで、こと、After Effectsに目を向ければ、「何か、別の道を考えなければ」とすら感じます。

 

 

 

話を戻して。

 

‥‥というわけなので、変にAfter Effectsに合わせて制作システム上の用語を決めちゃうと、後で「そんな安易なこと、しなければよかった」なんて話にもなりかねません。After Effectsは永遠のソフトではないのですから。

 

タイムシートで扱う用語は、特定のソフトウェアに依存すべきではなく、むしろ、ダサダサなくらいに汎用的であるべき‥‥と、少なくとも私は思う次第です。

 


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