JBL GO 再び。の、その後

今まで、JBL GOは、主にAmazon Fireのビデオ音声を再生する用途で使ってきましたが、前回の通り、もう1台増設して、カセットテープのアナログ音声とiMac 5K/iTunesからのBluetooth受信に使い始めました。

 

いくつかの音源を聴き込むうちに、JBL GOの「癖」もわかってきました。ビデオ音声では気づかなかったことが、色々な音源の再生で聴こえてきました。

 

どうも、Female EssとShhが少し持ち上がっている印象です。いわゆる女性の声の「サ」「シ」「シュ」「ス」「シュ」のあたりの帯域です。

 

この辺りの帯域を強調すると、確かに輪郭は強調されますが、反面、耳障りになるリスクが高まるんですよネ。

 

実際、音源によって気になったり気にならなかったり‥‥で、声の質や録音によって大きく変わってくるようです。

 

80年代後半あたりの音源で、「フォルマントピッチの高めのティーン女子」の「地声歌唱法」(文字にすると伝えにくい‥‥)のものだと、結構耳につくことがありました。その頃の「10代の女の子が歌っている」歌謡曲やアニソンに多いんですよネ。

*フォルマントピッチの高い音‥‥というのは、昔でいう「ぶりっ子」喋りの声質を思い起こしていただければ‥‥ですが、それを思い起こせるのは流石にアラウンド50以上の人か‥‥。

 

でも、最終的な音のまとめ方に因るのか、ものすごく気になる(=EssとShhが耳障り)音源はごく一部で、だいたいは程よい感じでした。

 

スネアの音一つとっても、時代の雰囲気が出ますから(というか、スネアの音って、時代がものすごく出ちゃいますよネ)、現代的な味付けを意識している製品ですと、たまにバランスが崩れてしまう昔の音源があったとしても、それはもう、しょうがないです。

 

 

 

時代の味‥‥といえば、KOSSのPorta Pro(ヘッドフォンです)は、まさに80年代音源を体現するような製品です。現代好みの、音圧がMAXで、中低音がファットな音源では破綻してしまうことも多いですが、80年代のまだまだ音圧に手加減していた頃のロックやポップス、ジャズ、フュージョンなどは、KOSSのPorta Proはまさに独壇場。

 

 

80年代当時の人々がどんな音楽に囲まれて生活していたのか、どんな「ノリ」だったのか、KOSSのPorta Proの音質設計だけでも伺い知れます。

 

 

一方、JBL GOは、老舗JBLといえども、やはり2010年代の製品ですから、現代的な味付けです。ビデオの音声ではなく、音楽を鳴らしてみると、幅8cmのコンパクトスピーカーと言えどものすごく低音が出ているのは、JBLに限らず、いまどきのスピーカーの特徴でしょうネ。

 

ふと考えてみると、PCやタブレットは、コスト云々よりも、中低音の及ぼす振動ゆえに、あえてスカッと腰の抜けたような音質にしているのかも‥‥とも思えます。コンピュータ製品設計の現場のリアルを知らないので、あくまで、想像ですけど。

 

 


Adobe Auditionのエフェクトプリセットの読み書き

Adobe Audition(音声編集ソフトウェア)のエフェクトプリセットを、他のマシンでも実行するために、その書き出し方法を早朝に探していたのですが、結局見つからずじまい。‥‥まさか、エフェクトのプリセットの読み書きは考慮されていない?

After Effectsの場合は、.ffxのプリセット書き出しが出来ますし、アンプシミュレータのソフトウェアでももちろんセッティングの書き出しはできます。‥‥ごく普通に考えて、エフェクトのプリセットが読み書きできないなんて考えられないのですが、私が見つかられないだけなのか‥‥?

2時間近く、方法を探していましたが、結局見つからず、睡眠時間だけが奪われる結果に‥‥。

しょうがないので、違う方法で「実質、エフェクトのプリセットを他のマシンに移植できる方法」を実現しました。

この手の問題の最終的な解決方法は昔から定番があって、ぶっちゃけ、Preference(初期設定)の移植です。‥‥ただ、Auditionの初期設定は、各カテゴリーごとに初期設定ファイルが分かれており、しかもXML(テキストファイル)で目で読めるので、移植は簡単です。

同じことで悩んでいる人のために、ドロ臭い方法ですが、ご紹介します。

/Users/当該ユーザ名/Preferences/Adobe/Audition/8.0/EffectPresets.xml
*Audition CC2015の場合

‥‥これがエフェクトプリセットの記述ファイル。中身を見ると<float>だののタグで様々な値が記録されております。

このファイルをた移植先のマシンに持って行って、既存の初期設定をバックアップした上で、同じ場所に置けばよろしいです。

何しろ平易なテキストベースのXMLファイルですから、内容テキストを分離・合体して、新たなエフェクトプリセットファイルも作ることもできましょう‥‥が、どのようなお行儀なのか私は解析していないので、腕に覚えのある人は自己責任にて。

ちなみに、Adobeの検索で引っかかった「アプリケーション設定」のファイルの書き出しでは、エフェクトプリセットは同梱されません。

うーむ。音声編集ソフトウェアとして常識的に考えて、エフェクトプリセットの読み書きは用意してあるはずなんですが、時間がないので、この方法で解決しておきました。

Apple Music、7,000曲。

iTunesを見たら、Apple Musicで追加した曲が、すでに7,000曲を突破しておりました。

1枚のCDアルバムが16曲入ると換算すると、CD430枚分? 輸入CD1枚が1,000円として大雑把に換算しても、恐ろしい金額になります。

うーん。Apple Musicは私にピッタリなサービス‥‥のようですネ。

‥‥ただまあ、99曲のコンピレーションアルバムも何点か含まれていますので、400枚はオーバーかな‥‥とは思いますけどネ。

それに7,000曲‥‥と言っても、アルバムごとダウンロードしてどんどん増えているので、実際に聴いている曲数はもっと少ないとは思います。楽曲再生時間と日中行動時間との、計算のツジツマが合わないですもんネ。

ただ、音楽を聴く機会はどんと増えています。どうせだったら、さっきダウンロードした曲集でも聴いてみるか‥‥と、耳新しい音楽も聴くようになりました。

全く聴かなかったジャンル、よく聴くジャンルの知らないアーティストのアルバムなど、CDならば出費を恐れて買い留まるものでも、無制限にどんどんiTunesに加えて聴けるので、歯止めが全くゼロになっております。

それが単に曲数増やしの無駄な行為ならまだしも、「こんなイイ音楽を今まで知らなかったとは‥‥」と感動することも多々あるので、Apple Musicは今後の私にとって、必要不可欠なサービスになりそうです。

Apple Music、その後

夥しい数の楽曲を楽しむことのできるApple Music。

‥‥ではありますが、手放しで喜んでもいられない、Apple Music独特の使いにくさも、1ヶ月使ってみて解ってきました。

まず、重要なポイント。

CDを沢山購入して何万曲というライブラリを築いている人は、導入要注意!‥‥です。

Apple Musicはクラウドライブラリという仕組みを使って音楽を自由に聴ける環境を整えます。これが良くも悪くも‥‥で、Apple Musicだけがクラウドにライブラリされるのではでなく、自分でせっせと購入しデータ化した楽曲データも全部ネットのクラウドにアップロードして同期してしまいます。

大してCDを買ってこなかった人は、特に問題も感じないでしょうが、音楽好きでCDを何百、何千と持っている人は、そのデータを全部Appleのサーバに送られてしまうわけです。これにはビックリ。

私はお試し‥‥という事もあり、音楽ライブラリを持たないiMacでApple Musicを使ってみたので難を逃れましたが、中には大量のアップロードをしてしまった人もいるのではないでしょうか。

ちなみに私が所有するデータは、3万曲を越し、データ量は300GBくらいあります。初期のデータがMP3でデータ量が小さいのでこれくらいですが、ロスレスで保存している音楽マニアの人は500GB〜1TBくらいはあるのではないでしょうか。

Appleの昔からのお家芸、「余計な御世話」がApple Musicでは健在です。どのマシンからも共通でオンラインなライブラリを使用可能にするために、そのような仕組みが必要なのは解るですが、他の方法は考えなかったのかな‥‥と思います。そもそも、全ての楽曲を全ての端末で共有‥‥なんて全ユーザに必要だと思うのかい? そんなに共有したい? 共有に夢見すぎてんじゃないの? 必要なものなんて、実はそんなに多いもんじゃないよ‥‥と思います。Apple Musicを使うと、門外不出の劇伴ラフミックスやデモ曲とかも転送されちゃいますしネ。

自分のライブラリを破壊されたくなくて、かつApple Musicを楽しみたい人は、マシンを分けたほうが無難ですネ。今のところは。

つまり、自身のライブラリはPC1、Apple MusicはPC2‥‥みたいにしたほうが、面倒がなくて良いです。そして自分のライブラリのPC1は宅内共有をONにして、他の端末(=音楽のローカルデータを持たない)で両方を聴けるようにしておけば良いです。要は、Apple Musicと自分のライブラリが混ざるのを、ハードウェアで切り分けるわけです。

「PC2台の重複管理をする事の方が面倒じゃん」と思うでしょう‥‥が、私もそう思いますし、事実、面倒です。ただ、Apple Musicの面倒な仕様を回避するには、今のところは、同じく面倒な対応で相殺するしかないのかも知れませんネ。もしくは、Apple Music自体をあきらめるか‥‥です。実際、そのApple Music&クラウドライブラリの内容を知って、使用を止めた知人がいますしネ。

また、Apple Musicは「どこでも自由に使えるわけではない」のも解ってきました。

「クラウドミュージックだから、どこでもOKなんでしょ?」と思われるでしょうが、ゆえに、クラウドに接続できないiPod nanoやシャッフルでは聴く事ができない‥‥ようです。まあ確かに、これも理由はわかりますが、以前の「購入した音楽」と同じ感覚では使えない事は事前に知っておくべき情報ですネ。

ちなみに、PCやiPhoneのオフラインにデータを保存して、一時的にネットに接続できなくても聴けるようにはなりますが、これもまた、操作方法が少々煩雑です。PCにオフライン保存したものは、iPhoneにもそのままデータ転送してくれれば良いものを、それはしてくれなくて、iPhoneではiPhone上でオフラインに保存する操作が必要のようです。まあ、プレイリスト丸ごとオフライン保存はできるのですが、いちいちユーザに手間を要求する仕様は、以前の使いやすさが大幅に減少したように思います。

あと、細かい点ですが、プレイリスト別のiPhoneへの同期機能は、何だかもう、意味がなくなりましたネ。クラウドで共有するのは楽曲データだけでなくプレイリストも対象になるので、クラウドで同期している端末のプレイリストが全て表示されちゃって、「iPhoneだけで表示したいプレイリスト」みたいな転送ができません。プレイリストを50個、100個作っている人は、これまた「余計な仕様で‥‥」と思うんじゃないでしょうかネ。

私はiPhone上での操作を極力さけたい人間なので、データだけ送ってiPhone上でプレイリストを新作すれば‥‥みたいな操作はしたくないのです。そんなリカバー操作に時間を奪われるのは、御免であります。

ただ、iほにゃららのアプリも新登場した時は、使い勝手がイマイチで、徐々に洗練されていった経緯がありますから、Apple Musicも徐々に使いやすくなっていくだろうと期待しています。

とまあ、手放しで喜べない部分もあるApple Musicですが、それを我慢してでも、得る喜びはデカいのも事実です。

流行している音楽やメジャーな音楽なら、特にApple Musicでなくても良いとは思うんですが、聴く機会の少ない、もしくは入手が難しい音楽、例えばワールドミュージックやクラシック、ジャズ、フュージョン、レアなライブ音源などは、「手を出したい放題」聴けて、夢のようです。私がこの1ヶ月で聴いた音楽を、リアルに購入していたら、数万円はいっちゃいますもんネ。

野放図、能天気にクラウドを信用せずに、クラウドの役割、自己所有の役割を見極めて使えば、Apple Musicなどのクラウドサービスは、新しい時代の新しい選択肢となり得ると感じました。「これからはクラウドの時代だ」なんて馬鹿な事は言わずに、両方をうまく使い分けてこそのリソース活用‥‥ですネ。

ちなみに‥‥Apple Musicの中には、最近の音源であるにもかかわらず、妙に音質が悪いものがあります。SP盤の復刻やモノラル録音時代の音源ではなく、1980年代以降の音源でも、音質が異様に粗雑なものがあります。レコード会社が「モンキーモデル」を提供しているんかいな? ‥‥理由はわかりませんけども。

クラシックは上品な音楽?

食事でナイフとフォークを使うと、何かかしこまってしまう‥‥というのは、私の父の世代くらいまでで、私の世代くらいからは庶民でも普通にナイフとフォークを使います。子供の頃から使っていれば、箸と同じように馴染むものです。鳥の胸肉のソテーなど、おそらく一番安い類いの料理だと思いますから(魚の切り身の方が高いですよネ)、「高級な食事でなくても、ナイフとフォークは使う」わけです。サイゼリヤのような安いメニューが並ぶファミレスでも、ナイフとフォークは普通に使いますよネ。

一方、音楽の「洋食」とも言えそうな「クラシック音楽」は、まだまだ「お上品扱い」なように感じます。聴こうと思えば身近に存在する音楽ですが、なぜか、ナイフとフォークのようにはなりません。しかも、トニック・サブドミナント・ドミナント、カデンツなど、音楽理論的に日本のポップスの基礎ともなっている存在なのに、「ベートーベン」とか聞くと「偉人の音楽」みたいにかしこまってしまうのは、何が原因なのだろうと思います。

洋食のナイフとフォークも、戦前・戦中時代の人々のように、使う機会が極端に少なければ、手に持て余して妙にかしこまってしまうでしょう。恐らく、クラシック音楽は現代の一般においても、聴く機会が極端に少ないので、身の丈の音楽として受け入れられないのでしょうネ。

作曲された当時はともかく、今は200円前後で100曲も聴けるご時世ですから、めちゃくちゃポピュラーな存在です。価格だけで考えれば、日本のポップスより格段に手に入れやすいはずです。

「でもクラシックは、聴き方がわからないから‥‥」と思う人もいるでしょうが、では、日本のポップスは誰かから聴き方を教わったのでしょうか? ‥‥聴いているうちに何となく、良い悪い、好き嫌い、かっこいい‥‥などの「自分なりの聴きどころ」「自分好み」を探していったのではないでしょうか。‥‥クラシックも同じプロセスを辿れば良いだけです。

ただ、クラシック好きの連中の中には、「自分はクラシックを聴いているから上級な人間だ」というタイプの輩が存在するのはたしかなので、そういう面倒な人間はスルーして、いいなと思った音楽をポップスやロックと同様にチョイスすれば良いだけです。「クラシックは上級だ」とか言っている人間に、「なぜ上級なのか説明して」と聞くとほとんどの人間が理路整然と明確に答えられないでしょうしネ。真にクラシック音楽の中にあるものを好きな人間は、「上級だから」なんて言わないものです。

私が「クラシック音楽」でオススメするのは、アマゾンの低価格コンピレーションシリーズです。200〜300円で99曲とか、コストパフォーマンス最強のコンテンツがズラリと並びます。

入門編のようなポピュラークラシックから、コンポーザーごとの曲集、ちょっと珍しいチョイスまで、多彩です。

とにかく何もわかんないから、コンピレーションを‥‥という人は、まずコレです。99曲の中には、必ず耳にしたことのある曲が含まれていて、親しみやすい構成になっています。

99 Must-Have Classic Gold 〜99曲で200円ナリ
99 Must-Have Classic Gold 2 〜99曲で300円ナリ


耳慣れた曲を狙い撃ちで聴きたい場合はコレ。

100 Must-Have Movie Classics 〜映画で使ったクラシックを集めて100曲で250円


作曲家別に聴きたい人も、安価に大量に聴けます。

100 Rachmaninoff Piano Favorites 〜ラフマニノフ(1900年代前期に活躍したピアニスト兼作曲家)が100曲で160円!!
50 Must-Have Beethoven Masterpieces 〜ベートーベンの50曲入りが250円
Claude Debussy - Essential Piano Classics 〜ドビュッシーのピアノ曲が83曲で160円!!
100 Must-Have Bach Masterpieces 〜バッハの100曲入りが250円!


楽器別や曲種別でも、安くいっぱい。

66 Must-Have Spanish Guitar Masterpieces 〜定番のギター曲が66曲
100 Must-Have Piano Concertos 〜ピアノ協奏曲が珍しいのも含めて100曲!


その他、250円以下でいっぱい聴けるシリーズ、クラシック以外も含めて、どかんと勢揃い。

250円以下のコンピレーション


クラシックといっても、ベートーベンやショパンだけでなく、まるでサントラのような猛々しい曲もいっぱいあるのです。‥‥まあ、クラシックとフィルムスコアは親戚のような関係ですから(クラシックの管弦楽法を学んだ人がサントラも手がけている事が多い)、当然といえば当然‥‥ですネ。


*何度も何度もいろんな場所で使われ続ける、オルフ作曲カルミナブラーナの「おお、運命の女神よ」。昔からオジー・オズボーンのライブのオープニングにも使われていましたネ。指揮者・演奏者によって様々に雰囲気が変わりますので、このYouTube以外の演奏も聴いてみるのがオススメです。

アマゾンの安く大量に聴けるシリーズとか、定額制のApple Musicとか、もはや音楽は「テレビで流れているものだけ」でなく、いろんな時代のいろんな国のいろんな音楽がフラットに聴けます。パソコンやスマホに割り込む宣伝では相変わらずの流行物ばかりでしょうが、ユーザ次第で色々な選択肢からのチョイスが可能です。

ファミレスに行って洋食を食らうのと同じく、スマホでクラシックを聴いてみるくらいで丁度良いかと思います。むやみにお上品扱いするよりは‥‥です。

流行を意識した大衆向けの音楽「だけ」を聴き続けるより、たまにはクラシックやジャズ、ワールドミュージックなどを聴いて、新たなインスピレーションを呼び起こすのも、映像制作者としては必要な事かも使れませんヨ。

ちなみに、以下は空戦ゲームのサントラです。クラシックの作曲法や管弦楽法と密接な繋がりがあるのがおわかりかと思います。しかし、このIL-2だけでなく、EAGamesなどの欧米ゲームのサントラはクオリティがメチャクチャ高いですよネ。マイケル・ジアッチーノとか、のちにハリウッド映画で頭角を表す作曲家が参加しているので、さもありなん‥‥ですが。


*私は「音楽」を感じさせるサントラが今でも好きです。メロディを持たない今風の音楽はたしかに「使いやすい」かも知れませんが、「観た後に、つい口から出る旋律」を持つ映画音楽が復活してほしいと思います。‥‥まあ、これは音楽を作る側だけでなく、使う側の問題、すなわち音楽にバックグラウンドを求める時点で、既に音楽は引き立て役にしかならないんですよネ。「ムジークドラマ」を、少しは意識すべきと考えています。映像を作る人間として、音楽負けしない映像を作りたいですもんネ。

メンデルスゾーン

フェリックス・メンデスゾーンはドイツ1800年代に活躍し、38歳で早逝した、ロマン派にカテゴライズされる作曲家です。ベートーヴェンの後期、ショパンとシューマンの1歳上、ワーグナーより数歳年上‥‥と言えば、クラシック音楽に少し興味のある人なら、大体の作風が想像できるかも知れませんネ。

パッと聴いた感じだと、派手な冒険をしない楽曲、ど派手な演奏効果を狙わない「保守的」なスタイルから、特に日本ではあまり興味を持たない人も多いように思います。モーツァルトやショパン、ワーグナーは聴いたことがあっても、メンデルスゾーンは‥‥と。

私は、小さい頃に「無言歌」の「春の歌」の雰囲気が好きで、よくレコードで聴いていましたが、その程度の認識でした。あと有名なのは、結婚行進曲でしょうか。

しかし、歳を重ねるにつれ、他の楽曲を聴いてみると、なにかシミる楽曲が多く、また少年時代の楽曲(メンデルスゾーンはゲーテも認める早熟な天才肌だった)は深みはないものの、「音楽の楽しさ」が溢れていて、「決して、退屈なクラシック」ではないと、今は感じるようになりました。

実は前々からメンデルスゾーンには惹かれていて、無言歌集の楽譜やCDを買ったりしていたのですが、Apple MusicのおかげでString Symphony(日本語だと弦楽交響曲?)などが簡単に全曲聴けるようになって、確実に「メンデルスゾーンは好きなコンポーザーのひとり」と確信できるようになりました。

*肖像画は、少年時代のメンデルスゾーン‥‥とのことですが、随分とまあ、成人後の肖像とは違いますネ。

String Symphony(12曲あるらしいです)の最初の数曲は、メンデルスゾーン12歳の頃の楽曲ですが、よく知られるメンデルスゾーンの作風とは異なり、対位法の影響が大きく現れており、「マタイ受難曲」を復活上演したその後の彼の片鱗が窺い知れますネ。私は第1番を、随分昔‥‥30年前くらいにエアチェック(=懐かしい言葉すね)で聴いており、楽しい作風に惹かれたものでした。


*のちの楽曲でも顔を出す、対位法的な趣向が、ここでは全快ですネ。ロマン派の時代に生まれた少年が、対位法を楽しんで書いたような雰囲気の曲です。これは聴く人以上に、演奏する人が楽しい曲のようにも思います。

叔母さんがバッハの息子さんの教え子だったり、14歳の頃にその叔母さんに「マタイ受難曲」のスコアをクリスマスプレゼントとして貰ったり、かなり音楽的な環境に恵まれていたのも事実のようです。

人生の長い期間に渡って何曲も書かれたピアノ曲「無言歌」は、弾く人によって大きく深みや味わいが変わる曲です。メンデルスゾーンはいわゆる「保守的」なフレーズや展開、響きを好むので、弾き方によっては「クラシックに聴こえすぎる」ように感じることも多いのですが、奥底の琴線を爪弾かれるような演奏を聴くと、俄然、魅力的な楽曲として染み渡ります。私の好み‥‥で言えば、「無言歌は無頓着に弾かないでほしい」‥‥と思います。別にもったいぶらずにサラッと弾いても良いものは良いんですが、消化試合みたいにして演奏されちゃうと、全く曲の良さが伝わってこないのです。もしかしたら、無言歌って、演奏者の「その人の感じ」が出やすいのかも知れませんネ。

メンデルスゾーンって、銀行家の息子で、音楽的な環境にも恵まれ、著名人と若い頃から交流があって‥‥と、「上流階級の音楽家」とか穿ってみられちゃうかも知れませんが、音楽はどうにもウソはつかないのです。例え境遇が恵まれたものであっても(実は色々と問題はあったようですが)、私のような平民でも共鳴するような、どこか「等身大の人間臭い」ところがあるんですよネ。それを感じられるか否かで、親しみも大きく変わってくると思います。

例えブルジョワ育ちでも、彼は38歳で死んだわけです。とっつきにくく、ナイーブな人間だった‥‥との記述もあります。実家の銀行は、本人は音楽に専念すべく、弟さんが引き継いだとのことです。

‥‥何か、そんなこんなが、まさに「無言」で「無言歌集」にも表れているようにも思うのです。


*ギレリスの弾く無言歌「デュエット」は染み入りますね‥‥。

Apple Music

前から気になっていた「Apple Music」。3ヶ月のお試し期間で使ってみました。

実は、最近まで「いくらなんでも、Appleの提供する途方もない楽曲を、980円で聞き放題だなんて、あり得るのか?」と半信半疑でした。子供の頃から、レコードやカセットをお小遣いを貯めて買っていた世代の私としては、にわかには信じられなかったのです。提供されるのは、流行りの一部の音楽だけ、もしくは米国人好みの音楽だけで、マイナーな楽曲は対象外じゃないのか?‥‥と。

結果。‥‥ほんとに980円ポッキリで聴けちゃうんですネ。

Brecker BrothersやAllan Holdsworth、Soft Machineなどの今ではあまり話題に上らないクロスオーヴァー・フュージョン、コダーイの合唱曲などの少々マイナーなクラシック、米国の流行とは無縁の昔の歌謡曲など、いろいろ検索してみましたが、確かに全部頭から尻尾まで聴けます。

そして、ローカル(手元のPC)にもダウンロードできます。もちろん、AACの再生保護はかかっていますけど、それは有料のコンテンツとて同じです。

これは凄いすネ。今から死ぬまで音楽を聴き続けても、とても聴ききれない膨大な楽曲が、Apple Musicのライブラリには存在し、それを自由に聴けるのですから。

よく考えてみれば、‥‥いや、よく考えなくても、ディスクやファイルを買ったからって、自分のものになるわけではないのです。ディスクやダウンロードしたデータは、楽曲を聴くための「媒体」であって、楽曲の所有者や権利者が購入した人間になるのではなく、「聴く権利」「聴ける状況」を買っただけに過ぎません。CDを買えば、円盤に記録された音声データを聴けるようになる‥‥だけの話です。

それに、ぶっちゃけ、音楽を聴けるのは生きている期間だけです。どんなにCDをコレクションしようと、それを聴けるのは生きている時だけ。

ディスクやデータファイルを手元に置くことに固執し過ぎていたんじゃないかな‥‥と、自分を振り返って思います。

もちろん‥‥ですが、Apple Musicが膨大な楽曲数を誇ろうと、音楽の一部でしかありません。アルバムが少ししかラインアップされていないミュージシャンはいますし、2000年代になって復刻された70年代の歌謡曲のライブアルバムも見かけません。音質はMP3より高音質なAACとはいえロスレスではありません。

ただ一方で、現在では手に入らないCD、もしくはプレミア価格でバカみたいな高値になっているCDの楽曲が、スルッと聴けたりするのも特徴です。

要は、Apple Musicに切り替えるのではなく、今までの音楽との付き合い方に、もう1つの強力な選択肢が増える‥‥と考えておけば良いのですネ。

円盤にこだわらない、作品の楽しみ方。

‥‥これは、我々映像制作の人間にとっても、未来を暗示するメソッドでしょう。ただまあ、例えば4Kの60pは、映像制作者が自信を持って提供するには、ネットでストリームしたりダウンロードするのはインフラの品質的にかなりキツいので、もう少し未来の話だとは思います。

私も、Apple Musicのような媒体を通して、映像作品を提供できるようになれば、願ったり叶ったり‥‥なんですけどネ。

GarageBandのバグ、10.1で治った

前々回のブログで、GarageBandの辛いバグが、10.1へのバージョンアップによって直った‥‥ような事を書きましたが、さらにイジってみて「十分使えるまで復旧した」感触を得ました。前のバージョンはほんとにヒドかったもんなあ‥‥。

「直った」ではなく、「治った」と書くのが適切なくらい、珍妙なバグでしたもんね‥‥。

動作が鈍くなるバグも払拭、ノートデータをクリックすると異空間に飛ばされるバグも解消、とりあえず、この2つが直れば使用上は大丈夫です。

試しにアニメじゃない曲も打ち込んでみました。私の好きなコダーイの曲から、有名な「ウィーンの音楽時計」の冒頭部分です。



前にも書きましたが、Main Stageというソフトを追加購入すると、膨大に音色が増えますので(記憶容量も50GBくらい消費しますが)、このあたりのオーケストラ編成ならば、音色に不平を言わなければほぼ全部揃っています。

ちなみに、「ハーリ・ヤーノシュ」はスコアを所有しておらず、ISMLPにも無かったので、色々と検索してたら、「ニューヨークフィル」のデジタルアーカイブを見つけました。書き込みがしてあるのが、ナマナマしくてイイすネ。
*スコアの存在しない楽曲は、耳コピもやむなし‥‥ですが、スコアが確実に存在する楽曲は入手して、スコアをコンピュータ用に解釈して打ち込むのが一番です。





さらに調子にのって、大半をエレキギター一本で演奏する「The Rain Song」も打ち込んでみました。​若い人には馴染みが薄いかもしれませんが、Led Zeppelinの名曲です。‥‥知っている人なら、レコードではなく、ライブの演奏から音を拾った事がお判り頂ける‥‥と思います。調がGではなく、Aなのが特徴ですネ。

この手のニュアンスの繊細な演奏は、コンピュータの打ち込み音楽では大の苦手なんですが、どのくらい雰囲気がでるか、やってみました。



ムービーのキャプチャをご覧の通り、GarageBandにはギターアンプが内蔵されていて、生のギターだけでなく、サンプリング音源の音色にも適用できるので、音色を大幅にカスタムすることが可能です。アンプは何種類もあって、全部はとても試しきれていません。加えて、ストンプボックス、つまり足踏み式のエフェクターがさらに多数あり、収録マイクの種類と位置まで設定できるので、音色を全部チェックするのは無理かも‥‥。使いこなせば、もっとジミーペイジの音色に寄せた、甘いトーンとオーバードライブ感を兼ね備えた音色が作れるかも知れませんネ。

途中で入る「ふにゃ〜〜」という独特の音色のメロトロンのサンプル音源は、GarageBandかMain Stageに入っているらしく(=音色一覧をみたら、いつの間にか並んでました)、プリセットのまま使いました。

エレキギターのアルペジオ(=大量のノートデータ)を打ち込んでみましたが、10.0の時のような操作の重さ・鈍さは発生しませんでした。‥‥10.1でバグは解消したんじゃないで‥‥しょうか。(まだ、何が起こるかはわかりませんが)

普段は、アニメの懐かしいBGMの「耳コピ」をアップしていますが、GarageBandの表現能力は多岐に渡ります。10.0では操作性に重大なバグがあり、「なんだこりゃ」と使うのを放棄した人もいるかも知れませんが、10.1からは正常に戻っていますので、Macを持っているのなら一度は遊んでみると楽しいですヨ。

 

GarageBandのバグ、10.1で解消された‥‥か?

最近のバージョンのGarageBandは、深刻なバグを抱えていて、扱いが非常に厄介な面がありました。ノートデータ(音の発音データ)を編集していると、みるみる間に動作が重くなっていき、最後には、なんらかの操作のたびに数秒待たないと反応しない、致命的なバグでした。再現度は100%で、私の所有する複数のMacOSX環境でも共通して発生しており、AppStoreのレビューでも同じバグの報告が書き込まれていました。

このバグの解消法は、「一旦、ファイルを閉じて、再度開く事」です。アンドゥキャッシュがどんどん溜まって、重くなるような感じなので、ファイルを閉じるとキャッシュも破棄され、リセットされて軽くなる‥‥みたいな感触です。このバグの本当の原因は、インサイダーではないので解りませんが、面倒ながらも、ファイルのリオープンでごまかして使っていました。以前ブログで書いた、宮川奏氏の楽曲を耳コピした時も、この煩わしいバグを抱えながら、作っていました。

ここ数日の間に、GarageBandの新しいバージョン「10.1」がリリースされたので、バグ解消を期待しつつ、早速使ってみました。



以前のバージョンなら、100%の確率で重くなっていた操作(ピアノロールでのノートデータの編集)も、10.1の新バージョンにおいては、とりあえず問題無しです。「とりあえず」なのは、まだ使い込んでおらず、何があるかわかりませんので‥‥。

今のところ、ノートデータをクリックすると、全く違うデータにジャンプしてしまうバグも出ておりません。10.0は相当、格好悪いバージョンで、Appleの内情がひしひしと伝わって来ていましたが、10.1でまずは目立つバグは収拾しているように感じます。

10.1へマイナーバージョンアップして、とにかくは、GarageBandがまともになった‥‥。


追記:試しに、私の世代には懐かしい、「マジンガーZのBGM」を少しだけGarageBand 10.1で作ってみました。10.0で発生していたバグに悩まされる事もなく、円滑に作業できました。

楽曲は、とことん「7#9押し」の「ど直球」なのが素敵ですネ。私の世代(昭和40年代前後の生まれ)は、この「7#9」の和音を聴くと、「悪の軍団」をイメージする人も多いかも知れません。渡辺宙明氏といえば、やはりこの「7#9」、そして「ティンパニ」「ブラス(Brass)主役」ですネ。



ブラスは途中から消えます。強弱(金管のプワ〜というクレシェンド・デクレシェンド)のエクスプレッションも追加していません。さっき作った、作りかけです。‥‥「耳コピ」はあくまで趣味なので、のんびり、本業の合間に作って、いつか完成するとは思います。

‥‥Appleはシャレオツな「HipHop」とかを作らせたいみたいだけど、私は自分の好きなように、 GarageBandを使わせていただきます。
 

宮川泰・賛

「ヤマト」の本放送が小学1年、「さらばヤマト」が小学5年の頃だった私は、「ヤマト世代の下のほう」と呼べる世代です。私はどちらかというと、999の方が好みだったのですが、ご多分に漏れずヤマトにも親しんでいました。ヤマトのメンコは今でも保管してありますし、小学生の頃に出版されたヤマト設定資料集も現存所有しています。

なので、ヤマトの音楽にも深い愛着があり、それはやがて作曲者の宮川泰氏の他の楽曲への愛着にも繋がっていきました。単に惰性で‥‥ではなく、もともと気になっていた楽曲が、実は宮川泰氏の楽曲だったという事が後年になって解り、より一層愛着を増したのです。例えば、カリキュラマシーンのちょっと悪ノリした軽快な音楽は、氏によるものです。もちろん、ゲバゲバ90分の音楽(今はビールのCMでおなじみ)も。

また、氏のもつ節回しや和声感覚が、私の琴線を大きく揺さぶった事も大きいです。私は小学校に進学する前の随分小さい頃から、家にあった「ヨーロッパ映画音楽集」(=父が購入)のレコードを愛聴しており、ミシェル・ルグランやフランシス・レイ(当時はもちろん、作曲家の名前まで気がまわりませんでしたが)などの半音階進行を伴ったアンニュイな響きにわけもわからず親しんでいました。また一方で、「ホームクラシック全集」(=母が購入)に収録されていたチャイコフスキーの東欧的な響きにも親しんでいました。R&Bやジャズのリズムの上で、滑らかで色気のある主旋律と内声がたゆたう、氏独特のスタイルが、少年時代の私を自然と虜にしていったのは、ごく自然な流れだったと思います。

氏は、とてもシンプルな構成のスコアを書く反面、響きを濁らす寸前のギリギリの内声を用いてスリリングでエロい(=賛辞として)テンションを醸し出す事も往々にしてあり、その多様性も魅力でした。

例えば、カリキュラマシーンのイントロでは、あっけらかんとしたペンタトニックスケールの下降フレーズを、3オクターブにわたるユニゾンだけで強烈に、半ば悪ノリ的に、印象付けます。さらばヤマトのメロディアスな楽曲(後述の「想人」など)において、テンションノートを駆使し、しっとりとした気怠さを表現したのと、まるで真逆のテンションです。

氏の多彩さはこれに留まらず、攻撃的な戦闘シーンの音楽や、朗らかでのどかな音楽など、カリキュラマシーンのサントラを聴くだけでも、氏の音楽の幅広さ、そして楽しさが伝わってきます。

最近息抜きに、昔から興味のあった、カリキュラマシーンのテーマ音楽と、さらばヤマト・サウンドトラックの「想人」を、実際にガレージバンドで耳コピしてみました。当時のスタジオミュージシャンの演奏に及ぶべくもないですが、どんなからくりで「宮川メロディ」が成り立っているのか、ガレージバンドで打ち込んで分析してみた次第です。


カリキュラマシーン

*「シャバダバ」なんて鳴る音源はないので、少年合唱は一般的なクワイア音源です。


さらば宇宙戦艦ヤマト「想人」

*主旋律は、川島和子さんの美声に似るわけもないので、ハナからあきらめ、シンセ音で演奏しております。‥‥つーか、弦セクションにしても、金管木管にしても、生演奏には遠く及びませんが‥‥。

YouTubeさん、著作権周りのアレコレ、ありがとうございます。(ユーザ本人の自演に限り、YouTubeが著作権周辺の面倒を見てくれます)
*詳しくは、JASRAC Webサイトの「動画投稿(共有)サイトでの音楽利用」をご覧ください。



両極端な音楽のように聞こえますが、カリキュラマシーンの中間部の和声進行は、メロディアスな展開を得意とする氏ならではですし、「想人」の「場面転換」時に奥で聴こえるマイナー6th7#9の響きは、クラシック音楽ではなくR&Bやジャズなどのスモーキーな感触を巧みに活用しています。

「想人」に見られるテンションノートの扱いや内声の半音階進行は、シンプルで素朴なものが好まれる昨今ではあまり耳にしないものなので、若い人には耳慣れない響きかも知れません。今どきのスッキリした循環コードによって構成された楽曲とは一線を画す響きです。実際、耳コピにおいても、音を拾うのは難しく、6,7,9,13と言ったテンションノートに耳をとがらせつつ、内声の動きの経過音も聴き逃さないようにします。

ぶっちゃけ、私も全部は拾いきれておらず、CD900ST(ヘッドフォン)で原曲を聴き直したら、まだ随分と拾えてない音が聴こえて、ちょっと落胆。でもまあ、とりあえず、アップしました。原曲はもう少し、エロい音(=響き的に)が入ってます。


耳コピする時は、AKGよりもソニーのCD900STの方が向いてるかな‥‥

「想人」のもつ女性的な美しさは、単にお人形的に整った可愛い美しさではなく、何か憂いを帯びた大人の美しさが魅力です。まさに、「ドミソ」だけで終わらない折り重なった和声やアレンジが、大人の女を表現しているわけです。‥‥そうか、今はそういう大人の美しさを表現するアニメがほとんど消え失せたから、こういうしっとりした音楽も必要とされないのかも知れませんネ。

また、さすがに現場の経験が豊富な氏だけあって、ミュージシャンの演奏性を活用したアレンジも豊富です。その辺はもう、サンプリング音源やシンセ音源による打ち込みでは太刀打ちできませんネ。

ちなみに、ガレージバンドは、Main Stageという3000円の追加ソフトを買い足せば、今回のような豊富な音源が使用可能になります。素の状態のガレージバンドでは、ヴィブラフォンもハープも無いですし、木管も金管も、何もかもが足りません。ハープがなければ、「想人」の1小節目から苦慮します。(一見、ピアノだけに聴こえますが、ピアノとハープのユニゾンです)

Main Stageで音源数を増やした後は、現在のiMacの処理能力をもってすれば、50パート以上の編成もごく普通に処理します。

カリキュラマシーンの主題曲は、ドラム、ベース、パーカッション(カウベルのみ)、ピッコロ、トランペットが2人くらい、トロンボーンも2人くらい、サックスが1人、シロフォン(木琴)、ピアノ、アナログのモノフォニックシンセ、そして少年合唱といった構成だと推測されます。打ち込みでは吹奏楽器の単体では中々勝負できないので、さらにクラリネット、チューバ、その他の金管を増強しています。弦楽(バイオリンやチェロなど)は無しのようです。

この頃(カリキュラマシーン)の楽器編成では、「弦楽無し」のケースは結構あって、例えば三沢郷氏作曲のデビルマンのサントラは弦楽無しですネ(主題歌は弦楽ありです)。

さらばヤマトはさすがに「お金」が豊富だったのか、弦五部と金管、木管、パーカッションなどのいわゆる「オーケストラ編成」にバンド編成を加えた規模になっていますネ。「想人」ではトレモロをたっぷり効かしたヴィブラフォンも必須です。

ちなみに‥‥、需要があるかはどうかは解りませんが、トラックをオフにすれば簡単にカラオケが出来るので、上記2曲のカラオケも出力しました。ヤマト世代の方は、ぜひどうぞ。

カリキュラマシーンのカラオケ(需要があるとは、思えませんが)



さらば宇宙戦艦ヤマト「想人」のカラオケ(これは女性ならば、歌って心地良いかも?)



こういう「打ち込みによるコンピュータミュージック」を作っておいてナニですが、生楽器演奏の「再現」「模倣」というのは、音楽そのもので考えれば、不毛な行為だなとは思います。生楽器の演奏性を期待して作曲された音楽は生楽器で演奏するのが一番ですし、そもそも曲を聴きたければ、オリジナル楽曲をCDなどで鑑賞すれば良いのです。シンセの音はシンセの「一番得意な音」を使えば良いので、代用品的扱いはあまりにも「不利」です。

ただ、「ファン心理」として、また「プラモ的ホビー」として、たとえ「ミニチュアスケール」でも手元で「鳴らしてみたい」というのがあります。ここで公開したガレージバンドによる「模倣」の演奏は、演奏の意義云々というよりは、ホビー的な楽しみのほうが強いです。実際、こうした「耳コピ」の演奏プログラミングは、スケールモデルのプラモの作り込みに似てて、どこまでディテールアップするか、買い足すパーツ(音源とか)や制作時間が底無しで、まさにホビー的な魅力があります。手の届かないものを、ミニチュアであっても、自分で作って手元におきたい‥‥という。

一方、プロ現場の作品制作においては、生楽器は生楽器の良さ、シンセはシンセの良さを活かした楽曲が良いなと感じています。代用品的発想は、決して本物を上回る事はなく、ショボいベクトルにしか傾きませんもんネ。(コストの問題で仕方なく‥‥という事はあるとは思いますが‥‥)


話を戻して、宮川泰さん。

小学生の頃に聴き始めた、氏の音楽は、おそらく私が爺になっても、聴き続けているように思います。長い付き合いは、まだまだ続きそうです。


*注)色々と問題の多い、著作権絡みですが、「自演のカバー曲」は、「著作権利用包括契約」を締結した動画共有サイトでのみ、公開する事が可能です。自演であっても、動画共有サイトを通さずに、演奏曲のデジタルデータを無許可で直接リンクする事はできません。もし、自分のWebサイトに直接データを貼りたいのなら、権利者(の代行)に公開規模に応じた金額を支払う必要が生じます。動画共有サイトにおいて、投稿ユーザが無償で済んでいるのは、金銭を含む権利関係もろもろをサイト主宰者が面倒見てくれているので、他人様の曲でも「自演ならば」公開できるのです。もし、無償で自由に公開したいのなら、自分で作曲した音楽を自分で演奏して、すべてオリジナル状態で作り切るしかありません。


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