オート三輪

「脱シンナー」模型制作。‥‥軍用だけでなく、民間の車両なども、アクリル絵画方式で作っています。

 

ただ、磨き上げられたスポーツカーは、筆塗りだと相当難しいです。‥‥というか、私はきれいに作れません。均一に塗装できるエアブラシだって、相当、テクニックが必要ですもんネ。デカール貼り後のクリア塗装研ぎ出しとか、軍用モデルとは異質の世界です。

 

なので、民間車両でも「働く車」系を作って、軍用機などと組み合わせます。1/32のアリイの自動車シリーズは、1950年代の車から90年代まで幅広く、アラウンド50の私でも記憶が曖昧なくらい小さい頃に見たオート三輪などもラインアップされています。

 

 

 

いつものように赤銀と黒銀でまだらに下塗りして、基本色をムラ塗りします。ムラを作らないと色にコクがでないので、わざとムラが出るように、タミヤアクリルは水や溶剤で薄めてサラサラにして何層も塗ります。

 

 

 

 

今日はここまでで、しばらく乾かします。

 

この後、ブロックごとに組み立てたら、筆で風合いやディテールを描き込んで、エナメルも併用して‥‥と、先は長いですが、絵を描くがごとくの楽しい作業です。

 

 

 

ボディの水色はテキトーに混色して作りました。

 

架空の歴史設定を考えているので、色も架空でOK。

 

実在した実車を作るのも楽しいですが、プラモは自由に作れるんだから、空想の世界でも良いですよネ。

 

近年のスケールモデルは「現実との考証をしないとアカン」みたいな風潮が長く続いていて、ゆえにプラモは「なんだか敷居が高くてめんどくさそう」と思われているんじゃないか‥‥と感じてます。スケールモデル(色プラのガンプラではなく)のプラモを作ったことのない人って、90年代生まれ以降にかなり多いんじゃないですかネ。70年代の子供の頃に戻ろう‥‥とまでは言いませんが、もっと空想や夢想を許容しても良いんじゃないかと思っています。

 

「どこどこの工場で、何年に製造された」みたいな考証なしでも、プラモは楽しめますよネ。

 

 

 

しかし、ツヤあり塗装は軍用のツヤなしと違って、勝手が違って戸惑いました。リターダーとか使えば良いのかな?

 

でもまあ、あまり深刻にならずに、「ボブの絵画教室」みたいな発想で、「楽しいハプニング」として気楽に作っていこうと思います。

 

 

 

 


旧キット

今から20年以上前に購入したキットも多く含まれる、私のプラモストック。古くは私がアニメーターの駆け出しの頃に買って(30年以上前‥‥)、未完成のまま放置されているのもあります。

 

その昔、三鷹にナカマ模型があった頃(今はもう西荻も閉店しましたが)に買ったキットも残っており、いつまでも棚の肥しにしておいては、死ぬまで積んだままになりそうなので、今年は2020年ゆえに区切りが良いと感じて、どんどん消化していくつもりです。

 

実際のところ私は、「どうやって作れば良いか、悩んだまま」、プラモを作りあぐねていたような気がします。仕事用のプラモは目的がハッキリしているので、どんどん割り切って作れますが、趣味の世界で‥‥となると、「自分はプラモを通して何が作りたいか」が曖昧で、模型雑誌の凄すぎる作例を見ては「耳年増」になり過ぎて頓挫を繰り返していたと思います。

 

が、前にもこのブログで書きましたが、今はもう「やりたいことは明確」=「プラモの箱絵を描くように、プラモを作りたかった」ことが自覚できたので、迷うことなく、どんどん制作を進めています。テクニックでつまずくことは今でも多いので、簡単には完成しませんが、昔のように根本的な方針で停滞することはなくなりました。

 

とはいえ。

 

1ヶ月で2つ完成しても、1年でたった24個しか作れません。つまり、10年で240個です。‥‥ヤバい。ストックのほうが断然優っています。

 

なので、「キットのディテール表現の何々が云々」「工作して改造して」などの実作業で手のかかる思考は意識的に避け、「キットあるがままの姿」で組むことにしています。

 

 

 

私はまともにBf109を作った記憶がないのですが、おそらく、少年時代に松本零士さんのコミックで馴染んで、自分の中でハードルを上げ過ぎていたのだと思います。

 

ドイツ機は塗装も複雑ですしネ。

 

しかし、アクリル絵具でイラストを描くつもりで、プラモの表面を塗装すれば良い!‥‥と今は割り切れたので、ハードルが下がった‥‥というよりはハードル自体が撤去されました。

 

ドイツのゼロ戦とも言える代表格の、メッサーシュミットのBf109またはMe109。

 

ちなみに、社名のバイエリッシュ・フルークツォイクヴェルケのイニシャルBFと、主任技師のメッサーシュミットの略字MEは、ぶっちゃけどっちが正しいということではないらしいです。戦中にドイツ国内でもBfとMeの表記が入り乱れて統一されてなかったとのことです。

 

既に作り始めているGとK型の1/48に加えて、ちょっと珍しいB型の1/48も着手しました。B型のキットは、三鷹のナカマ模型で買った記憶があります。

 

ホビークラフトが出回っていた時期に買いましたが、今思えば、C型もD型も買っておけば良かった‥‥。

 

 

 

パッケージや塗装指定図を見れば(判る人なら)お判りのように、スペイン内戦の時の「コンドル軍団」仕様の機体を作ることができます。ドイツ空軍のコンドル軍団は、ピカソのゲルニカで間接的に名が知られてますね。

 

E型以降、特にG型になると、食傷気味になるほど様々なキットが発売されていますが、E型より以前の型(A〜D)となると、1/48ではほとんど見かけず2020年の今はキットの入手が困難です。最新の考証を盛り込んだ‥‥との8千円くらいのキットもあるみたいですが、手軽に作る人向きではないですネ。(Bf109の1/48で8千円はマニア向けの価格設定ですネ)

 

プロペラが2翅で700馬力のエンジンと、のちのBf109に比べれば随分とプアなルックスとパワーですが、それもまた作り手の興味を惹く要素です。3万機以上も作られたBf109のスタートがどのようなものであったのか、工業技術の歴史的にも興味深い機体です。

 

まずは下塗り。筆塗りの下地になります。数日放置して乾かすと、同じアクリルで上塗りしても泣き(湿って溶け出す)がありません。その辺はリキテックスなどと同じです。

 

 

 

40代前半までは、キットをコレクションすることにさほど疑いをもちませんでしたが、今は「貯め込んだところで、最終的にどうなるんだろう」と思うことが多くなり、コレクター癖の変化を自覚しています。「いつか作る」と言う若い頃の感覚(というか「言い訳」)は、アラウンド50ともなると、自分のココロの中で自分に対して通用しなくなります。‥‥個人差はあるとは思いますけどネ。

 

なので、プラモはどんどん作る。達人の作例を見て憧れて、できもしない構想を膨らますより、可能な身の丈で考えます。

 

もちろん、プラモ作りをメインにしてたら、自分の生活がおかしな話になるので、合間合間‥‥ですけどネ。

 

 


オリーブドラブ2

タミヤのアクリル塗料は、シンナー臭がしないのは良いのですが、ラインアップにムラがあって、色が存在しない場合は調色が必須です。

 

ソビエト戦車に使う「オリーブドラブ2」がないのは、昔からのナゾです。でもまあ、ソビエト戦車に「オリーブドラブ」というのも妙な感じですし、「ロシア戦車」に指定されているダークグリーンは暗過ぎる感じがしますし、陸上自衛隊ODを使うのも気が引けるしで、テキトーでも良いから調色することにしました。

 

今回のお題は、1/48のJS-2です。

 

豊富なWikiの写真から1枚。

 

*この「シロクマさん」の「432号車」は、まさにタミヤの1/48, および1/35のMMキットにあるヤツです。車体前面の「432」が無いなど、相違点もあるようですネ。

 

 

結構、緑ですネ。オリーブドラブ1の茶色がかった色ではないです。

 

ダークグリーンを明るくすれば、作れそうな感じです。なので、安易に、ダークグリーンXF61に、スカイグレイXF19をちょっとだけ加えました。お試しなので、目分量で計量せずに。

 

 

 

XF61は、今となっては懐かしい、大瓶時代のタミヤアクリルです。賞味期限を過ぎてる感があるので(瓶の中で色が妙に分離している)、早く消費するためにも今回多めに使いました。スカイグレイはアメリカ軍用機を作っていると多く使う色なので、ストックを使いました。

 

とりあえずは下地として塗ってみました。

 

 

前出のWikiの写真とは照明の条件が根本的に違う(室内のLED照明)のですが、肉眼で見ると模型実物はもう少し緑が強めです。

 

ただ、写真写りの雰囲気も混みで色彩を表現したいので、調色はもう少し緑の色味を強くしようかと思います。墨入れやウェザリングで彩度・明度(映像で言うとサチュレーションとブライトネスですネ)が落ちることも考慮して、損失分のマージンを含めておいたほうが良いですネ。

 

プレビュー.appで簡易調整しましたが、模型実物が下図くらいの写真写りになるように、再度塗料を調整します。

 

 

 

調整した画像の、キット奥の箱の色の変化を見ると、明るい黄緑方向にホワイトバランスが傾いた感じです。つまり、その傾きを、タミヤカラーの調色で表現すれば、屋外展示のソビエト戦車に似た基本色が作れそうです。

 

XF5のフラットグリーンと、XF21スカイを様子を見ながら足せば、上図のような色に変化するんじゃないかな、たぶん。

 

自分ながら意外ですが、日頃はRGBの世界に漬かっていても、塗料相手になると即座に水彩や油彩時代の勘が呼び戻されます。三つ子の魂百まで‥‥というか、10代まで経験は死ぬまで健在‥‥という感じですネ。

 

 

 

大体の割合をメモしておいて、後で調合の割合を整数化します。0.1グラム単位で計測可能なスケールでいつも調合してます。

 

例えば、ソビエト空軍時代のミグとかスホーイの銀って、「銀」の塗料の色とはかけ離れています。かと言って、フラットアルミやクロームシルバーとも違います。そんな時は、色を作ってしまえば良いのです。0.1グラム精度のスケールで測りながら。

 

*1グラム精度では、塗料の調合には大雑把過ぎます。0.1グラムモードのついている機種が良いです。

*ちなみに、タミヤアクリルの1瓶の内容量は、大体11.5〜12.0グラムです。調色するうちに知りました。

 

 

 

‥‥とは言うものの、私が今目指しているのは、「ベタ塗りをしない」絵画技法的アプローチなので、基本色を作ったからと言って、それをベタで塗ったりスプレーすることはないです。

 

隠蔽力の強弱によって色彩をコントロールする絵画的技法です。

 

色自体の隠蔽力の他に、水で希釈した場合とアクリル溶剤で希釈した場合、希釈の濃度によっても、結果は多彩に変化するので、単色に拘るのはある程度まで‥‥です。

 

タミヤアクリルの良いところは、アクリルの上にアクリルを上塗りしても「泣かない」(乾いた塗料が溶剤成分で溶け出さない)ところです。まさにアクリル絵具の手法が応用できて、故意に隠蔽力を不安定にして表情を出すことが可能です。

 

 

 

実際の塗料の色は厳密にはどんな状態だったか‥‥なんて言い出したら、いつまで経っても考証に明け暮れて、積んどくプラモが増えるだけですよネ。プラモキットを買うだけで作らずに死ぬんじゃ、モデラーではなくキットコレクターの人生です。

 

毎回調色する手間を削減するくらいのキモチで瓶詰めの塗料を考えて、実際に塗る際は、自分の思うように「プラモの表面にボックスアートを描く」くらいが、少なくとも私にはちょうど良いココロのテンションです。

 

子供の頃に戻って‥‥とはいかないまでも、達人モデラーの作例に似せないと作る意味がないなんて思わないで、もっと気楽に作りたいものですネ。

 

 


脱シンナー制作その後

脱シンナー‥‥と言っても、シンナー中毒からの脱出ではなくて、シンナー系塗料〜つまり溶剤系アクリル塗料を一切使わずに、しかも筆塗りメインで模型を仕上げる方法のことです。

 

実は延々と技法のアプローチを続けているのですが、作業途中で写真を撮るのが面倒でなあ‥‥。

 

それに、脱シンナーと筆塗りはカテゴリーが違うので(材料の選択の話と、塗り方の話は、別)、どのように「技法一式」として扱うかを塗りながら作りながら考えていました。

 

おそらく、

 

絵画的アクリル筆塗り技法

 

‥‥という呼び名になると思います。

 

プラモを立体的なキャンバスとして扱う‥‥という意識が、いわゆる、従来のプラモ塗装の方法とは違います。

 

プラモ塗装の近年の一般論は、

 

  1. 組み立てる
  2. サーフェイサーを吹く
  3. 不具合部分を修正する
  4. サーフェイサーを吹く
  5. エアブラシでベタ塗りする
  6. 細かい部分をエアブラシと筆で塗る
  7. デカールを貼る
  8. クリアを吹く
  9. 汚しを入れる

 

‥‥みたいな手順です。クリアが先か、汚しが先か‥‥は、その時々で。

 

一番最初にペタッとした無機質なベタ塗りで塗装して、後からウェザリングやエイジング、明暗の誇張などの「表情付け」を処理して風合いを出す「一般的」な方法です。なんだか、アニメのセル塗りに特効を入れるような感じ‥‥ですネ。

 

新品が、経年変化で汚れていく様子

 

‥‥を模しています。つまり、現実のミニチュア的アプローチです。絵ではなく、箱庭的現実世界です。

 

絵画技法においては、最初にベタ塗りして経年変化を足す‥‥なんてことは相当珍しい描きかたです。風景画や人物画を描く際に、一旦ベタ塗りして後でニュアンスを加える‥‥なんてしません。

 

私が長年、プラモ制作でひっかかっていたわだかまりは、まさにソレ=最初にベタ塗りしちゃうこと‥‥でした。ベタ塗りって、水彩なり油彩なりで考えると、相当「奇妙」な塗り方ですもん。建築物の壁を塗装しているわけじゃないんだし。

 

私は、プラモを通して「シーン」を作りたかったことに、ようやく数年前に気付きました。

 

‥‥考えてみれば、映像制作を仕事にしてるんですから、当然の趣向ですよネ。リアルよりもかっこよさを追求する仕事をしてるのに、その感覚を長年の間、プラモには応用できなかった自分が不甲斐ないです。

 

プラモの箱絵は、まさにかっこよさの象徴的存在です。

 

プラモの箱の絵がもったいなくて捨てられず、小学生の頃から今までコレクションしていることからも、「自分がプラモで何がしたかったのか」をもっと冷静に分析してれば、長年悶々とせずに済みましたネ‥‥。

 

ちなみに、箱絵。ボックスアート。

 

以下は、私の小学時代からのコレクションの一部です。まず、F-105Dサンダーチーフ。キンカ堂の値札も今となっては貴重です。

 

 

 

 

定価が500円で2割引で400円です。私がキンカ堂でプラモを頻繁に買っていたのは、2割引きの安さゆえ‥‥というのを、何十年ぶりかに思い出しました。

 

おそらく、このサンダーチーフのプラモを買うのは2回目だったと思います。小学3年生の頃に買った時は、350円が定価だったので、この箱の価格表示は一斉大幅値上げ後ですネ。

 

私は六車さんの箱絵が好きで、今でも強い印象のまま心に残っているのは、F-4Eのシャークティースの箱絵です。もちろん、ちゃんとコレクションしていますヨ。

 

 

 

さらに、言うまでもなく、小池さんの箱絵も大好きです。知っている人はご存知でしょうが、小池さんの箱絵は、初期はポップな色使いだったのが、徐々にリアル路線へと変わっていきました。F-16の初期型(試験飛行時代)の箱絵は、まだポップ寄りの頃です。

 

 

このF-16のプラモはイトーヨーカドーで買ったらしい。

 

 

 

次は、YF-16との戦闘機選定に敗れたYF-17がF-18として蘇った頃のプラモデルで、今は相当レアな箱絵ですが、小池さんのスタイルがリアル方向に転向した頃でもありますネ。

 

 

 

ハセガワばかりなので、レベルのF-15も。

 

 

 

箱絵に描かれた1シーンの数々。

 

私がプラモに求めていたのは、立体的に描かれたシーン(情景)だったわけです。

 

ああ。ジオラマがやりたいのね。

 

‥‥というわけじゃないんですよ。ジオラマも箱庭的アプローチで、現実のシミュレーションのような側面が強いですよネ。

 

現実を箱庭に納めたいわけではないのです。結果は似てても、動機やアプローチが異なるんですよね‥‥。

 

音で言い換えるならば、例えば小鳥のさえずりを声で形態模写したいんじゃなくて、1オクターブ12音の旋律として再構成したいんですヨ。写真ではなく、野外録音ではなく、絵を描く、音楽を演奏する、その決定的な違い。‥‥それを何とかプラモの色塗りで表現できないか、最近はずっと模索してました。(まあ、仕事の合間なので、スローペースですが)

 

私はプラモに空想を求めていたことが判ってから、史実に基づくアプローチは「空想に現実味を加えるスパイス」と思えるようになりました。

 

 

 

エアブラシでムラなく塗って、後から汚す‥‥のではなく、最初から絵のように描いていく。

 

その方法が最近はようやく見えてきました。プラモの技法書を買い集めて読むのではなく、私が高校時代に読んだ絵画技法の本の数々が、今、全く違うジャンルで役立っています。

 

*さすがに、40年前の本なので絶版…ですネ。現在入手可能なのは古本のみです。

 

 

下地に「感じさせたい色」を塗っておき、表現したい雰囲気を意識しながら、徐々に全体像を浮かび上がらせていく‥‥という絵画スタンスの塗り方を、プラモで実践するわけです。

 

カラヴァッジョやレンブラントの技法が、まさかプラモで役立つとは、思いませんでした。これもある種のセレンディピティですかね?

 

右は特製の銀色で筆塗りした下地塗りの状態、左はダークイエロー(XF-60ね)で筆塗りした、ヤークトティーガー(タミヤ 1/48)です。ペタッとしたイエローではなく、適度にムラが残って、まだ完成途中なのに、まるでウェザリングを施したかのようです。

 

 

 

1/48のティーガーII。何工程も控えているうちの第2段階ですが、まるで油彩のようにルックが徐々に浮かび上がっていきます。エアブラシでムラなく塗る方法とは、全く異なる絵画的アプローチです。この後、筆の大きさをどんどん小さくして、複雑なマティエールへと導いていきます。

 

ペタッとした無機質な表面ではなく、絵画が完成していく過程のような表面であることが、最大の特徴です。「塗装」という言葉から離れて、「絵を描く」意識で進行していくわけです。立体のキャンバスを絵を描いて、組み立ても同時におこなうような、「描く」と「作る」が並行するイメージです。

 

 

 

お次は1/48のファイアフライ。砲身と防盾はまだ下地塗りのままです。この後、雑具に色をつけて(木製の取手とか、ハンマーの金属とか)、ウェザリングや墨入れなどもおこないます。

 

今までの一般的な手法と大きく違うのは、最初からプラモの色彩に表情があることです。

 

絵では当たり前なアプローチですが、なぜかプラモでは「塗装」に徹する習慣があって、絵を描く意識は希薄でした。‥‥我ながら、マインドセットだったんでしょうね。

 

 

 

このアプローチに切り替えてから、少なくとも私は「自分の土俵で相撲がとれる」安心感でプラモを作れるようになってきました。難しい部分はまだまだありますが、かなり気が楽になった‥‥というか、バイトで慣れない塗装工をしている気分からは解放されました。

 

プラモの塗装に対して、生産工場での単色塗装がしたかったわけではなく、自分は情景画を求めていたことがわかって、今では色んなアイデアをカタチにできるようになってます。ずっと「塗装」に対して、心の奥で齟齬を感じてたのが、すっきりと晴れた‥‥とでも言いましょうか。

 

ここらへんの制作奮闘記は、いつか電子書籍にまとめられたらな‥‥と思ってます。私はモデラーなんて名乗れる技量にはないので、あくまで下から目線でプラモ好きの観点で。

 

また、2020年の元旦に届いた1/48のティーガー後期型を、戦車コーティングシートも併用して(吸着地雷除けのアレ)、制作記を記録していこうとも思っています。モデラーの方々がブログでやっているみたいに。

 

 

 

でもまあ、これはあくまでも趣味の領域で、本業とは直接的には関係ないです。

 

本業は本業で、また、新しい切り口で進んでいく所存です。

 

 

 

 

 


シンナーの匂ひ

シンナーが臭い。

 

ラッカー系、つまりシンナー臭の強い塗料を用いて、しかもエアブラシ使用という条件は、一般家庭の居室において、本当に現実的と言えるのか? ‥‥私は半世紀生きた今、ハッキリと「非現実的」と思えるようになりました。

 

土地の値段が安い地域に住み、本業でたくさんお金を稼いでいる人は、我が家の土地を買い増して「離れの工房」を500〜1500万円(建物の価格のみ・諸経費別ネ)くらいで建てて、どんなにシンナー臭を漂わせようと一切問題が生じない環境を獲得できるでしょう。

 

ホンカの小さなログハウスで、平面&立体造形制作に没頭できたら、どんなに幸せでしょう。夢‥‥ですネ。

 

 

 

でも、そんな恵まれた境遇の人が、全てのプラモデル愛好者とイコールではありませんよネ。多くは、狭い自分の部屋をさらに切り詰めて作業空間を捻出していることでしょう。

 

そんな部屋の中で、エアブラシでシンナー系塗料を吹くことは可能でしょうか。‥‥後先を考えなければ可能かも知れませんが、相当なマイナスの諸問題が発生します。シンナー系塗料を扱う人間は、皆が、一人暮らし=同居人が存在しない人なのでしょうか。‥‥もしくは同居人に「文句があっても黙らせる」ような「昔の家長」のような威圧的な存在なのでしょうか。


一生変わらずに、プラモデルを楽しみながら生きていくには、上述したように事業に成功して金持ちになって別棟の工房でも建てるか、一生独身で一人暮らしか‥‥の2択になると思います。

 

「この匂いとは一緒に暮らせない」‥‥と、交際中の彼女に言われたらどうします?

 

「パパ。この匂い、嫌い。」‥‥と、育ち盛りの愛娘に言われたらどうします?

 

では、

 

今が潮時か。‥‥プラモはもう諦めるか‥‥。

 

‥‥ということにしますか? 今までずっと好きでいた趣味を、捨ててしまいますか。

 

もし、水彩画だったら、諦めなくても済むかも知れません。木工細工に水性塗料を塗って仕上げるのでも、諦めなくても良いかも知れません。

 

 

シンナーの強烈な匂いさえなければ。

 

 

シンナーの匂いは、どんなに塗装ブースを設置しようが、全て除去できるものではありません。部屋の中はシンナー臭で充満し、部屋を出入りしただけで、他の部屋に匂いが漏れて移ります。

 

同居人がいた場合、口に出さなくても、我慢しているだけかも知れません。「昔から好きでやっている趣味を取り上げるわけにはいかない」と思いやってくれているだけ‥‥という可能性は相当高いです。そうした思いやりや気遣いに「あぐらをかく」ことを続けて良いのか、‥‥まあ、人それぞれの考え方ですし、状況・環境にもよるでしょう。

 

 

 

解決法はあります。シンナー系の塗料や溶剤を使う回数を、できるだけ減らすことです。

 

ラッカー系塗料ではなく、匂いが格段に穏やかな水性アクリル系塗料をメインにすれば、部屋に充満するシンナー臭を大幅に抑制し、別の部屋に漏れることもなくなります。

 

シンナー臭を完全に封じることは不可能だとは思います。筆に固着したアクリル塗料を溶かして洗浄するには、やはりシンナー系のクリーナーが有効です。水やアクリル溶剤では洗浄には限界があります。

 

逆に言えば、そうした「どうしてもシンナー系が必要な場合のみ」に限定すれば、シンナーの悪臭を総合的に抑制できます。

 

 

 

技法上で言えば、シンナー系〜ラッカー系の塗料の有利な点は山ほどあります。ゆえに、ラッカー系から離れられない現実はありましょう。

 

しかし、本当にラッカー系塗料でないと、自分自身で「よく出来た!」と思えるプラモは完成しないでしょうか。アクリル系だけでは無理なのでしょか。

 

アクリル塗料はアクリル絵具の親戚みたいなものですが、アクリル絵具でいくらでも素晴らしい絵画は描けます。

 

ラッカー系塗料に縛られているのは、実は技法の中身というよりも、「そうじゃないとダメだ」と思い込んでいる自分の性質も大きいように思います。

 

模型雑誌に掲載される作品は、まさに模型のために多くのリソースを割いて作られた数々ですが、それと同じことをしようとして、一般のアマチュアがやり遂げられるのでしょうか。模型雑誌を読んで、「こうしなければこっかよくならない」と思い込んで、やろうとすることがどんどん肥大化・深刻化した挙句に、いつまでたっても完成しないプラモや、同居人にシンナー臭を吸わせる状況が出来上がります。

 

 

 

アマチュアには、アマチュアなりの「着地点」があるように思います。

 

私の本業の映像制作で考えてみれば、プロとアマの環境の差はあって然るべきです。プロの現場には、60万のリファレンスモニタも、400万のマスモニも、「必要であるがゆえ」に、設置されます。アマチュアが同人・個人でアニメを自主制作する時には、別の技術的かつ運用上のアプローチが必要で、400万円のマスモニを買うなんて非現実的です。

 

映像の場合は、機材の金額がでかいので、誰でもすぐに「出来る出来ない」を気取りますが、プラモの場合は「プロと同じことができるかも」と考えてしまいがちです。

 

アクリル系塗料で色々な技法を編み出して展開すれば、アマチュアなりの「ハイ・アマチュア・テクニック」が形成できると思うのです。

 

 

 

私も長らくラッカー系塗料、そしてエアブラシ技法にこだわっていましたが、以下の2冊を読んで、考えを改めるに至りました。

 

●田中克自流飛行機模型筆塗り塗装術

 

●リビングで塗れるプラモ 水溶きアクリル筆塗りテクニック

 

 

数年前、「田中式塗装術」を読んで、筆塗りで全てをやり遂げる方法に「呆然」としました。昔自分が水彩や油絵を描いていた記憶と、プラモの塗装術が重なりあって、「なぜ、自分はプラモを一生懸命エアブラシで仕上げようと思っていたのか」とあまりの己の無自覚さに呆れたからです。

 

そしてラッカーではなくアクリルで「田中式塗装術」を実践したのですが、どうも塗料がぼってりして想像したようにはいきません。

 

そんなこんなしているうちに、「水溶きアクリル」の本が発売されました。最初は「アクリル塗料で塗る指南書がでたのか」と傍観するだけだったのですが、‥‥水溶き‥‥‥水溶き?‥‥‥み・ず・と・き‥‥‥‥‥‥。それだーーー!!!

 

最初のうちは水溶きの意味がわからなかったのですが、自分の過去の「アクリル絵具」の経験とやがて重なって、意味の重大さに気づきました。そして早速購入。

 

書かれていることは、実践に富み、用具や塗料の特性についての読み物としても、非常に有益な内容でした。

 

 

 

「田中式塗装術」、「水溶きアクリル」の刺激的な2書を経て、さらに過去の自分の絵画技法の知識、加えて、本業でのアニメと実写映像制作両方のビジュアルエフェクト・コンポジット技法を応用することで、「ラッカーやエアブラシ環境では大げさになりがちだった模型制作」を、かなりコンパクトに収める技法が、私の中で出来上がりつつあります。

 

筆塗りオンリーなら1〜2畳くらいのスペースがあれば可能。もしすでにエアブラシを所有している場合は活用しますが、塗料はあくまでアクリルかエナメルで、シンナーの霧を部屋中に散布することなく、同居人にも優しい「日曜モデラー」の環境を作ることが可能です。

 

模型雑誌の作例は、ため息が出るほど、すごいもの、素晴らしいもののオンパレードですよネ。

 

でもそれはそれ。自分は自分。

 

模型雑誌の作例に憧れすぎて、キットを買ったものの、積んでおきっぱなしで制作はとんと進まず、いつか中古で売りに出したり、自分の死後に処分されるのでは、悲しすぎます。

*中古のプラモを通販で買って実物を眺めながら、「もしかしたら、本人が手放しただけでなく、遺族の人が処分した(=売りに出した)ものも、中にはあったりするのかな」と思うことがあります。妙に古いキットとかネ。

*私のストックの中には、私が中学生の頃の年代と思われる「レベル・1/32・Bf110G(夜戦)」のキットがありますが、プラモって相当長く保存できますよネ。デカールはボロボロにはなりますが、キットそのものは健在です。

 

まず何よりも、自分で満足できる完成品のレベルを達成するには、どうすれば良いか、‥‥半世紀を生きてようやく私は見えてきた気がします。

 

‥‥ので、このブログで実際に作りながら、自分なりの着地点を紹介していこうと思います。

 

昨今のプラモ離れって、実は、制作技術をあまりにも引き上げすぎて、手軽に作れなくなったから‥‥とも思う今日この頃です。皆、エッチングパーツを買い足したり、スジボリし直したり、実物考証や時代考証を徹底しなければ、作る意味がない!‥‥だなんて思い過ぎているんじゃないでしょうか。

 

ゆえに、部屋の装備はどんどん大袈裟に増えていくし、強烈な溶剤の匂いで部屋が充満していきます。

 

シンナーの匂いから脱出して、好きな時に好きなように、自分の好きなプラモを作る。‥‥大切なことですよネ。

 

 

 

‥‥で、私はそれを画業や映像制作にも活かすのです。写真や3DCGのビュワーでは得られない「実物の立体の実感」は、新たな映像作品のアイデアを与えてくれます。

 

ということで、新しい記事ジャンル「脱シンナー模型制作」を作りました。随時更新予定ス。

 

 


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